何故摂食支援か?

ふじた歯科は摂食支援に力を入れていきます。
私 藤田は摂食支援協会に在籍し、摂食嚥下障害の患者さんに、安全に口から食べてもらいたいと思い日々努力しています。
ふじた歯科はこれまで訪問歯科治療を行ってはおりましたが、若い代診の先生たちが中心となって行ってきました。でも摂食支援に関しては私も関与していこうと思っております。

実は、私自身が歳をとるとともに、訪問診療から距離を置いていたという事実があります。なぜかというとそれは10年くらい前の出来事があったからです。
訪問診療は患者さんの在宅や入院しているベッド上で行うので、どうしても術者(我々歯科医師側)が無理な姿勢で治療をすることになります。そうすると持病の腰痛(椎間板ヘルニアを患っていたことがあります)がぶり返し、歯科治療をしにいった私が、今度は腰痛で体調が悪くなるということが頻発したのです。また、患者さんは高齢の方が多く、夏場でもエアコンを使用しない方が多く、汗かきの私はそれこそ汗ダラダラな状態で、訪問診療が終わった後はぐったり(今思えば脱水症状を伴った熱中症だったかも)でした。そういうことが続いて、なるべく私は訪問診療をせず、当院の若い先生たちが中心となって行い、若い先生たちから相談された時に、いろいろなアドバイスをするというようなスタンスだったのです。

ところが、そのスタンスを変えることになることが起こりました。それは、私の83歳の母親が誤嚥性肺炎で入院し、しかも摂食機能障害があり、うまく口から食事ができなくなったのです。
母親は田舎で独居生活をしており、もともと数年前から食事を飲み込みにくい、という症状を訴えておりましたが、何とか介護制度を利用し、ヘルパーさんたちの協力もあり一人で生活をしていました。

ところが、昨年の6月に尻餅をついたことで腰椎骨折を起こし、救急車で病院に運ばれ入院したのです。年をとって骨がもろくなると尻餅をついたくらいで骨折するのですね。ただ、骨折自体はそれほど重症でもなかったので、命に別状はなく、安心していたのですが、しばらくすると入院先の病院から緊急連絡があり、重度の肺炎で命に関わるとのことことでした。肺のCT画像、胸部レントゲンなどを見せてもらいましたが、右肺下部の不透過像が著しく、原因として肺がんや結核などが疑われるとのこと。胸水を採取して調べると主治医から説明を受けました。私は誤嚥性肺炎ではないかと主治医に質問しましたが、絶対違うと断言されました。背中から胸水を採取して調べたら原因がわかるのでということでその処置をしましたが、結局原因は分からず、ガンでもなく、結核でもなく、原因不明だと言われました。もう一度誤嚥性肺炎ではないですか?と聞いたら、違うと言われました。結局 原因不明の肺炎ということになりました。

それでなくとも嚥下障害のある母親が、仰向けで食事をすることにより気管に入り、誤嚥性肺炎を起こしたではないかと思っていました。
2ヶ月近くの入院で、なんとか命が助かって、その後、縁あって今の老健施設に入所しました。調子よく過ごさせてもらい、調子良かったのですが、再度 誤嚥性の肺炎を起こし、また入院となりました。今回の入院先の病院は即座に誤嚥性肺炎と診断し対処をしていただきました。
ただ嚥下障害が如何ともし難く、食事が取れず、栄養失調でまた命に関わるということで、相談の結果、胃ろうの造設となりました。

その後胃ろうから栄養注入をしております。しかし、私の願いとしては、母に少しでも口から食べてもらいたいと思っています。食べることは生きることそのものだと思います。

私の母のように、口から食べたいと思っても、食べることができず困っている方も多いようです。また誤嚥性肺炎を起こして亡くなる方も年々多くなっているようです。(死因の第3位が肺炎。肺炎の7割は誤嚥性肺炎)口から食べたい人のお手伝いをしたい、誤嚥性肺炎の発生を減らしたい。その気持ちから摂食支援に私自ら携わりたいという気持ちが湧き上げてきたのです。今後は当院全体で摂食支援の活動をしていこうと思い、医院の方向性を示し始めているところです。
こういう理由で当院自体が摂食支援協会に入り活動を行っていくようになりました。誤嚥性の肺炎予防や、口腔機能の改善のために貢献できるように努力していくつもりです。

 

医療法人 夢昂会 ふじた歯科
理事長 藤田浩一