入れ歯 Q&A

初めて入れ歯を使うことになったのですが、どうやってお手入れしてよいかわかりません。お手入れの仕方は?

入れ歯のお手入れの方法は、①ブラッシングと②洗浄剤での洗浄があります。 ①ブラッシング 入れ歯のブラッシングは専用の義歯ブラシを使い磨きます。 き方は汚れが取れるように、しっかりこすって下さい。 ※注意点 歯を磨く様の歯磨剤には研磨剤が含まれています。入れ歯ブラッシングの際、研磨剤入の歯磨き粉を使用すると表面に傷が入り、細菌や汚れが付着しやすくなってしまいます。研磨剤なしの歯磨き粉を使用するよう注意してください。 ②洗浄剤での洗浄 入れ歯の洗浄には専用の洗浄剤を使用してください。化学的に細菌を除去する効果があります。 洗浄剤はつけおきして使用しますが、ブラッシング後が効果的です。 ブラッシングによる機械的清掃、洗浄剤による化学的清掃の両方が重要になります。どちらか片方ではなく両方ともしっかりと行ってください。

自分の歯があまり残っていないのですが、寝る時も入れ歯はつけないといけないのでしょうか?

残っている自分の歯の本数や、噛み合わせ、歯ぎしりや顎の痛みの有無などによってどちらがよいか変わってくるため一概にはお答えできません。必ず担当の歯科医師に確認してください。 ※入れ歯を外して寝る場合の注意事項 入れ歯は絶対に保存液に入れて保管してください。入れ歯は長時間乾燥させると、材質の変性や、ひび割れを起こす可能性があります。 ※入れ歯を装着したまま寝る場合の注意事項 入れ歯を装着したまま寝る場合であっても、寝る前に必ず入れ歯の清掃を行ってください。汚れた入れ歯をつけて寝ると、歯茎が炎症を起こすことがあります。

上の入れ歯がパカパカ落ちてくるのですが、安定剤は使ってもいいでしょうか?入れ歯安定剤の使用は歯科医師によっても様々な考え方があると思います。

私の意見としては、入れ歯は(特に総入れ歯は)歯茎にのせて使用するもので食事 中や会話中に外れることは避けられないと思います。(オーバーデンチャー等は除く)できる限り入れ歯の調整により、外れにくいように改善しますが、限界はあります。 顎骨の形状や、残っている骨量、歯茎の状態により、どうしても調整では改善できない場合、安定剤の使用もQOL(患者様の生活の質)向上させる一つの手段と考えます。 現在多くの種類の安定剤が市販されており、ジェル状のもの、ペースト状のもの、パウダータイプ、シートを貼り付けるもの等どれを選んでよいかわからない、とよく相談を受けます。 私はどれがオススメというものはありません。何種類か試して頂き、一番ご自分に合うものを使用されて構いません。顎の形状や状態云々ではなく、使い心地がよいなどで選んでいただければと思います。

私まだ52歳なのですが、同じくらいの年齢で入れ歯にしている人はいるのでしょうか

入れ歯を使用している方の年齢を歯科疾患実態調査のデータで調べてみました。 歯科疾患実態調査というのは6年に1度、厚生労働省が行っている検査です。最新のデータはH23年に行われたものです。調査対象は15歳以上になっています。 それによると、25歳以下では入れ歯の使用はなく25~29歳で0,8%、そこから50歳未満までは5%以下になっています。50歳を超えるあたりから多くなり50~54歳で10,1%、65歳以上では50%以上と半数を超える人が入れ歯を使用しているようです。この調査はもちろん国民全員を対象にしているわけではないので正確さは保証できませんが、概ねこのような割合になっているものと思われます。 年齢が若いから恥ずかしいと、入れ歯を使わずそのままにしておくと、残っている自分の歯に負担が大きくかかり、悪い方悪い方へと進んでしまいます。見た目のきれいな入れ歯もあるので(審美義歯)検討してください。

義歯をつけたまま寝てもいいのですか?

寝るときに入れ歯を入れたままでいいのか、外した方がいいのかということは入れ歯を使っている人なら気にかかることかと思います。入れ歯をいれたままで寝てもいいか外して寝る方が良いかは、入れ歯と残りの歯の状態によって変わります。 ほとんどの場合では義歯は寝るときにはずした方がいいです。 部分入れ歯で特に小さい場合、入れ歯を就寝中に飲み込んでしまう可能性があります。念のため外すとよいです。認知症などで喉の感覚が鈍っている方は特に注意が必要です。 また、寝ている間は唾液の量が少なくなります。唾液は細菌の繁殖を抑える働きがあるため、寝ている間はお口の中には細菌が繁殖しやすいです。入れ歯があると入れ歯の周りに菌が繁殖しやすいので基本的には入れ歯は外して洗浄剤につけていた方がいいです。 ただ、まれに入れ歯をつけてねた方がいい場合もあります。 残った歯が少なくなり、入れ歯を外した時に上下の歯がほんの数本しか噛みあわない場合、寝ている間には噛みあっている歯に大きく力がかかります。 その場合には入れ歯を入れた方が力が分散され、歯が長持ちする場合があります。また、残った歯で噛み合わせると残った歯が全くかみ合わない場合、残った歯と歯茎が寝ている間に噛みあって、歯茎に傷を作ったりする場合があります。このようなときには入れ歯をはめて寝る方が望ましいです。 入れ歯をはめて寝た方がいい場合も、寝るときに間違って飲み込まないように注意することが必要です。また、日中に必ず1日1回は洗浄剤に付けるようにしてください。 自分がどちらのタイプに当てはまるか気になる場合は歯科医院で相談するとよいでしょう。

入れ歯(義歯)もメンテナンスが必要?

歯を失った際の代表的な治療法に義歯があります。文字通り、喪失した歯の代わりとなる人工の歯と、それに付随する歯ぐき部分(床)からなる人工臓器です。 あえて「装置」と称さず、「臓器」と言うのは「メンテナンスは必ず必要」だからです。一度作ったらおしまいではなく、切れ目なく継続して管理・調整することで長く良い状態を保つことが出来ます。 ここではなぜメンテナンスが必要なのか説明していきます。

① 入れ歯は消耗品!?
入れ歯の人工の歯は、保険のものだと硬質レジンといって強度のあるプラスチックで出来ています。この硬質レジン、ちょっとやそっとでは削れません。噛みあわせの調整でも炭化ケイ素といって非常に硬い研削材を使ってようやく削れるくらいです。しかし、1日3回の食事のたびに反対側の歯とあたると長年使用することで少しずつ摩耗してきます(歯は人体の中で最も硬く、骨よりも硬いです)。※反対側も義歯の場合は削れ方がより緩やかです 人工の歯が削れると ・咀嚼能率が低くなる ・噛み合わせが低くなる ・歯ぐきや残っている歯に大きな負担がかかる(詳しくは後述します) このようなデメリットが生じます。ある程度の摩耗であれば、補修で対応できますし、難しければ人工の歯のみ置き換えを行ったり、義歯自体を新しくすることもおすすめしています。
② 入れ歯の土台となっている歯は重労働!?
歯を失った部分に人工の歯がきますが、咀嚼時人工の歯への負担はその下の顎堤(顎の土手の部分)とバネがかかる歯に集中します。特に遊離端欠損と言われる後ろに支える歯がない場合、噛む度にバネがかかる歯を引っこ抜く力が作用します。 その力を少しでも軽減するために、適合のよいバネ、入れ歯が重要になります。そのため、①にもあったように人工の歯がすり減ってくると噛もうとしてより過重な負担がかかって土台の歯が重労働となってしまうのです。
③ バネがかかる歯の周りは汚れやすい!
入れ歯のバネは歯の周囲を覆うようにはまります。そのため、その周囲は汚れが残りやすいです。もちろんそれは大切な歯を失う大きな原因になりますので、うまく磨けていないようであれば清掃方法を指導してもらったり、難しい箇所は専門家による清掃が必要です。つまり、さらに歯を失って入れ歯の面積が増えないようにするためにもメンテナンス(定期検診)が必要です。
④ 適合の悪い入れ歯は土手が痩せやすい!
これはもうそのままで、適合が悪いと単に食べ物が挟まりやすいといった不快症状だけでなく、不適切な力が顎の土手に加わるので骨が吸収して痩せやすいです。これは部分入れ歯よりも総義歯に多いので、総義歯の方もぜひメンテナンス(定期検診)を受けましょう。 義歯の方もメンテナンス(定期検診)が必要な理由、わかってもらえたでしょうか? 当院では義歯の方のメンテナンスにて ・超音波による義歯の洗浄 ・適合のチェック、噛みあわせの調整 ・破損箇所の修理(ヒビなど) を行っております。義歯に関する疑問があれば、スタッフまでお気軽にお申し付けください。

義歯の欠点は何ですか?

・お口の中で動くと、歯茎が痛くなります。 ・発音がしにくくなります。 ・取り外してお手入れをしなければなりません。 ・バネのかかる歯に負担がかかります。 ・違和感がつきものです。

義歯にして、噛む力はちゃんとあるのですか?

義歯は、ご自分の歯の噛む力の1/3程度しかありませんので、硬いものなどを噛むのは難しくなります。

義歯はどれくらい持つのか?

歯がない状態だと、顎の骨は1年間に0.5mmなくなっていくので、顎の状態が変わってきます。個人差はありますが、2~3年に一回作り変えが必要になることがあります。

バネが目立たない義歯があると聞きましたが?

金属製のバネのついてない、ナイロン系の素材でつくられた義歯があります。従来の義歯と比較して弾力性に優れており、残った歯を包み込むことで義歯を固定するため、安定感もよく、歯に対する負担も少なくてすみます。また、厚さも従来の義歯に比べ薄く、違和感が少ないようです。ただ保険適用外です。

入れ歯が気持ち悪く又よく噛めません。

入れ歯の悩みはしている人にしかわかりません。改善策は必ずありますから歯科医師に些細な事でもご相談ください。またいろいろな特殊な義歯がありますので、あきらめずに最適な患者様にあった義歯を選択しましょう