2020/08/10

歯周病と胃潰瘍

長崎県諫早市の歯医者  「諫早ふじた歯科・矯正歯科」理事長の藤田です

胃潰瘍と歯周病の関係

ストレスがかかる時になると胃がキリキリ痛むそういう経験を持つ方多いと思います。私もそうでした。心配事があると胃が痛いという経験を何度もしたのです。

『胃潰瘍の原因はストレス』と聞くと、思い当たる人が多いのではないでしょうか? ストレスが私たちの体のバランスを乱れさせることは確かです。しかし、胃潰瘍や十二指腸潰瘍が細菌感染によっても起こることが明らかにされました。胃の中は強い酸性で、一般の細菌は殺され住み着くことができません。ところが、ヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌と記載)という細菌は、胃液の成分からアンモニアを作り、自分たちが生きていける環境を胃の中で作り住み着くそうです。

胃潰瘍の94%、十二指腸潰瘍の98%がピロリ菌が原因と言われています。
また、ピロリ菌は感染症であり、日本人のピロリ菌の感染率は年代とともに上昇し、20歳代未満は約10%なのに、50歳代では約70%に達するそうです。

問題なのはピロリ菌が、毒素などを使って胃潰瘍をおこすだけでなく、胃癌の原因になるといわれています。怖いですね。そのため、ピロリ菌による胃潰瘍の治療には、3種混合の抗生物質が投与されるようになっていて、除菌効果が高いようです。

実は私、藤田も数年前の人間ドックでピロリ菌がいるのがわかり、3種抗生剤の7日間投与を受けましたが、1回目は奏功せずピロリ菌除菌に失敗しました。
理由はお酒です。私は晩酌のビールが大好きでその除菌期間もビールを飲んでいたのです。後で、お酒はやめるべきだったと指導を受けました。

それが理由だったので、2回目の除菌時には禁酒しました。おかげで、ピロリ菌の除菌に成功いたしました。それから、胃がチクチク痛むようなことが無くなったことは事実です。

ところで、免疫反応という言葉を知っておられますか?私たちの体に微生物が侵入(感染)すると、それらを排除しようとします。簡単に言うとその防御機能のことを、免疫反応といいます。その免疫反応は、体をまもる防御反応として欠くことのできないものです。

ところが免疫反応は、私たちの体によくない作用=アレルギーを引き起こすこともあります。病原微生物に立ち向かってくれる場合とアレルギーを起こす場合があり、免疫反応は「両刃の剣」であるというわけです。

話を戻して、歯周病があり歯周ポケットが深くなると、ピロリ菌の親戚ともいえるキャンピロバクターという細菌がやたらと増えてきます。すると歯周病の患者の体の中で、そのキャンピロバクターを排除しようとする免疫反応が起きてきます。同時にピロリ菌とキャンピロバクターによるアレルギー反応が強くおきてしまうことも考えられます。そうすると、歯周病と胃潰瘍の両方が悪くなってしまうこともあるそうです。

諫早ふじた歯科・矯正歯科の歯周病治療はこちらを読んでください

ピロリ菌は唾液と、歯垢(プラーク)から分離されることがあります。一度除菌に成功しても再感染も考えられます。お口を経路にした再感染も十分に考えられますので注意が必要です。
また、ピロリ菌と口臭との関連も指摘されていますので今後の研究が待たれます。

長崎県諫早市多良見町中里129-14

医療法人 夢昂会 諫早ふじた歯科・矯正歯科