こんにちは。長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」です。
インプラント治療では、土台となるインプラント体を顎の骨に埋入して固定するため、顎の骨に厚みや高さが必要です。「骨の量が不足していると治療が受けられないの?」「顎の骨が少ない場合に行う骨造成手術はどういうもの?」などの疑問をお持ちの方もいるでしょう。
骨造成手術にはいくつかの方法があり、費用は手術方法によって異なります。インプラント治療を検討する際は、骨造成手術の種類やおおまかな費用を把握しておく必要があるでしょう。
今回は、インプラント治療における骨造成手術の方法や費用、術後の注意点をくわしく解説します。インプラント治療を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
顎の骨が少ないとインプラント治療は受けられない?
加齢や歯周病などの影響により、顎の骨が少ない方がいます。インプラント治療では、土台となるインプラント体を顎の骨に埋め込むため、骨に十分な厚みと高さが必要です。
顎の骨が少ないとインプラント体を適切に埋入できないため、インプラント治療は難しいと診断されることもあるでしょう。
しかし、顎の骨が少なくても、インプラント治療を受けられる可能性はあります。骨造成手術によって骨を増やすことで、骨の不足によるリスクを軽減し安全にインプラント治療を受けられるのです。
骨が少ない方でもインプラント治療を受けられる可能性があるため、あきらめずに歯科医師に相談してみましょう。
顎の骨が少ない場合に行う骨造成手術とは?
骨造成手術とは、骨を増やすために行う手術のことです。顎の骨が少ない状態でインプラント治療を行うと、インプラント体が顎の骨を突き抜けたり歯肉から露出したりする可能性があります。
埋入できたとしても、骨や周辺組織とうまく結合せず不安定な状態になる可能性があるでしょう。これらを防ぐために、インプラントを埋入する前に骨造成手術を行います。インプラントを安定させるために、必要な骨の量を確保するのです。
骨造成手術の種類
骨造成手術にはいくつか種類があり、骨の状態や治療箇所、治療範囲によって方法が選択されます。
ここでは、主要な骨造成手術を3つご紹介します。
ソケットリフト
ソケットリフトとは、奥歯の上顎の骨に高さが足りない場合に行う骨造成手術です。骨の不足量が少なく、治療範囲が1本程度の場合に選択されます。
ソケットリフトでは、上顎洞という空洞の底を持ち上げてスペースを確保し、そこに骨補填材を入れて骨を再生させます。傷口が小さく、同時にインプラント体を埋入する手術ができるため、身体への負担が少ない方法といえます。
サイナスリフト
サイナスリフトは、上顎の骨が薄く高さが不足している場合に行われる骨造成手術です。上顎の骨の高さが6mmに満たない場合や、多数の歯が欠損している場合に選択されます。
上顎洞の底部に骨補填材を追加して骨を増やします。歯肉の側面からアプローチするため、身体への負担はやや大きいです。
サイナスリフトでも、インプラント体の同時埋入が可能です。
GBR法
GBR法(骨誘導再生法)は、インプラント治療に必要な骨の厚みや高さが不足している場合に行われる骨造成手術です。メンブレンという人工膜を設置し、その中に自分の骨や人工骨補填材を入れて骨の増殖を促します
骨が再生するまでには3~6か月ほど必要ですが、骨を増やす量が多くない場合はインプラント体の埋入と同時に行えます。
骨造成手術にかかる費用
骨造成手術にかかる費用は、手術の方法によって異なります。手術方法ごとの費用の相場は、以下の通りです。
- ソケットリフト:5〜10万円程度
- サイナスリフト:10~35万円程度
- GBR法:5~10万円程度
ソケットリフトは骨の不足量が少ない場合に用いられるため、費用が安い傾向があります。骨の不足量が多い症例で行われるサイナスリフトは、手術範囲が大きく難しい術式なので、ほかの治療法に比べて費用が高いです。
さまざまなケースに適応できるGBR法は、再生する骨の量や患部の状態によって費用が変動します。
ただし、上記はあくまでも相場です。実際の費用は歯科医院によって異なるでしょう。
インプラント治療で骨造成手術が必要な場合は、手術方法や費用について歯科医師と十分に相談しましょう。
骨造成手術は保険が適用される?
骨造成手術はインプラント治療に含まれるため、基本的に保険が適用されません。手術にかかる費用は全額自己負担となり、歯科医院によって大きく異なります。
骨造成は外科的な治療であり、原価の高い人工骨や骨補填剤などの材料も多く使用するため、費用は高額です。
ただし、厚生労働省が定めた条件を満たせば、保険が適用されるケースがあります。治療を受ける医療機関にも条件があるため、保険が適用となるか事前に確認しておきましょう。
先天的な理由
先天的な理由で保険が適用されるケースは、以下のとおりです。
- 生まれつき顎の骨が3分の1以上連続して欠損している場合
- 生まれつき顎の骨が形成不全であると診断された場合
- 先天性欠如歯が6本以上ある場合
- 先天性欠如歯が連続して4本以上ある場合
先天性欠如とは、生まれつき永久歯が生えない状態です。生まれつき顎の骨に以上があるケースや、もともとないため生えてこない永久歯が6本以上あるケースでは、保険が適用されます。
後天的な理由
後天的な理由で保険適用されるケースは、以下のとおりです。
- 腫瘍や顎骨骨髄炎などの病気が理由で顎の骨が3分の1以上連続して欠損した場合
- 第三者行為による事故の外傷などで顎の骨を3分の1以上連続して欠損した場合
- 上記の状態から骨の移植によって顎の骨が再建された場合
病気や第三者による外傷によって顎の骨の大部分を欠損した場合は、保険が適用されます。
保険適用でインプラントができる医療機関の条件
上述しましたが、保険適用でインプラント治療ができる医療機関にも条件があります。先天的もしくは後天的な理由で保険適用の対象になっても、治療を受ける医療機関が条件を満たしていない場合は保険が適用されません。
保険適用でインプラントができる医療機関の条件は、以下の通りです。
- 入院用ベッドが20床以上ある病院の歯科、もしくは口腔外科である
- 歯科または歯科口腔外科に5年以上の経験がある、または、3年以上のインプラント治療の経験がある常勤医師が2名以上配置されている
- 当直体制が整備されている
- 医薬品や医療機器の管理体制が整備されている
医療機関も厳しい条件を満たす必要があることがわかります。
骨造成手術後の注意点
骨造成手術を受けたあとは、痛みや出血、細菌感染などを起こさないよう日常生活に注意が必要です。骨造成手術後の注意点は、以下のとおりです。
患部に触れないようにする
骨造成手術後、抜糸するまでは手や舌、歯ブラシなどで患部に触れないようにしましょう。患部に負担をかけると傷口が開き、痛みや出血が起きる可能性があります。強いうがいも傷口が開く原因になるため、ゆっくりと優しく行いましょう。
ただし、歯磨きやうがいを適切に行わないと口腔内が不潔になり、細菌感染や歯周病などのトラブルが発生するおそれがあります。傷口に負担をかけないように注意しながら、清潔を保つことが大切です。
抗生物質や鎮痛剤を指示通り服用する
術後は、細菌感染を予防するために抗生物質が処方されることが多いです。飲み忘れたり自己判断で服用を中断したりすると、細菌感染を起こす可能性があるでしょう。歯科医師の指示通りに正しく服用することが大切です。
術後2~3日は痛みや腫れが出ることも多いため、処方された鎮痛薬を使用するとよいでしょう。痛みや腫れは7~10日程度治まることがほとんどですが、長引く場合は歯科医院に相談してください。
硬い物や刺激物を避ける
骨造成手術後は、1週間程度は硬い食べ物を控え、できるだけ患部で噛まないようにしましょう。硬い食べ物を噛むと傷口に負担がかかり、痛みや出血の原因になります。
また、熱いものや辛い食べ物などは、傷口を刺激するため控えたほうがよいでしょう。術後はおかゆやうどん、スープ、ゼリーなどのやわらかい食べ物を選択してください。
飲酒や喫煙を控える
骨造成手術後1週間は、飲酒・喫煙を控えましょう。アルコールを摂取すると血行がよくなり、痛みや出血の原因になります。喫煙はニコチンなどの有害物質により歯茎の血行が悪くなります。
傷の治りが悪くなり、細菌感染のリスクも高まるため注意が必要です。
運動や入浴は控える
運動や入浴は血流を促進させ、痛みや出血の原因となります。骨造成手術後、1週間程度は運動を控えて安静に過ごし、お風呂はシャワーで済ませましょう。
まとめ
インプラント治療では、土台となるインプラント体を適切に埋入するために、顎の骨に十分な厚みと高さが必要です。骨が少ないケースでは、骨造成手術を行って骨の量を増やす必要があるでしょう。
骨造成手術にかかる費用は手術の方法により異なりますが、保険が適用されないため高額です。歯科医院によって費用に差があるため、骨造成手術が必要な場合は事前に確認しておくことが大切です。
骨造成手術は、骨の状態や治療箇所などにより選択される方法が異なります。インプラント治療を検討されている方は、手術方法や費用について歯科医師に相談してみましょう。
インプラント治療を検討されている方は、長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。
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