2024/09/30

矯正中の虫歯と歯周病治療

■矯正中に虫歯や歯周病になったらどうなる?

 

諫早ふじた歯科・矯正歯科の院長の藤田です。歯列矯正は、美しい笑顔と健康な噛み合わせを手に入れるための大切なステップですが、矯正中に虫歯や歯周病になるリスクもあります。矯正器具があることで清掃が難しくなり、口腔内の健康維持が一層重要になります。本記事では、矯正中に虫歯や歯周病になった場合の影響と、その対策について詳しく解説します。

諫早 ふじた歯科 矯正歯科

▼矯正中に虫歯が発生した場合のリスクと対策

 

矯正中に虫歯が発生すると、治療計画に影響が出る可能性があります。矯正器具があることで歯の表面にプラークがたまりやすくなり、虫歯のリスクが高まります。以下のような対策が必要です。

 

◎日々の口腔ケアの徹底

 

毎日の歯磨きやフロスの使用は、矯正中の虫歯予防に欠かせません。特に矯正器具周辺の清掃を入念に行うことが大切です。電動歯ブラシやインターデンタルブラシの使用も効果的です。

 

◎定期的な歯科検診

 

定期的に歯科検診を受けることで、虫歯の早期発見・早期治療が可能になります。矯正専門の歯科医師と一般歯科医師が連携し、最適なケアを行うことが重要です。

 

▼矯正中に歯周病が進行する場合のリスクと対策

 

歯周病は歯肉や歯を支える骨に影響を与える疾患で、矯正中に進行すると治療計画に深刻な影響を及ぼす可能性があります。歯周病のリスクを抑えるためには、以下の対策が必要です。

 

◎専門的なクリーニング

 

定期的なプロフェッショナルクリーニングにより、歯肉の健康を維持します。歯科衛生士による深い清掃で、矯正器具の影響を受けやすい部位もしっかりとケアします。

 

◎歯周病専門医との連携

 

歯周病の兆候が見られた場合、専門医との連携が不可欠です。早期の段階で適切な治療を行い、矯正治療のスムーズな進行をサポートします。

 

▼矯正中に虫歯や歯周病を予防するための日常ケア

 

矯正中の虫歯や歯周病を予防するためには、日常のケアが最も重要です。以下のポイントを押さえましょう。

 

◎フッ素の使用

 

フッ素入りの歯磨き粉や洗口液を使用することで、歯の再石灰化を促進し、虫歯を予防します。

 

◎バランスの良い食事

 

糖分の多い食品を控え、バランスの良い食事を心がけることも大切です。特に矯正中は歯に負担をかけない柔らかい食品を選びましょう。

 

◎矯正治療と口腔の健康維持

 

矯正治療中は、口腔の健康維持がこれまで以上に重要です。虫歯や歯周病を予防し、治療計画をスムーズに進めるために、次の点に注意してください。

 

◎コミュニケーションの重要性

 

矯正歯科医師とのコミュニケーションを密にし、疑問や不安があればすぐに相談しましょう。適切なアドバイスや治療を受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

 

◎矯正中の注意点の確認

 

矯正器具の使用方法や注意点をしっかりと理解し、指示に従うことが大切です。特に歯磨きの際の注意点や食事の制限について確認しておきましょう。

▼歯周病はとくに注意が必要?

 

歯周病は、虫歯以上に注意が必要な疾患であり、矯正治療の妨げになるだけでなく、歯を失うリスクが高まり、全身の病気を誘発する可能性もあります。

 

◎歯周病が矯正治療に与える影響

 

矯正治療中に歯周病が進行すると、治療計画に重大な影響を及ぼします。矯正器具が装着されることで、歯と歯肉の間にプラークや食べかすが溜まりやすくなり、歯周病が悪化しやすくなります。歯周病が進行すると、以下のような問題が発生します。

 

◎歯の動揺と矯正治療の遅延

 

歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けてしまい、歯がぐらぐらと動揺します。これにより、矯正治療の効果が減少し、治療期間が延びる可能性があります。

 

◎歯の喪失

 

重度の歯周病は歯の喪失につながります。歯が抜けてしまうと、矯正治療自体が不可能になる場合もあります。また、歯を失うことで噛み合わせにも悪影響を及ぼし、全体的な口腔の健康状態が悪化します。

 

◎歯周病と全身の健康リスク

 

歯周病は口腔内の問題に留まらず、全身の健康にも影響を及ぼすことが知られています。歯周病が全身の病気を誘発するメカニズムとしては、歯周病菌が血流に乗って全身に広がり、様々な疾患を引き起こすことが挙げられます。以下は、歯周病が関与する可能性のある全身疾患の例です。

 

・心血管疾患

 

歯周病菌が血流を通じて心臓や血管に到達すると、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるとされています。炎症反応が血管内で引き起こされ、動脈硬化が進行することが原因と考えられています。

 

・糖尿病

 

歯周病と糖尿病は双方向の関係があると言われています。歯周病があると血糖コントロールが難しくなり、逆に糖尿病があると歯周病が悪化しやすくなります。糖尿病患者さんは特に歯周病に注意が必要です。

 

・妊娠合併症

 

歯周病が妊婦さんに影響を与えることも報告されています。早産や低体重児出産のリスクが高まるため、妊娠中の口腔ケアは非常に重要です。

 

▼ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違いについて

 

矯正中の虫歯や歯周病リスクを低減する上では、ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正の方が優れています。ここではそんなマウスピース矯正の利点を簡単に紹介します。

 

  1. 取り外し可能な装置

 

マウスピース矯正の最大の特徴は、その取り外しが可能なデザインにあります。これにより、食事や歯磨きの際に簡単に取り外すことができ、口腔内を清潔に保つことが容易になります。

 

◎食事の制限が少ない

 

ワイヤー矯正では、硬いものや粘着性のある食べ物を避ける必要がありますが、マウスピース矯正では取り外して食事ができるため、食事制限が少なくなります。

 

◎効果的な歯磨き

 

矯正器具が歯に装着されたままのワイヤー矯正と異なり、マウスピース矯正ではマウスピースを外して通常の歯磨きを行えるため、歯の隅々まできれいに磨くことが可能です。これにより、プラークや食べかすの除去が容易になり、虫歯や歯周病のリスクが低減します。

 

  1. 口腔内の清潔さの維持

 

マウスピース矯正は透明なプラスチック製のマウスピースを使用するため、口腔内に固定されたワイヤーやブラケットのような複雑な構造がありません。これにより、以下のような利点があります。

 

◎プラークの蓄積が少ない

ワイヤー矯正ではブラケットやワイヤーの周りにプラークが溜まりやすく、これが虫歯や歯周病の原因となります。マウスピース矯正では、取り外して洗浄できるため、プラークの蓄積が抑えられます。

 

◎歯肉の健康維持

 

ワイヤー矯正ではブラケットやワイヤーが歯肉を刺激することがあり、これが歯肉炎や歯周病を引き起こすことがあります。マウスピース矯正ではこうした物理的な刺激が少ないため、歯肉の健康を保ちやすくなります。

 

  1. 定期的なメンテナンスとサポート

 

マウスピース矯正では、定期的に新しいマウスピースに交換するため、定期的な歯科受診が推奨されます。この定期受診の際に、歯科医師が口腔内の健康状態をチェックし、必要に応じてクリーニングを行うことで、虫歯や歯周病の早期発見・早期対応が可能になります。

 

◎自分に合ったものを選ぶことが大切

 

矯正治療中の虫歯や歯周病リスクを低減するという観点では、取り外し可能で口腔内の清潔を保ちやすいマウスピース矯正が優れています。日常の口腔ケアがしやすく、プラークの蓄積を抑え、歯肉の健康を保つことで、虫歯や歯周病のリスクを最小限に抑えることができます。矯正治療を検討する際は、これらの利点を考慮し、自分に合った治療方法を選ぶことが重要です。

 

▼まとめ

 

矯正中に虫歯や歯周病になることは避けたい事態ですが、適切なケアと早期対応でリスクを最小限に抑えることができます。日々の口腔ケアを徹底し、定期的な歯科検診を受けることで、健康な歯と美しい笑顔を手に入れましょう。矯正治療を成功させるためには、患者さんご自身の努力と歯科医師との連携が欠かせません。健康な口腔環境を維持しながら、矯正治療を進めていきましょう。

長崎県諫早市多良見町中里129-14

医療法人 夢昂会 諫早ふじた歯科・矯正歯科

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