こんにちは。長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」です。
失った歯を補う治療方法のひとつに、インプラント治療があります。インプラント治療は、顎の骨に人工歯根を埋め込むことで、自分の歯のように使える方法です。
入れ歯やブリッジなどの他の歯を補う治療方法と比べると新しい治療法ですが、審美性と機能性の高さから、近年インプラントを希望する患者様が増えています。
しかし「インプラントは何本まで埋められるの?」と、疑問に思う方もいるでしょう。また、埋められる本数は、どのように判断するのでしょうか。
本記事では、インプラントの埋入本数の判断要素や、インプラント治療における選択肢について詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
目次
インプラントは何本まで埋められる?
インプラント治療では、全ての歯を失った場合でも、理論上は上下の歯すべてに対応できる数のインプラントを埋め込むことができるとされています。そのため、基本的には必要な本数のインプラントを埋めることができるのです。
しかし、実際に何本のインプラントを埋めるかは、患者さまの口腔内の状態や治療方針によって決められます。
例えば、実際に失った歯の本数のインプラントを入れなくても、効率的にインプラントを配置して土台にし、全ての人工歯を支える治療方法があります。インプラントの本数は、必ずしも1本の歯に対して1本必要とは限らないのです。
また、患者様の顎の骨の量が、インプラント体を埋めるのに不十分な場合もあります。このケースでは、骨移植や骨造成などの処置が必要になることもあるでしょう。
インプラントをたくさん埋めると、それだけ身体にかかる負担は大きくなります。そして、治療にかかる費用も高額になります。
インプラントを埋める本数は、患者様の顎骨の状態や全身状態、失った歯の部位・本数などを総合的に判断した上で決定されます。
インプラントを複数本埋入する際の注意点
インプラント同士が極端に近接した状態になるのは、望ましくないとされています。インプラント同士の距離は、最低でも3ミリ以上あけなければなりません。インプラント同士が近接しすぎていると、機能や耐久性に支障が出ることがあるからです。
また、インプラント同士が近すぎると、顎の骨との結合が正常に進まないこともあります。骨との結合がうまく進まなければ、そのインプラントは当然使用することができません。
インプラントは、専門性の高い治療法です。インプラントの埋入本数が多くなるほど、埋入位置や角度などを精密に計画して正確に埋入する必要があり、治療の難易度は高くなります。そのため、歯科医師の技術や経験が重要でしょう。
インプラントを何本埋めるかの判断要素
インプラントを何本埋めるかは、様々な要素を考慮して総合的に判断されます。インプラントの埋入本数の主な判断要素は、以下のとおりです。
歯の欠損数
まず、歯の欠損数が直接的な判断基準になります。失った歯の数が少ない場合、1本のインプラントで1本の歯を補うことが一般的です。
欠損している歯の本数が多いほど、治療が必要な歯の本数は増えるでしょう。
しかし、必ずしも欠損した歯の本数分、インプラントを入れる必要はありません。患者様の顎の骨の状態や欠損歯の位置などにもよりますが、具体的な例をいくつか紹介します。
<欠損歯の本数とインプラントの数の例>
欠損歯 | インプラントの本数など |
---|---|
1本 | ・1本 |
2本(連続) | ・2本 ・1本のインプラントで2本の人工歯を支えることもある |
3本(連続) | ・3本埋入することも可能 ・2本のインプラントで3本の人工歯を支えるインプラントブリッジが一般的 |
片顎全て | ・治療方針や患者様の状態によって変動する ・最小4〜6本のインプラントで片顎の歯を補うオールオン4(オールオン6)も検討 |
顎の骨の状態
インプラントは、顎の骨に直接人工歯根を埋め込む治療です。そのため、インプラントを埋入する位置の骨の量が、十分である必要があります。
埋入位置の骨が薄い場合や量が少ない場合には、そのままではインプラントを埋入することができません。顎の骨の状態をしっかり検査した上で、インプラントの埋入位置・本数を決めていきます。
どうしても骨の量が足りない位置に埋める必要がある場合には、骨造成手術などを行います。
年齢や全身状態
ご高齢の方や全身の健康状態がよくない方の場合、インプラント埋入手術は大きな負担になります。持病があると、インプラント治療を行うことができない場合もあるのです。
治療が可能な状態でも、負担が大きくならないように配慮しなければなりません。インプラントの埋入本数が多くならないようにするのが良いでしょう。
最低限のインプラントの埋入で治療を行えるように、インプラントブリッジやオールオン4も検討すると良いかもしれません。
複数本のインプラントを埋める治療
上述したとおり、多数の歯を失った場合でも、必ずしも失った歯の本数分のインプラントが必要なわけではありません。多数の歯を失い複数本のインプラントを埋める場合には、インプラントブリッジやオールオーン4という治療法があります。
以下で、それぞれについて解説します。
インプラントブリッジ
インプラントブリッジは、連続して複数の歯を失った際に、少ない本数のインプラントで効率的に機能と見た目を回復する治療です。例えば、歯を連続して3本失った場合、両端にインプラントを埋入して支えにし、その間に橋をかけるように人工歯を装着します。
通常のブリッジ治療では、隣り合う健康な歯を削って支台にする必要がありますが、インプラントブリッジはインプラントで支えるので、残っている自分の歯に影響しません。
ただし、インプラントブリッジは複数の人工歯が連結する形になっています。そのため、一部が機能しなくなったとき、複数の歯を同時に治療する必要があるでしょう。
オールオン4
オールオン4は、上顎か下顎、または上下顎両方の全ての歯を失ったケースに採用される治療法です。最低4本のインプラントを埋入し、その上に12本分の人工歯を装着します。
ただし、当院ではインプラント4本での片顎全歯の補綴は行っておらず、オールオン6を採用しています。片顎全ての歯を補うときは、最低でも6本のインプラントを埋入して12本の人工歯を装着するので、より安定感を得られるでしょう。
喪失した歯の本数分のインプラントを埋入する必要がないため、身体的・経済的負担を軽減できることがメリットです。
複数本のインプラントを埋める場合の費用
インプラント治療は保険適用外の自費治療のため、歯科医院ごとに費用が異なります。通常のインプラント治療の費用の相場は、1本あたり35万円〜50万円程度です。上下全てにインプラント治療をする場合は、500万円〜700万円程度が相場になります。
連続した3本の歯を失った場合、通常は3本分のインプラントの費用かかるので105〜150万円ほどかかるということです。
しかし、インプラントブリッジの場合には、インプラントにかかる費用は2本分です。人工歯の費用は3本分かかりますが、3本インプラントを埋入するよりも費用を抑えられます。また、オールオン4は、片顎で250万〜350万円が相場です。
いずれも、欠損歯1本に対して1本のインプラントを埋入するよりも、費用が安くなる傾向にあります。
まとめ
インプラントは、理論上は失った本数分入れることが可能ですが、実際には失った歯の本数よりも少ない本数での治療で対応する場合が多いです。
また、インプラント同士の間隔が狭すぎると、機能や耐久性に支障が出るなどの問題が起こる可能性があります。そのため、患者様のお口の状態や身体の状態、顎の骨の状態などを総合的に考慮した上で、埋入する本数を決定します。
多数の歯を失った場合や全ての歯を失った場合でも、治療方法によってはインプラントの埋入本数を少なくすることができ、負担を減らせるでしょう。歯科医師とよく相談し、インプラントの埋入本数を決めるのが大切です。
インプラントを検討されている方は、長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。
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長崎県諫早市多良見町中里129-14
医療法人 夢昂会 諫早ふじた歯科・矯正歯科
電話番号 0957-43-2212
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