2025/01/06

矯正治療で金属アレルギー?

矯正治療で金属アレルギーになることはある?

 

矯正治療を考えている患者さんや親御さんの中には、「矯正治療で金属アレルギーになることはあるのか?」と心配される方も多いかと思います。特にお子さんの矯正治療を考える際、金属アレルギーが心配の一つとなることは理解できます。このコラムでは、金属アレルギーについて詳しく説明し、矯正治療における金属アレルギーのリスクや対処法、金属アレルギーのリスクが少ない矯正方法についてご紹介します。

床矯正

▼金属アレルギーとは

 

金属アレルギーは、金属に対する過敏反応であり、金属が皮膚や体内に接触するとアレルギー反応が引き起こされる状態です。主な症状には、皮膚のかゆみ、発赤、腫れ、湿疹などがあります。金属アレルギーは、ネックレスやピアスなどのアクセサリーから、歯科治療や矯正装置に使用される金属まで、さまざまな物質によって引き起こされる可能性があります。

 

▼矯正にも金属アレルギーはある

 

矯正治療では、主に金属製のブラケットやワイヤーが使用されます。これらの金属には、ニッケルやクロムなどのアレルゲンが含まれていることがあり、これが原因で金属アレルギーが発症することがあります。矯正治療中に口内や唇周辺に異常を感じた場合、それが金属アレルギーによるものである可能性があります。

 

▼矯正で金属アレルギーになるリスクは高くない?

 

上述したように、矯正装置に使用される金属が原因で金属アレルギーを引き起こす可能性はありますが、いわゆる銀歯ほどそのリスクは高くありません。

 

まず、金属アレルギーとは、特定の金属に対して身体が過敏反応を示す状態です。主な症状として、皮膚のかゆみ、発赤、湿疹などが挙げられます。銀歯には、金、銀、銅、パラジウム、イリジウム、インジウムなどの金属が含まれており、これらの金属が唾液と反応してイオン化することで、金属アレルギーを引き起こすリスクが高くなります。

 

一方、矯正装置に使用される金属は、通常、ステンレススチールやチタン合金など、アレルギーを引き起こしにくい材料が使用されています。これらの金属は、生体適合性が高く、口腔内でのイオン化も少ないため、アレルギーのリスクが低いとされています。

 

しかし、完全にリスクがないわけではありません。矯正治療中に口内や唇周辺に異常を感じた場合、担当の歯科医師に相談することが重要です。具体的な対策としては、以下の方法があります。

 

アレルギーテストの実施:治療前にアレルギーテストを行い、特定の金属に対する過敏反応があるかを確認します。

 

金属アレルギーの心配がある場合でも、適切な対策を講じることで、安全に矯正治療を進めることができます。矯正治療は、噛み合わせの改善や歯並びの美しさを追求する重要な治療です。金属アレルギーが心配な方は、ぜひ一度歯科医師に相談し、自分に合った治療法を見つけてください。安心して矯正治療を受けるためには、情報をしっかりと把握し、適切な判断を下すことが大切です。

 

▼矯正で金属アレルギーになった時の対処法

 

矯正治療中に金属アレルギーの症状が現れた場合、まずは担当の歯科医師に相談することが重要です。症状に応じて、次のような対処法があります。

 

アレルゲンの特定と除去:アレルギーテストを行い、具体的なアレルゲンを特定します。特定されたアレルゲンを含む材料を使用している場合、それを取り除き、代替材料を使用することが推奨されます。

 

装置の交換:金属アレルギーの原因となる装置を取り外し、アレルギーのリスクが低い素材の装置に交換します。

 

薬物療法:アレルギー反応が強い場合、抗ヒスタミン薬やステロイド剤などの薬物療法を併用して症状を緩和します。

 

▼金属アレルギーのリスクのない矯正法

 

金属アレルギーのリスクを避けるためには、金属を使用しない矯正治療法を選択することが有効です。以下に、金属アレルギーのリスクが少ない矯正方法をご紹介します。

 

セラミックブラケット:金属の代わりにセラミック製のブラケットを使用することで、金属アレルギーのリスクを低減できます。セラミックは生体適合性が高く、アレルギー反応を引き起こしにくい素材です。

 

プラスチックブラケット:プラスチック製のブラケットも金属アレルギーのリスクを避けるための一つの選択肢です。ただし、耐久性や審美性の面でセラミックに比べると劣る場合があります。

 

マウスピース矯正:透明なマウスピース型の矯正装置であるインビザラインは、金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。また、取り外しが可能で、見た目にも目立たないため、多くの患者さんに支持されています。

 

▼マウスピース矯正のデメリットも知っておこう

 

矯正治療を考えている患者さんや親御さんにとって、マウスピース矯正は魅力的な選択肢の一つです。特に金属アレルギーが心配な方には、金属を一切使用しないため、アレルギーのリスクがない点が大きなメリットです。しかし、マウスピース矯正にはいくつかのデメリットもある点を忘れてはいけません。

 

◎マウスピース矯正のメリット

 

まず、マウスピース矯正のメリットとして挙げられるのは、金属アレルギーのリスクがないことです。金属を使用しないため、アレルギー反応を心配する必要がありません。また、透明なマウスピースは見た目にも目立たず、取り外しが可能で、食事や歯磨きの際に便利です。

 

◎マウスピース矯正のデメリット

 

・適応範囲が狭い

 

しかし、マウスピース矯正にはデメリットも存在します。まず、適応範囲が狭いことです。マウスピース矯正は、軽度から中等度の歯並びの改善に適していますが、重度の噛み合わせの問題や複雑な歯列不正には対応が難しい場合があります。従って、全ての患者さんがこの治療法の対象となるわけではありません。治療を検討する際には、歯科医師と相談し、自分の歯並びや噛み合わせの状態に最適な治療法を選ぶことが重要です。

 

・噛み合わせの微調整が難しい

 

次に、噛み合わせの微調整が難しい点です。マウスピース矯正は、一連の透明なアライナーを段階的に交換することで歯を動かしていく方法です。しかし、この方法では、細かな噛み合わせの調整が必要な場合に対応が難しいことがあります。従来のブラケット矯正では、ワイヤーの調整を通じて微細な噛み合わせの調整が可能ですが、マウスピース矯正ではそれが制限されることがあります。

 

・装置の装着を自分で管理する必要がある

 

最後に、装置の装着を自分で管理する必要がある点です。マウスピース矯正では、患者さん自身が毎日一定時間(通常20〜22時間)装着しなければならず、取り外し可能なために自己管理が求められます。装着時間が不十分な場合、治療効果が得られにくくなるため、自己管理がしっかりできる方でないと効果が薄れるリスクがあります。また、装置を紛失したり、破損させたりするリスクも伴います。

 

▼まとめ

 

矯正治療を行う際に金属アレルギーが心配される方も少なくありません。金属アレルギーは、特定の金属に対する過敏反応であり、矯正装置に使用される金属によって引き起こされることがあります。しかし、現代の矯正治療には、金属を使用しない多様な選択肢が存在します。金属アレルギーのリスクがある場合でも、適切な対処法や代替材料を用いることで、快適で安全な矯正治療を受けることが可能です。

 

矯正治療を検討されている方は、ぜひ一度歯科医師に相談し、自分に合った治療方法を選んでください。適切な情報を得て、安心して矯正治療を受けるための一助になれば幸いです。

 

長崎県諫早市多良見町中里129-14

医療法人 夢昂会 諫早ふじた歯科・矯正歯科

電話番号 0957-43-2212

ネット予約   https://fujitashika.com/yoyaku/