■歯が折れた、抜けた時の対処法
日常生活の中で、歯が折れた、欠けたといったトラブルに見舞われることは意外と多いものです。特にお子さんが遊んでいる最中やスポーツ中に起きることが多いですが、大人も事故や硬い食べ物を噛んだ時に歯が折れることがあります。そんな時、どのように対処すれば良いかを知っていると、被害を最小限に抑えることができます。本コラムでは、歯が折れる、欠ける原因とその対処法について詳しく解説します。ぜひ参考にして、万が一の時のために備えましょう。
▼歯が折れる・抜ける原因
歯が折れたり、欠けたりする原因は様々です。主な原因としては、以下のようなものがあります。
◎事故や外傷
交通事故や転倒など、外部から強い力が加わることで歯が折れることがあります。特に前歯は外部からの衝撃を受けやすいため、損傷しやすい部位です。
◎スポーツによる怪我
ラグビー、サッカー、バスケットボールなどの接触が多いスポーツや、ボクシング、空手などの格闘技では、口や顔に衝撃が加わることが多く、歯が折れることがあります。マウスガードの着用が推奨されます。
◎硬い食べ物の摂取
ナッツ、キャンディ、氷などの硬い食べ物を噛んだ際に、歯が折れることがあります。特に虫歯があると、健康な歯よりも脆くなり、容易に欠けたり折れたりします。
◎虫歯や歯周病
虫歯や歯周病が進行すると、歯の構造が弱くなり、些細な力でも折れたり欠けたりすることがあります。定期的な歯科検診と適切な治療が必要です。
◎加齢や咬耗
加齢により歯のエナメル質が薄くなると、折れやすくなります。また、歯ぎしりや噛み合わせの不正により、歯が摩耗し、結果的に欠けやすくなります。
▼歯が折れた・抜けた時の対処法
歯が折れたり、欠けたりした時の対処法は、その重症度に応じて異なります。以下では、軽度から重度までの対処法を解説します。
【軽度の場合】
◎歯の欠け
小さな欠けで痛みがない場合は、歯科医院で修復が可能です。まずは、欠けた部分を綺麗にし、歯科用の接着剤や樹脂を使って修復します。欠けた部分が大きい場合や、尖った部分が口の中を傷つける恐れがある場合は、歯科医院を受診しましょう。
◎痛みがある場合
欠けた部分が神経に近い場合、痛みを感じることがあります。その際は、速やかに歯科医院を受診し、適切な処置を受けることが重要です。市販の痛み止めを使用することも一時的な対策として有効です。
【中等度の場合】
◎歯の亀裂
歯に亀裂が入った場合、その亀裂がどれほど深いかによって対処法が異なります。浅い亀裂の場合は、詰め物やクラウンを用いて修復しますが、深い亀裂がある場合は、根管治療が必要になることもあります。
◎部分的に折れた場合
部分的に折れた場合、折れた部分を保存し、速やかに歯科医院を受診しましょう。折れた部分が再接合できることもあります。また、修復材を使って欠けた部分を補う方法もあります。
【重度の場合】
◎歯の完全な脱臼
歯が完全に抜け落ちた場合、まずその歯を見つけてください。歯の根を触らないように注意し、牛乳に浸すか、生理食塩水に入れて保存します。可能であれば、抜けた歯を元の位置に戻し、速やかに歯科医院を受診します。この際、早急な処置が予後を左右します。
◎歯が根元から折れた場合
歯が根元から折れた場合、根管治療が必要となることが多いです。折れた部分が多い場合、クラウンやインプラントでの補綴が検討されることもあります。
▼歯根破折には十分な注意が必要
歯の外傷はさまざまな形で起こり得ますが、その中でも特に見過ごされやすいのが歯根破折です。歯根破折は、歯の根の部分が折れることで、外見上は変化が少なく、自覚症状がないこともあります。そのため、発見が遅れることが多く、最悪の場合、抜歯を余儀なくされることも少なくありません。ここでは、歯根破折の原因や対処法について詳しく解説します。
◎歯根破折の原因
歯根破折の主な原因は、外部からの強い衝撃です。例えば、転倒や交通事故、スポーツ中の怪我などで歯に強い力が加わると、歯根が折れることがあります。また、硬い食べ物を噛んだり、噛み合わせの不正が長期間続いたりすることでも歯根破折が起こる可能性があります。特に、以前に根管治療を受けた歯は脆くなりやすいため、注意が必要です。
◎歯根破折の症状と診断
歯根破折の初期段階では、明確な痛みや見た目の変化が少ないため、患者さん自身が気づかないことが多いです。しかし、以下のような症状が現れることがあります。
・噛み合わせ時の違和感や痛み
・歯ぐきの腫れや出血
・歯の揺れや動揺
これらの症状が現れた場合、早急に歯科医院を受診することが重要です。歯科医師は、X線検査や歯周ポケットの検査を行い、歯根破折の有無を確認します。
◎歯根破折の対処法
歯根破折が確認された場合、その対処法は破折の程度や位置によって異なります。
・保存治療
歯根破折が軽度であり、歯の保存が可能な場合、接着剤や特殊なセメントを用いて修復します。また、クラウンを装着して歯を保護することもあります。しかし、これらの方法は長期間の成功が保証されないことが多く、定期的な経過観察が必要です。
・抜歯とその後の処置
歯根破折が深刻で、保存が難しい場合、抜歯が選択されることが多いです。抜歯後の処置としては、ブリッジやインプラント、義歯などの補綴治療が検討されます。これにより、噛み合わせの機能を回復させ、他の歯への負担を軽減することが可能です。どの装置が適しているかは、患者さんのお口の状態や経済的な状況などによって変わるため、事前に歯科医師としっかり話し合うことが大切です。ちなみに、ブリッジと義歯は保険適用されますが、審美性・機能性・耐久性などを追求するのであればインプラントがおすすめです。
・予防と早期発見の重要性
歯根破折を予防するためには、日常生活での注意が重要です。スポーツをする際にはマウスガードを着用し、硬い食べ物を無理に噛まないように心掛けましょう。また、定期的な歯科検診を受けることで、歯根破折の早期発見が可能になります。定期検診では、歯や歯ぐきの状態をチェックし、問題があれば早期に対処することができます。
◎歯根破折を見過ごさないために
歯根破折は見過ごされやすい外傷であり、発見が遅れると抜歯を余儀なくされることがあります。歯が折れた、欠けたといったトラブルに直面した際には、迅速な対処が求められます。特に歯根破折は、自覚症状が少ないため、定期的な歯科検診が予防と早期発見に非常に有効です。患者さん自身が日常のケアに気を配り、少しでも違和感が生じたら歯科医院を受診することが大切です。健康な歯を保つために、日々の注意と定期検診を欠かさないようにしましょう。
▼まとめ
歯が折れた、欠けた時の対処法は、その重症度により異なりますが、共通して言えるのは迅速な対応が必要であることです。日常的に歯の健康に気を配り、定期的に歯科医院で検診を受けることで、歯のトラブルを未然に防ぐことができます。また、万が一トラブルが発生した際には、本コラムで紹介した対処法を参考にして、適切な行動を取ることが重要です。健康な歯を保つために、日々のケアと早期の対応を心掛けましょう。
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