2025/05/14

上顎のインプラント治療は難しい?その理由と対処法

こんにちは。長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」です。

上顎にインプラント治療をした女性の歯

「上の歯のインプラントは難しいと聞いたけれど、本当なのか」「骨が少ないと言われたけれど、治療を受けられる方法はないのか」などの悩みをお持ちではないでしょうか。実際に、上顎のインプラント治療は下顎に比べると難しいと言われています。

しかし、近年の治療技術の進歩により、多くのケースで治療が可能になっています。

この記事では、上顎の歯のインプラント治療が難しいと言われる理由や、その対処法について詳しく解説します。治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

上顎のインプラント治療は難しい?

上顎洞により上顎のインプラント治療が難しい構造となっているイメージ

インプラント治療は、失った歯の機能を回復するためにチタンなどでできた人工歯根を顎の骨に埋め込み、人工歯を装着する治療方法です。これにより、自分の歯のように再び噛めるようになったり、審美性が回復したりします。

しかし、上顎のインプラント治療は、下顎に比べて治療の難易度が高いと言われています。

上顎のインプラントが難しい理由

上顎のインプラント治療が難しいとされる理由は、骨の質や解剖学的な特徴など、さまざまな要因が関係しています。

上顎と下顎の骨の質の違い

治療を成功させるためには、人工歯根部分をしっかりと支える骨の存在が重要です。下顎の骨は緻密で硬い皮質骨が多く含まれており、インプラントがしっかりと安定して固定されやすいという特徴があります。

一方、上顎の骨は下顎の骨に比べて一般的に骨の密度が低く、柔らかい傾向にあります。この特性は、上顎の骨が海綿骨と呼ばれるスポンジ状の組織を多く含んでいることに起因します。

骨密度が低いと、インプラントを埋入した際にしっかりと固定されるまでの期間が長くかかる可能性が高いです。場合によっては、十分な支持が得られず治療の成功が難しくなったりすることもあります。

上顎の解剖学的な特徴

上顎には上顎洞と呼ばれる空洞が存在することも、治療を複雑にする要因の一つとなっています。上顎の奥歯の上方には上顎洞が広がっており、インプラントを埋入する際、この空洞に接触しないよう特別な配慮が必要です。

上顎の骨が少なくなる原因

上顎のインプラント治療が難しくなる原因のブリッジや入れ歯

上顎の骨が少なくなる原因は一つではありません。様々な要因が複合的に関与して、骨の吸収を引き起こします。

上顎の骨が少なくなる原因を正確に把握することは、適切な治療計画を立てる上で非常に重要です。

歯周病だったから

歯周病は、細菌感染により歯ぐきや歯を支える骨(歯槽骨)が破壊される病気です。進行すると、支えを失った歯が抜け落ちることもあります。

歯周病によって歯槽骨が大きく失われた状態だと、その後の骨の吸収も進行しやすくなります。特に、上顎は骨密度が低いため、歯周病の影響を受けやすいと言えます。

歯のない状態が長期間続いたから

歯を失うと、その部分の骨は次第に吸収されていきます。歯から顎の骨に伝わっていた咀嚼による刺激がなくなったことで、骨がその役割を終えたと判断し、徐々に退縮していく自然な反応によるものです。

抜歯後の骨吸収の程度やスピードは個人差がありますが、一般的に抜歯後数ヶ月の間にもっとも大きく吸収すると言われています。特に、抜歯してからインプラント治療までの期間が長く空くと、骨の量が大幅に減少することがあります。

当院では、抜歯と同時にインプラントを埋入する抜歯即時埋入を行っています。歯を抜いた直後にインプラントを埋入することで、抜歯後の骨吸収を最小限に抑える効果があります。

ただし、抜歯即時埋入は、全ての症例で施術が可能なわけではなく、特に根の周囲の炎症が少ないなど、条件が良い場合に適応されます。手術回数の減少による患者さまの負担軽減を期待できます。

また、インプラント埋入と同日に仮歯まで作製することで、治療中も見た目や機能を維持できるという利点があります。症例にもよりますが、2〜3ヶ月という短期間での治療完了を目指せることもあります。

長期間ブリッジや入れ歯を使っていたから

ブリッジや入れ歯は、失われた歯の機能を補うための一般的な治療法です。

しかし、これらの補綴物は天然歯のように骨に咀嚼による刺激を伝えるわけではありません。そのため、ブリッジの支台となっている歯の周囲や入れ歯の下の骨は、刺激が十分に伝わらず徐々に吸収されていくことがあります。

特に、合わない入れ歯を長期間使用していると、骨への負担が偏り、吸収を促進させる可能性があります。

加齢による骨の吸収

加齢に伴い、全身の骨密度が低下するのと同様に、顎の骨密度も低下する傾向があります。骨の代謝機能が低下することで、骨の形成よりも吸収が優位になり、徐々に骨の量が減少していきます。

高齢になるほど上顎の骨が少なくなりやすいのは、このような加齢による影響も考えられます。

その他

その他にも、事故やスポーツなどによる外傷で歯を失った場合、その衝撃で周囲の骨が損傷し、吸収が進行することがあります。また、顎の骨の中にできた嚢胞や腫瘍が骨を圧迫し、吸収を引き起こすことがあります。

さらに、喫煙や糖尿病などの全身的要因も影響を与えます。

特に、喫煙はインプラントの成功率を低下させる要因の一つとされています。タバコに含まれるニコチンは血流を悪化させるため、骨の代謝が低下し、骨吸収が進みやすくなる傾向があります。

また、糖尿病で血糖値のコントロールが不良な場合は、骨の回復力が低下し、インプラントの定着に影響を及ぼすことがあります。これにより、治癒期間が長引く傾向にあり、感染リスクも高まるため、慎重な対応が必要です。

上顎の骨が少ない方がインプラント治療を受けるときの対処法

上顎の骨が少ない方がインプラント治療を受けるときの治療風景

上顎の骨量が不足している場合でも、以下のような適切な対策をすることでインプラント治療は可能となります。ここでは、主な対処法について詳しく解説します。

骨造成治療をする

骨造成治療は、顎の骨が不足している部分に人工骨や自家骨を移植し、骨の量を増やす方法です。この処置により、インプラントを埋入するための十分な骨量を確保できます。

代表的な方法として以下があります。

ソケットリフト・サイナスリフト

上顎の臼歯部において骨の高さが不足している場合、ソケットリフトやサイナスリフトが用いられます。ソケットリフトは、インプラントを埋入する穴から人工骨などの骨補填材を注入して骨を増やす方法です。

一方、サイナスリフトは、より大規模な骨増加が必要な場合に、上顎洞の粘膜を持ち上げて骨補填を行う手術です。

GBR(骨誘導再生療法)

GBR法は、骨の再生を誘導することを目的としています。この方法では、骨が不足している部位に骨補填材を使用し、メンブレンという特殊な膜で覆うことで骨の再生を促します。

これにより、インプラントを支えるための安定した骨を新たに形成することが可能になります。

インプラントの種類を選択する

骨量が少ない場合でも、従来のものより短いタイプや細いタイプのインプラントを使用することで治療が可能になる場合があります。この方法により、上顎洞下部の限られたスペースを最大限に活用することができます。

ただし、全ての症例に対応できるわけではなく、骨質や咬合力、欠損部位などを考慮して判断する必要があります。

まとめ

上顎のインプラント治療をして美味しく食事をいただく女性

上顎のインプラント治療は、骨の密度や高さの問題により難しいとされています。骨造成や抜歯即時埋入などの最新技術を活用することで、多くの方が治療を受けられるようになっています。

また、施術後の良い状態を維持するためには、定期的な歯科検診やクリーニングなど適切なメンテナンスが欠かせません。これにより、インプラントの寿命を延ばし、健康な口腔環境を維持することができます。

通常インプラント治療には5〜10年の有料の保証がついていますが、当院では無料の5年保証を設け、患者様にとって安心できる治療を提供しています。治療を検討中の方は、ぜひご相談ください。

インプラント治療を検討されている方は、長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。

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長崎県諫早市多良見町中里129-14

医療法人 夢昂会 諫早ふじた歯科・矯正歯科

電話番号 0957-43-2212

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