こんにちは。長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」です。
現代の高齢化社会において、失われた歯を補うためにインプラントの治療は非常に注目されています。「年齢による治療の制限があるの?」「特定の患者が対象外となる場合はどのような理由なの?」といった疑問を持っている患者さまもいるでしょう。
本記事では、インプラント治療の基本的な内容に加え、治療リスクや高齢者に関する具体的な注意点についてわかりやすく紹介します。患者さまが安心して治療を受けられるための情報を提供していますので、本記事を最後までご覧になってください。
インプラント治療とは
インプラント治療とは、歯を失った患者さまの機能回復および審美性向上を目的として行われます。欠損部位に人工の歯根であるインプラント体を外科的に埋入し、その上部に人工の歯を固定することで、自身の歯のような自然な見た目と機能を取り戻す治療法です。
治療の過程では、骨との結合によってしっかりと固定されるため、長期的に安定した状態を維持できることが期待されます。患者さまに安心感を与える治療法として広く普及しています。
インプラント治療に年齢制限はある?
インプラント治療は、顎骨の成長が完了している状態であることが前提となるため、基本的には18歳以上の患者さまが候補となります。顎骨の発達が終了していることで、十分な骨量が確保され、人工歯根(インプラント)の固定性が高まるのです。
また、年齢に厳格な上限は設けられていないため、健康状態が良好であれば高齢の患者さまでも手術を受けることが可能です。一般的には20歳から70歳頃までの方が治療の対象となるケースが多いですが、これは平均的な目安で、個々の状態に応じた丁寧な診断が行われます。
治療前の詳細な検査とカウンセリングにより、患者さまにあった治療計画が立案されるため、安心して治療に臨めるでしょう。
高齢者がインプラント治療を受けるリスク
高齢の方がインプラント治療を受ける際のリスクは、以下のとおりです。
結合がうまくいかないリスク
高齢になると顎の骨密度が低下しやすく、インプラントと骨との結合がうまくいかない場合があるのです。インプラント治療は人工歯根が骨としっかり結びつくことが前提のため、骨の質や量が不足しているとしっかり固定されず、治療の成功率が下がるリスクも出てきます。
特に、骨粗しょう症のある患者さまは注意が必要です。ソケットリフトやサイナスリフトなど、骨の状態を改善する治療法もあるため、歯科医師と相談してみましょう。
インプラント周囲炎のリスクが高まる
加齢とともに免疫機能が低下するため、インプラントを埋入した部分が細菌感染を起こしやすくなります。特にインプラント周囲炎と呼ばれる症状は、歯ぐきの腫れや出血を伴い、放置するとインプラントの脱落にもつながる可能性があるため、注意が必要です。
高齢の患者さまは治癒力も若年層に比べて落ちる傾向があるため、術後の口腔ケアやブラッシング指導がとても重要となります。治療後も定期的なメンテナンスを怠らず、歯科クリニックでのチェックを継続することで、こうしたトラブルを未然に防げます。
手術後の回復がゆっくりになる傾向
年齢を重ねると、どうしても細胞の再生スピードや回復力が低下します。そのため、インプラント手術の後、痛みや腫れが長引く、治癒に時間がかかるといった傾向があるのです。
とくに体力の低下や既往症がある場合は、通常よりも慎重な経過観察が求められます。術後の過ごし方については、歯科クリニックでの指導をしっかり受けるようにしましょう。
合併症のリスクが増える
高齢の患者さまでは、高血圧や糖尿病などの基礎疾患を抱えているケースが多く、インプラント手術中または術後に合併症が起きるリスクが高くなります。全身麻酔や局所麻酔の影響も若年層と比較して強く出ることがあり、体調管理には細心の注意が必要です。
治療前の検査で内科的な問題がないかを徹底的にチェックし、必要に応じて主治医との連携を図ることが大切となります。安全な手術を行うためにも、信頼できる歯科クリニックを選び、万全の体制で治療に臨みましょう。
経済的な負担が大きくなる可能性
インプラント治療は、治療の性質上どうしても費用が高くなります。高齢の患者さまの場合、年金や限られた貯蓄の中で生活されていることも多く、追加の治療費やメンテナンス費用が経済的な負担になるかもしれません。
万が一、治療後に再手術や修復が必要になる場合は、その費用もすべて自己負担となるため、あらかじめ費用の総額や長期的な管理コストを確認しておくことが重要です。事前の説明や見積もりを歯科クリニックでしっかり受けるようにしましょう。
インプラント治療を受けられないケース
インプラント治療が適さないとされるケースは、以下のとおりです。
未成年の場合
未成年の方は、あごの骨がまだ十分に発達していないため、インプラント治療の実施は慎重になる必要があります。骨格が成長中の場合、インプラントを埋入した後に顎全体の形状や歯並びが変化し、将来的な調整が難しくなるリスクがあるためです。
患者さまの安全と治療効果を考慮すると、成長期に治療を行うことは避けるケースが多いです。後々の再治療や修正の必要性が増す可能性が高いため、治療対象としない歯科医院が一般的です。
持病や全身疾患がある場合
糖尿病、高血圧、腎疾患、さらには血液疾患(白血病や血友病など)を抱える患者さまは、治療を慎重に検討しなければありません。治療中および治療後の感染症リスクや傷の治癒遅延などが懸念され、インプラント治療の成功率が低下する可能性があります。
これらの疾患は全身状態や免疫機能に影響を及ぼすため、手術時のリスク管理が非常に重要です。また、持病の管理が十分でなかったり、薬剤との相互作用で悪影響が出たりする可能性もあるため、事前の検査や主治医との連携が不可欠となります。
外科手術に耐えられる体力がない場合
加齢や長年の生活習慣の影響で全身の体力が低下している場合、外科手術自体の負担が大きくなり、インプラント治療が難しくなるケースがあります。手術は局所麻酔や場合によっては全身麻酔を伴うため、体調が万全でない患者さまでは術中・術後のリスクが増大するでしょう。
また、手術後の回復期間においても、体の再生力が弱いために回復が遅れる傾向があります。感染症や合併症の発生リスクが高まることが懸念されるでしょう。
こうした状況では、患者さまの体力や全体的な健康状態を踏まえて、十分な検査と慎重な判断が必要です。
骨粗しょう症や顎の骨量不足の場合
加齢とともに骨密度が低下し、特に骨粗しょう症の患者さまでは顎の骨が十分な厚みや密度を保てなくなるケースがあり、インプラント治療が難しいです。
インプラント治療は、十分な骨量と骨の質を前提として人工歯根を固定します。顎の骨が痩せていると、インプラントと骨との結合が不十分になる恐れがあるのです。
さらに、骨再生治療や骨造成といった補助的な治療が必要となる場合もあり、治療全体の計画や費用面での負担が大きくなる可能性があります。
口内の健康状態が不十分な場合
歯周病や虫歯など、口内の状態が悪い場合はインプラント治療の適応が難しくなります。歯ぐきの炎症や細菌の多い環境では、インプラントの周囲に感染が広がりやすく、治癒過程に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
十分なブラッシングや定期的な歯科クリニックでのケアが必須です。治療前に口内環境を改善するためのクリーニングや抗菌処置が行われることもありますが、状態が進行している場合は口内の健康を取り戻すことが優先されます。
妊娠中の場合
妊娠中は、ホルモンバランスの変動や免疫力の低下が見られることが多く、インプラント治療のリスクが高まります。妊娠中は母体と胎児の安全を最優先に考える必要があり、手術によるストレスや麻酔の影響を避けるために、妊娠期間中は治療を控えることが一般的です。
喫煙による悪影響がある場合
タバコを吸う習慣のある方は、喫煙によって血液中の一酸化炭素が増加します。血流が悪化することで、インプラントと顎の骨との結合が十分に行われなくなるリスクが高いです。
さらに、歯ぐきの健康状態も悪化しやすく、手術の成功率が落ちる傾向があります。インプラント治療を検討する際は、まず禁煙を行う必要があるケースが多いです。
定期メンテナンスに通えない場合
インプラント治療は、一度手術を行った後も定期的なメンテナンスが必須となります。当院では3ヶ月に一度の定期検診を実施していますが、通院が困難な状況にある場合は長期的な健康管理が難しいです。
患者さまご自身の生活環境や体調、交通手段などによっては定期検診が難しく、その結果としてインプラント周囲の炎症や感染症のリスクが高まります。こうした理由から、定期的なフォローアップが難しい患者さまは、他の治療法が提案されることが多いでしょう。
まとめ
インプラント治療は、欠損部位に人工の歯根を埋入し、天然歯と同様の機能や審美性を回復する方法です。基本的に18歳以上が対象ですが、健康状態が良ければ高齢者も治療可能となります。
しかし、高齢者は骨密度や免疫力の低下により結合不良や感染リスク、回復の遅れが生じやすいです。また、未成年、持病や口内環境が悪い、喫煙、妊娠中、定期メンテナンスが困難な場合は適応外となることが多いでしょう。
そのため、治療前の入念な検査と歯科クリニックでのカウンセリングによるリスク管理が必須です。検査の結果、治療が可能な場合には硬い食物の咀嚼も可能なインプラントを入れて、日常生活の質向上につなげましょう。
インプラント治療を検討されている方は、長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。
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長崎県諫早市多良見町中里129-14
医療法人 夢昂会 諫早ふじた歯科・矯正歯科
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