こんにちは。長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」です。
インプラント治療後に「頬が腫れてきた」「歯ぐきがふくらんでいる」といった症状に驚かれる方がいます。手術を受けたあとの腫れは、多くのケースで一時的なもので、身体が治癒しようとする自然な反応です。
しかし、なかには腫れが長引いたり、痛みや熱感をともなったりする場合もあるため、注意が必要です。
この記事では、インプラント治療後に腫れが起こる原因や見極め方、適切な対処法について詳しく解説します。
目次
インプラント治療後に腫れる原因
インプラント治療後に腫れが見られるのは、術後の自然な反応である場合がほとんどです。
しかし、腫れが強く出たり、長期間続く場合には、体内の炎症や感染が関係していることもあります。ここでは、治療後の腫れが起こる主な原因について解説します。
手術による組織への刺激
インプラント治療は、あごの骨に人工歯根を埋め込む外科手術であるため、歯ぐきや骨に一定のダメージが加わります。特に、インプラントを埋入する部位の周囲には、処置の際に刺激によって腫れや内出血が起こりやすくなります。
これは外科的侵襲による自然な反応であり、個人差はあるものの、通常は数日〜1週間程度で落ち着いていきます。
身体の炎症反応
手術後に腫れるのは、身体が治癒に向けて炎症反応を起こしている証拠でもあります。これは体内で白血球やサイトカインと呼ばれる物質が活性化し、細胞修復を促しているためです。
こうした反応は、あごの骨にインプラント体を安定させるオッセオインテグレーション(骨結合)が進む過程でも見られます。
ただし、腫れと同時に発熱や強い痛みを伴う場合は、通常の治癒反応ではなく感染症の可能性も疑われます。
感染
インプラント周囲が清潔に保たれていない場合、細菌感染が生じて腫れを引き起こすことがあります。特にインプラントと歯ぐきの間に汚れが溜まりやすい治療直後は注意が必要です。
感染が進行すると、インプラント周囲炎と呼ばれる状態に発展し、放置すればインプラントが脱落するリスクもあるため、早めの対応が重要です。
骨造成を行った
インプラントを埋入するために十分な骨の厚みがない場合、骨造成を併用することがあります。こうした処置は手術の範囲が広がるため、術後に腫れが強く出る傾向にあります。特に、上顎洞に近い部位では、術後に頬部の腫れや違和感が出やすいとされています。
インプラント治療後に腫れが引かないときの対処法
インプラント治療後、ある程度の腫れが出るのは通常の経過の一部ですが、数日経っても腫れが引かない、または悪化するような場合には注意が必要です。ここでは、腫れが長引く原因を踏まえたうえで、具体的な対処法について解説します。
経過観察と冷却
治療直後の腫れは、通常2〜3日をピークに1週間程度で徐々に引いていきます。この時期にできる対処としては、患部を冷やすことが効果的です。
ただし、長時間の冷却や直接氷を当てるような行為は逆に血流を悪くし、治癒を妨げる恐れがあるため注意が必要です。保冷剤をガーゼやタオルで包み、断続的に冷やすようにしましょう。
1週間以上続く腫れは歯科医師へ相談する
術後1週間を過ぎても腫れが改善しない、あるいは痛みや熱感が増してくるようであれば、感染の可能性を疑う必要があります。インプラント周囲に細菌が入り込んで炎症が起きるインプラント周囲炎は、放置するとインプラントの安定性を損ないます。
早めに歯科医師の診察を受け、必要に応じて抗生物質の投与や消毒処置を受けることが大切です。
自己判断で薬を使わない
痛みや腫れを抑えようとして、市販の鎮痛剤や抗炎症薬を自己判断で長期的に服用するのは避けてください。一時的には症状が軽くなることもありますが、原因を放置したままでは根本的な改善につながりません。
処方薬の使用や治療方針は、必ず歯科医師の指示に従うようにしましょう。
生活習慣の見直しも必要
術後の腫れを長引かせる要因には、喫煙や睡眠不足なども関係しています。特に、喫煙は血流を悪化させ、治癒を妨げることで知られており、腫れの長期化や感染リスクを高めます。
強くうがいをしすぎたり、患部を舌で触れる癖がある場合も、組織の回復を遅らせる原因になるため注意が必要です。術後の数日は安静を保ち、身体を温めすぎないようにしてください。
インプラント治療後に起こりうる腫れ以外の症状
インプラント治療を受けたあとは、多くの方が腫れを主な術後反応として経験します。
しかし、それ以外にもいくつかの身体的な反応や違和感が生じることがあります。これらの症状は一時的なものの場合もあれば、対処が必要な異常のサインである可能性もあるため、正しい知識を持っておくことが大切です。
ここでは、腫れ以外に起こりうる代表的な症状について詳しく解説します。
痛みや違和感が続く
インプラント手術後は、麻酔が切れたタイミングで軽度の痛みを感じることがあります。これは術後の通常経過の一部で、数日程度で和らいでいくケースがほとんどです。
しかし、1週間以上強い痛みが続いたり、徐々に痛みが強くなるようであれば、インプラント周囲に炎症や感染が起きている可能性もあります。歯ぐきの腫れや出血、膿のような分泌物が見られる場合には、すぐに歯科医師の診察を受けましょう。
口の中の異物感や違和感
インプラントは自然歯とは異なり、人工歯根が顎の骨と結合します。そのため、治療後しばらくは「何かが入っている」「噛み合わせがしっくりこない」といった違和感をおぼえることがあります。
多くは数週間から1か月程度で慣れていきますが、あまりにも違和感が強い場合や、噛んだときに痛みを感じる場合は、噛み合わせの調整などに問題があるかもしれません。
出血や血の味が続く
手術直後に軽く出血があるのは自然な反応です。
ただし、数日経っても出血が止まらない、口の中に常に血の味がするという状態が続く場合は、何らかの問題が生じている可能性があります。縫合部が開いていたり、血餅(けっぺい)がうまく形成されていないかもしれません。
これを放置すると、ドライソケットという強い痛みを伴う合併症を引き起こすおそれもあるため、早めに歯科医院を受診してください。
しびれや麻痺感がある
下あごにインプラントを埋入した際、まれに神経に近接することがあります。術後に、唇の一部がしびれる、舌に感覚がないといった症状が現れた場合、下歯槽神経への圧迫や損傷が起きている可能性があります。
神経症状は一時的なものとして回復することもありますが、数週間経っても改善が見られない場合は、再評価や専門的な治療が必要です。
インプラントが動く・揺れる感覚がある
インプラントは骨としっかり結合して安定しますが、骨との結合がうまくいかないと、動いたり噛むとぐらつきを感じることがあります。特に、治療後すぐに硬いものを噛んでしまった場合などは、固定が不十分な状態になる可能性もあるため注意が必要です。
発熱や全身のだるさ
術後に微熱が出るのは体の自然な反応としてよくあることですが、38度以上の高熱が続いたり、全身の倦怠感や頭痛などを伴う場合は、局所的な感染が全身に影響しているおそれがあります。
早急な対応が必要となるため、自己判断で様子を見るのではなく、できるだけ早く歯科医師の診察を受けてください。
まとめ
インプラント治療後に腫れが生じるのは、ごく自然な身体の反応であり、多くは数日から1週間ほどで治まります。
ただし、腫れが長引いたり、強い痛みや発熱を伴う場合は、感染や炎症といったトラブルの可能性もあるため注意が必要です。特に、治療直後のセルフケアや生活習慣が、腫れの程度や回復期間に大きく影響します。
当院では、抜歯即時埋入など、短期間での治療完了を目指す体制を整えていますが、術後のケアと定期的なメンテナンスがあってこそ、快適な状態を長く保てます。違和感や不安を感じた際は、自己判断せずできるだけ早く歯科医師にご相談ください。
インプラント治療を検討されている方は、長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。
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長崎県諫早市多良見町中里129-14
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