目次
子どもが歯をぶつけてしまった時はどうすれば?
慌てず正しく対処するための応急処置と受診のポイント
はじめに
諫早ふじた歯科・矯正歯科の院長 藤田です。元気いっぱいに遊ぶお子さんが、転んだり、ぶつかったりして「歯を打った!」という経験をされた保護者の方は多いのではないでしょうか。特に幼児期から小学生くらいまでは、走ったり跳んだりしている最中に顔をぶつけ、前歯を損傷してしまうことがよくあります。
しかし、歯のケガは一見軽そうでも、内部で神経や歯根がダメージを受けていることがあるため注意が必要です。今回は、歯をぶつけた時に保護者が取るべき正しい対応と、歯科医院での治療の流れをわかりやすく解説します。

1. よくある歯のケガの種類
子どもの歯の外傷には、いくつかのパターンがあります。外見が軽く見えても内部損傷があることも多いので、油断は禁物です。

① 打撲(だぼく)
歯がグラグラしていたり、少し沈み込んでいたりする状態。歯ぐきに軽い出血があることもあります。
要注意: 神経がダメージを受けている場合、時間が経つと歯の色が黒く変化することがあります。
② 亀裂・欠け(破折)
歯の一部が欠けたり、ヒビが入るケース。見た目が小さくても、内部まで達している場合は神経の治療が必要になることも。
③ 脱臼(歯が抜けてしまう)
- 永久歯の場合: 完全に抜けても、すぐに適切な処置をすれば再び元の位置に戻せる可能性があります
- 乳歯の場合: 無理に戻さないのが原則です
2. 歯をぶつけた時の応急処置
もしお子さんが歯をぶつけて泣いてしまったら、まずは保護者が落ち着くことが大切です。そのうえで、次のステップを確認しましょう。

① 出血している場合
清潔なガーゼやティッシュを軽く当てて圧迫します。出血が止まらない場合でも、強く押さえすぎないように注意してください。
② 歯がグラグラしている場合
そのままにしておき、無理に触ったり動かしたりしないようにします。噛む動作を避け、できるだけ安静を保ちましょう。
③ 歯が欠けている場合
欠けた破片が見つかったら、清潔な容器に入れて保管し、歯科医院に持参してください。場合によっては、その破片を元に戻せることもあります。
④ 歯が完全に抜けた場合(永久歯の場合)
ここが一番大切なポイントです。
❌ やってはいけないこと
- 水道水でゴシゴシ洗う
- ティッシュにくるんで乾かす
- 歯の根っこの部分を持って触る
これらは歯根膜(再生に必要な細胞)を傷つける原因になります。
✅ 正しい保存方法
- 牛乳(できれば低脂肪乳や成分無調整)に浸す
- 生理食塩水や、歯科医院にある「歯の保存液(HBSS)」があれば理想
- ない場合は、口の中(頬の内側)に入れて湿らせた状態で持参
⏰ できるだけ早く(30分以内が理想)歯科医院へ!
時間との勝負です。

3. 歯科医院での治療の流れ
① 診査・レントゲン撮影
まず外傷の程度を確認します。歯の動揺・歯ぐきの損傷・歯根の亀裂などをレントゲンでチェックします。
② 神経の状態の確認
神経が生きているか、失活しているかを診断します。歯をぶつけた直後は生きていても、数週間後に神経が壊死するケースもあります。そのため経過観察が非常に重要です。
③ 固定処置
歯が動いている場合、隣の歯とワイヤーや樹脂で固定します。通常2〜3週間ほどで安定し、その後再評価を行います。
④ 神経治療(必要な場合)
神経が壊死した場合は根管治療(歯の神経の治療)を行い、感染を防ぎます。
⑤ 色や形の修復
欠けた部分はレジン(白い樹脂)で修復し、見た目も自然に整えます。
4. 子どもの歯は「将来の永久歯」にも影響する
乳歯は「どうせ抜けるから」と軽く見られがちですが、永久歯が正しい位置に生えるためのガイドの役割を持っています。乳歯が早く抜けたり、歯ぐきが傷ついたりすると、将来の歯並びや噛み合わせに悪影響が出る可能性もあります。
また、外傷によって乳歯の下にある永久歯の芽(歯胚)にダメージが加わることもあります。そのため、乳歯であっても必ず歯科医院でチェックを受けることが大切です。
5. 受診までの注意点
- 冷たいものや硬いものを食べない
- 強いうがいは避ける(出血が再開する可能性)
- 歯を触らない
- 腫れや痛みが強い場合は冷たいタオルで頬を冷やす
※熱いお湯や温湿布で温めるのは逆効果です。
6. 当院での対応
諫早ふじた歯科・矯正歯科では、子どもの外傷歯に対して迅速かつ丁寧な対応を行っています。
- 小児歯科専門の視点で、乳歯・永久歯それぞれに適した処置を実施
- CT撮影による正確な診断
- 痛みを抑えた治療(電動麻酔・笑気麻酔)
- 矯正専門ドクター在籍で、外傷後の歯列への影響もフォロー可能
また、外傷後の定期チェックも行い、後遺症をできる限り防ぐようサポートします。
7. まとめ
子どもの歯のケガは、見た目よりも中で大きなダメージを受けていることがあります。
✔️ ポイントまとめ
- 抜けた歯は乾かさずに保存(牛乳・生理食塩水・口の中)
- 無理に元に戻さない
- 打撲だけでも必ず歯科医院へ
- 乳歯でも放置せず受診
お口の中の外傷は、早期の処置でその後の予後が大きく変わります。
お子さんが歯をぶつけたら、できるだけ早くご連絡ください。
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電話: 0957-43-2212
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諫早ふじた歯科・矯正歯科
お子さまの大切な歯を守るために、私たちがしっかりサポートいたします。

