こんにちは。長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」です。

「奥歯の銀歯が目立つのが気になる」「奥歯にセラミックを使っても大丈夫なのか」と不安に思う方も多いでしょう。近年では素材の進歩により奥歯にも適したセラミックが登場し、銀歯から切り替える患者さまが増えています。
この記事では、セラミックと銀歯の違いやメリット・デメリット、種類、費用、治療の流れについて詳しく解説します。奥歯のセラミック治療を検討している方は、参考にしてください。
セラミックと銀歯の違い

まずは、セラミックと銀歯の根本的な違いを理解しましょう。
素材と見た目
銀歯は金銀パラジウム合金などの素材で作られ、金属特有の色や光沢があるため、口を開けた際に目立ちやすい点が特徴です。
一方で、セラミックは陶器と同じ素材を使用した白い人工歯です。透明感や色調を細かく再現でき、天然歯に近い自然な見た目に仕上げることが可能です。
耐久性と寿命
銀歯は金属製のため強度があり、噛む力に強い点がメリットです。しかし、寿命は5~7年ほどで、熱による変形や接着剤の劣化で隙間ができやすい傾向があります。
一方、セラミックの寿命は10~15年程度と長く、変形しにくいため銀歯に比べて長持ちしやすい素材です。陶器と同じ性質を持つため、瞬間的に強い衝撃が加わると欠けたり割れたりする可能性がある点には注意が必要です。
虫歯の再発リスク
銀歯は金属の変形や作製の精度の問題から、歯との間に隙間ができやすく、虫歯の再発リスクが高い傾向があります。セラミックは表面が滑らかで汚れが付きにくく、適合性も優れているため、虫歯の再発や歯周病のリスクを抑えやすいのが特徴です。
金属アレルギーのリスク
銀歯には、金属成分が少しずつ溶け出し体内に取り込まれることで、湿疹や口内炎といった症状が現れる金属アレルギーのリスクがあります。また、金属の影響で歯茎が黒く変色するメタルタトゥーが起こることもあります。
一方、金属を使わないオールセラミックの詰め物や被せ物であれば、金属アレルギーの不安を避けられます。
奥歯をセラミックにするメリット

ここでは、治療を検討する際に知っておきたいセラミックの主な利点を紹介します。
自然な仕上がりで口元の印象が良くなる
セラミックは白さ、透明感、艶を再現でき、天然歯と調和する美しい仕上がりが最大の魅力です。奥歯は前歯ほど目立たない印象があるものの、会話中や笑顔の際には意外と見えやすい場所です。
銀歯をセラミックへ変更したことで銀歯の悩みから解放され、自信を持って笑えるようになったという声も多く聞かれます。
虫歯や歯周病になりにくい
表面が滑らかなセラミックは、凹凸がある銀歯と違い、汚れや細菌が付着しにくく、日々の歯磨きで清潔な状態を保ちやすい点もメリットです。また、変形しにくいため歯との境目に隙間ができにくく、虫歯の再発リスクを抑えられます。
金属アレルギーの心配がない
メタルフリーのセラミックを選べば、金属が唾液に溶け出してアレルギーを引き起こす心配がありません。メタルタトゥーのような歯茎の変色も起こらないため、長期的な口元の健康と美しさを保てます。
変色しにくく長期間美しさを保てる
保険診療では、奥歯に銀歯が使われるほか、前歯など目立つ部分には白い歯科用プラスチック(レジン)が用いられることがあります。レジンは保険適用で治療できる点がメリットですが、コーヒーや紅茶などの影響で時間の経過とともに変色しやすいという特徴があります。
一方、セラミックは変色しにくく、治療直後の白さを長期間維持できる素材です。見た目の美しさを長く保ちたい方や、頻繁なやり替えを避けたい方にとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。
奥歯をセラミックにするデメリット

治療法を選択する際は、メリットだけでなく、デメリットも理解しておくことが大切です。
治療費が高額になる
セラミック治療で最も気になる点として、費用の高さが挙げられます。セラミックは保険適用外の自由診療となるため、治療費は全て自己負担です。保険診療で作る銀歯の場合は数千円程度で済むのに対し、セラミックは1本につき数万円〜十数万円となることがあります。
複数の歯を同時に治療する場合、さらに費用が膨らむため、予算に制限がある方にとっては負担が大きくなりやすい点は否めません。
割れたり欠けたりする可能性がある
陶器と同じ性質を持つため、強い衝撃や噛みしめによる大きな力が加わると、破損する可能性があります。このような大きな力が一瞬にして加わった場合、セラミックが割れる可能性はゼロではありません。
特に奥歯は噛む力が集中しやすいため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は注意が必要です。万が一破損した場合は、再治療の費用や時間が追加で必要になります。
歯を削る量が多くなることがある
セラミックは強度を確保するために一定の厚みが必要です。そのため、銀歯に比べて健康な歯を削る量が多くなることがあります。
特に噛む力が強くかかる奥歯では、耐久性を高めるためにさらに厚みが必要となり、削る量が増えやすくなります。その結果、しみる症状が出たり神経の処置が必要になったりして、歯の寿命が短くなる可能性もあります。
一度削った歯は元には戻らないため、リスクを理解してから進めることが重要です。
定期的なメンテナンスが必要
セラミックは優れた素材ですが、セルフケアや定期検診を怠ると寿命が短くなる可能性があります。また、年齢とともに歯茎が下がると被せ物と歯茎の境目が露出し、やり直しが必要になる場面もあります。
セラミックを長く良い状態で使うためには、毎日の丁寧な歯磨きに加えて、歯科医院での定期メンテナンスが欠かせません。
奥歯に使用できるセラミックの種類と費用

ここでは、奥歯に適した代表的なセラミック素材について、それぞれの特徴と費用の目安を分かりやすくご紹介します。
ジルコニア
ジルコニアは人工ダイヤモンドとも呼ばれ、セラミックの中でも高い強度を持つ素材です。金属並みの硬さがあるため、噛む力が強い方や歯ぎしり、食いしばりの習慣がある方でも使用できることがあります。
奥歯のように負荷がかかりやすい部位にも使用可能でしょう。
透明感はやや控えめですが、奥歯であれば十分に自然な白さを再現できます。費用の目安は詰め物で4〜7万円程度、被せ物で10〜17万円程度です。
e-max
e-maxはニケイ酸リチウムガラスを主成分としたセラミックです。強度と美しさの両立に優れ、奥歯にも前歯にも幅広く使われる人気の素材で、透明感が高く、自然な見た目が得られます。硬すぎないため、噛み合う歯への負担が少ない点も利点といえるでしょう。
費用の目安は詰め物で4〜6万円程度、被せ物で7〜13万円程度です。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、セラミックと歯科用プラスチック(レジン)を組み合わせた素材です。他のセラミックより費用を抑えやすいため、銀歯より自然な見た目を求めつつ予算も重視したい方に選ばれています。
適度な弾力があり、噛み合う歯に負担をかけにくい点も特徴です。ただし、純粋なセラミックに比べると摩耗や変色が起こりやすく、耐久性は劣ります。
費用の目安は、詰め物で3〜4万円程度、被せ物で4〜8万円程度ですが、条件を満たせば保険適用となる場合もあります。
メタルボンド
メタルボンドは、金属のフレームにセラミックを焼き付けた被せ物です。内側を金属で補強しているため強度が高く、外側はセラミックで覆われているため、自然な見た目で、奥歯のように負荷がかかる場所でも安心して使用できます。
一方で、金属を使用するためアレルギーのリスクがあること、歯茎が下がった際に内側の金属が見える可能性があることがデメリットとして挙げられます。費用の目安は、7〜14万円程度です。
奥歯をセラミックにする治療の流れ

奥歯のセラミック治療は、いくつかの工程を踏んで進めていきます。
まずは、歯や歯茎の状態、虫歯の有無、噛み合わせなどを確認し、患者さまのご希望を伺ったうえで治療計画を立てます。虫歯がある場合は先に治療を行い、セラミックがしっかりと適合するよう土台となる歯の形を整えます。
その後、セラミックを製作するための型取りを行います。従来の型取りに加え、最近では口腔内をスキャンしてデジタルで精密に型を取る方法も用いられています。型取りの精度は仕上がりに大きく影響するため、重要な工程です。
セラミックが完成するまでの数日〜1週間ほどは仮歯で過ごします。仮歯は噛み合わせを安定させ、日常生活での不便を軽減する役割があります。
完成したセラミックが届いたら装着し、噛み合わせや適合状態を細かく確認しながら微調整を行います。歯との密着が不十分だと寿命に影響するため、丁寧な調整が欠かせません。
治療後は、セラミックを長持ちさせるために定期的なメンテナンスが必要です。噛み合わせの変化は破損の原因となることがあるため、定期チェックを続けましょう。
まとめ

奥歯のセラミックは、自然な見た目、虫歯の再発予防、金属アレルギー不安の解消など、多くのメリットがあります。ただし、高額な費用や破損リスクなどの注意点があり、素材選びは個別の状況に応じた判断が必要です。
奥歯は毎日大きな負担がかかる場所だからこそ、長く快適に使える治療方法を選びましょう。
セラミック治療を検討されている方は、長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。
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