目次
親知らずを抜歯するタイミングはいつが最適?
〜「いつか抜く」ではなく「今がベスト」を見極めるために〜
「親知らずって、いつ抜くのが正解なんですか?」
これは、私たちが日々の診療の中で患者様から本当によくいただく質問の一つです。痛みが出てからでいいのか、それとも腫れる前に抜くべきなのか。あるいは、若いうちにまとめて抜いてしまった方がいいのか……。
結論から申し上げますと、親知らずの抜歯に**「全員共通の正解タイミング」はありません。** ですが、抜歯に最適な時期を判断するための**「考え方」と「目安」は、歯科医学的にはっきりとしています。**
この記事では、親知らずの基礎知識から、抜くべきタイミング、あえて抜かなくても良いケース、年齢によるリスクの違いまで、歯科医師の視点で徹底的に解説します。
1. 親知らずとは?なぜ「タイミング」が重要なのか

親知らずは、前から数えて8番目、お口の一番奥に生えてくる永久歯です。正式には「第三大臼歯」と呼ばれます。
多くの場合、親知らずには以下のような特徴があります:
- 生えるスペースが足りない
- 斜めや横向きに生えることが多い
- 完全に生えきらず、半分歯肉に被っていることが多い
これらの特徴があるため、親知らずを放置しておくと、次のようなトラブルを引き起こすリスクが非常に高まります。
親知らずが引き起こす主なトラブル
- 虫歯・歯周病の温床: 一番奥で磨きにくいため、親知らず自体はもちろん、手前の健康な歯(7番目の歯)まで虫歯にしてしまう。
- 智歯周囲炎(ちししゅういえん): 歯ぐきが腫れたり、強い痛みが出たりする。悪化すると顔の形が変わるほど腫れることもあります。
- 手前の歯へのダメージ: 横向きに生えている場合、手前の歯を押し出し、根を溶かしてしまう(歯根吸収)ことがあります。
つまり、親知らずは**「問題が起きてから考える歯」ではなく、「問題が起きる前に、抜くか残すかを判断すべき歯」**なのです。
2. 親知らずを抜歯する「3つのベストタイミング」
では、具体的にいつ抜くのが良いのでしょうか。理想的な順序で解説します。
① 痛みや腫れが出る前【最も理想的】
最もおすすめなのは、自覚症状が出る前です。「痛くないのに抜くなんて……」と思われるかもしれませんが、痛くなってからでは、実は麻酔が効きにくかったり、抜歯後の治りが遅くなったりするデメリットがあります。
② 20歳前後の若いうち【医学的に推奨】
20代前半までに抜歯することには、医学的に大きなメリットがあります。
- 骨が柔らかい: 抜歯の際の負担が少なく、処置がスムーズに終わります。
- 根が完成していない: 歯の根っこがまだ短いうちであれば、神経を傷つけるリスクを抑えられます。
- 回復力が高い: 傷口の治りが早く、術後の腫れも最小限で済む傾向にあります。
③ 妊娠・出産や海外赴任などの「大きな変化」の前
女性の場合、妊娠中に親知らずが痛み出すと、ホルモンバランスの影響で炎症が強まりやすく、またお薬の使用にも制限が出てしまいます。大切なライフイベントの前にリスクを摘んでおくことは、非常に賢明な判断です。
3. 「抜かなくてもよい」親知らずとは?
すべての親知らずを抜かなければならないわけではありません。以下のようなケースでは、経過観察となることもあります。
- 真っ直ぐ生えていて、しっかり噛み合っている: 上下の歯が正常に機能し、きれいに磨けている場合。
- 完全に骨の中に埋まっていて、悪影響がない: レントゲン診査の結果、手前の歯や神経を圧迫していない場合。
- 将来の「移植」のために残す: 他の奥歯を失った際、親知らずを移植して再利用できる可能性がある場合(条件が揃っている場合のみ)。
4. 年齢を重ねてからの抜歯は「リスク」が高まる?
30代、40代、そしてそれ以降に親知らずを抜く場合、若い頃とは少し状況が異なります。
- 骨の硬化: 加齢とともに顎の骨は硬くなります。そのため、抜歯に時間がかかったり、抜く際にある程度の力が必要になったりします。
- 全身疾患の考慮: 高血圧や糖尿病などの持病がある場合、術中の血圧管理や術後の感染予防に細心の注意が必要です。
- 治癒の遅れ: 代謝が落ちるため、傷口が塞がるまでに時間がかかり、痛みが長引きやすくなる傾向があります。
「いつか抜かなきゃいけない」と思っているのなら、**「今日が人生で一番若い日」**です。早めに決断することが、ご自身の体への負担を減らすことにつながります。
5. 抜歯を迷っている方へのアドバイス
「怖い」「痛そう」という不安は、誰もが抱くものです。まずは、抜歯そのものを目的とするのではなく、**「現状の把握」**のために歯科医院を訪れてみてください。
当院では、最新の歯科用CTを用いて、神経の位置や歯の向きを立体的に解析し、安全性を最優先した診断を行っています。「必ず抜かなければいけない」と決める前に、まずは将来のリスクを可視化することから始めましょう。
まとめ:あなたの「今」を大切に
親知らずの抜歯は、単に歯を一本抜くということではありません。それは、**「手前の健康な歯を守り、将来のお口の健康への投資をする」**ということです。
「抜いた方がいいのかな?」と少しでも頭をよぎった時が、相談のタイミングです。痛みというアラートが出る前に、ぜひ一度プロのチェックを受けてみてください。
🏥 医院情報
医療法人 夢昂会 諫早ふじた歯科・矯正歯科
- 住所: 〒859-0403 長崎県諫早市多良見町中里129-14
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- 診療内容: 歯科、矯正歯科、小児歯科、歯科口腔外科
- アクセス: 多良見ICより車で3分、喜々津駅からも通いやすい場所にあります。
お口のことで少しでも気になることがあれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
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