2026/02/27

親知らずの抜歯は痛いですか?

親知らずの抜歯は痛いですか?

怖い」「痛そう」と感じる方へ、歯科医師が正直に解説します

「親知らずを抜かないといけないけれど、痛いのが怖くて踏ん切りがつかない…」 「ネットで調べたら『顔がパンパンに腫れた』『激痛だった』という体験談ばかりで不安…」

親知らずの抜歯に対して、このような恐怖心を抱いている方は非常に多いです。確かに、抜歯は立派な「手術」ですから、不安になるのは当然のことです。

しかし、結論からお伝えすると、現代の歯科医療において、親知らずの抜歯は「思っているほど痛くない」ことがほとんどです。

この記事では、現役の歯科医師の視点から、抜歯中の痛み、抜歯後の腫れ、そして痛みを最小限に抑えるための最新の工夫について、包み隠さず正直に解説します。この記事を読み終える頃には、あなたの不安が少しでも軽くなっているはずです。

1. 結論:抜歯中は「痛み」ではなく「感覚」があるだけ

まず、皆さんが一番心配されている「抜歯中の痛み」についてです。

結論から言うと、抜歯中に鋭い痛みを感じることは、今の麻酔技術ではほとんどありません。

受付 正面

「本当かな?」と疑いたくなる気持ちも分かります。しかし、現代の歯科で使用される局所麻酔は非常に進化しており、適切に使用すれば神経の伝達を完全に遮断することができます。

多くの方が「痛い!」と勘違いしてしまうのは、以下の**「痛み以外の感覚」**が伝わってくるためです。

  • 押される感じ(圧迫感)
  • 引っ張られる感覚
  • 「ゴリゴリ」「ミシミシ」といった振動や音

これらは麻酔で「痛み」を消していても、深部の「触覚」や「圧迫感」は完全には消えないために起こる現象です。これを知っているだけでも、手術中の心の準備がだいぶ楽になります。

2. なぜ「親知らずの抜歯=痛い」というイメージが強いのか?

では、なぜ世の中には「激痛だった」という体験談が溢れているのでしょうか。それには主に3つの理由があります。

① 麻酔が効きにくい状態で抜歯をした

歯ぐきが強く腫れていたり、膿が溜まっていたりする「急性期」の状態では、周囲の組織が酸性に傾くため、麻酔薬が効きにくくなります。その状態で無理に抜歯を行うと、痛みを感じやすくなります。当院では、炎症が強い場合はまず抗生剤で腫れを鎮めてから、後日抜歯を行うようにしています。

② 下の親知らずの難症例

上の親知らずは骨が比較的柔らかく、すんなり抜けることが多いのですが、下の親知らずは骨が硬く、さらに横向きに埋まっている(水平埋伏)ケースが多いです。骨を削ったり歯を分割したりする必要があるため、処置時間が長くなり、その分「大変だった=痛かった」という記憶になりやすいのです。

③ 「痛かった人」ほど声を大にして発信する

これはSNSやネットの特性ですが、何事もなくスムーズに終わった人はわざわざ投稿しません。一方で、大変な思いをした人は誰かに共有したくなるものです。ネットの情報は、あくまで「一部の極端な例」であることを忘れないでください。

3. 抜歯後の痛みと腫れのピークはいつ?

抜歯自体の痛みは麻酔でコントロールできますが、麻酔が切れた後の「術後の痛み」は避けられません。

  • 痛みのピーク: 麻酔が切れる1〜2時間後から、当日中。
  • 腫れのピーク: 術後24時間〜48時間(2日目〜3日目)。
  • 痛みの持続期間: 通常は3日〜1週間程度で落ち着きます。

抜歯後の痛みは、適切に処方された痛み止め(鎮痛剤)を服用することで、日常生活に支障がないレベルまで抑えることが可能です。「痛くなってから飲む」のではなく、「痛くなる前に(麻酔が切れる前に)飲む」のが、術後を快適に過ごす最大のコツです。

4. 痛みを最小限にするための当院の5つの工夫

当院では、患者さまの負担を少しでも減らすために、以下のような取り組みを行っています。

① 表面麻酔の徹底

麻酔の注射自体のチクッとした痛みを防ぐため、あらかじめ歯ぐきに塗るタイプの「表面麻酔」を行います。これにより、注射の針が入る瞬間の痛みもほとんど感じません。

② 極細の注射針と電動麻酔器

髪の毛ほどの細い針を使用し、さらにコンピューター制御の「電動麻酔器」を使って、一定のゆっくりとしたスピードで麻酔液を注入します。麻酔の痛みは「注入スピード」に左右されるため、これによって不快感を大幅に軽減できます。

③ CT診断による精密なシミュレーション

親知らずの根の状態や神経との距離を3次元(CT)で把握します。事前にルートを完璧に把握することで、手術時間を短縮し、組織へのダメージを最小限に抑えることができます。処置時間が短いほど、術後の腫れも少なくなります。

④ 術後のアフターケアと抗生剤

細菌感染は痛みを増強させます。適切な抗生剤の処方と、抜歯翌日の消毒チェックを行うことで、トラブルを未然に防ぎます。

⑤ 恐怖心が強い方への「静脈内鎮静法」

「どうしても怖い」「パニックになりそう」という方には、点滴からリラックスする薬を注入する「静脈内鎮静法」という選択肢もあります。うとうと眠っているような状態で、気づいたら終わっていたという感覚で治療が受けられます(※事前相談が必要です)。

5. 抜歯を迷っている方へ:放置するリスクについて

「痛くないならこのまま放置してもいいのでは?」と思われるかもしれません。しかし、問題のある親知らずを放置すると、以下のような大きなトラブルに繋がることがあります。

  1. 手前の健康な歯が虫歯になる 親知らずとの隙間に汚れが溜まり、親知らずだけでなく、一生使うべき大切な手前の奥歯まで虫歯にしてしまうケースが非常に多いです。
  2. 智歯周囲炎(繰り返す腫れ) 疲れた時や免疫が落ちた時に、親知らずの周りの歯ぐきがパンパンに腫れて激痛を伴います。
  3. 歯並びへの悪影響 横向きに生えている親知らずが手前の歯を押し続け、前歯の歯並びがガタガタになってしまうことがあります。

若いうち(10代後半〜20代)に抜歯を行うと、骨が柔らかく傷の治りも早いため、将来のトラブルを未然に防ぐ「投資」としての抜歯をお勧めしています。

6. まとめ:あなたの不安に寄り添います

スタッフが集まっている

親知らずの抜歯は、誰にとっても不安なものです。しかし、「いつ痛くなるかビクビクして過ごす」よりも、「適切なタイミングで、適切な処置を受ける」方が、結果としてあなたのQOL(生活の質)は確実に向上します。

当院では、無理に抜歯を勧めることはありません。まずはレントゲンを撮り、現在の親知らずの状態を詳しく説明した上で、抜くべきかどうかを一緒に考えましょう。

もしあなたが「痛いのが本当にダメで…」とお悩みなら、カウンセリングの際に遠慮なくお伝えください。私たちはその不安を否定せず、最大限痛みを抑える方法を提案させていただきます。

次のステップ:まずは検診・相談にお越しください

「私の親知らず、抜いたほうがいいの?」「どれくらい大変そう?」 そんな疑問を解消するために、まずは一度お口の状態をチェックしてみませんか?

🏥 医院情報

医療法人 夢昂会 諫早ふじた歯科・矯正歯科

  • 住所: 〒859-0403 長崎県諫早市多良見町中里129-14
  • 電話番号: 0957-43-2212
  • 診療内容: 歯科、矯正歯科、小児歯科、歯科口腔外科
  • アクセス: 多良見ICより車で3分、喜々津駅からも通いやすい場所にあります。

お口のことで少しでも気になることがあれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

ネット予約は24時間受付中です https://fujitashika.com/yoyaku/