2024/03/12

歯周病が全身にもたらすリスク

■歯周病が全身にもたらすリスク:病気の種類とメカニズム

 

こんにちは、諫早ふじた歯科・矯正歯科の藤田です。今回は、歯周病がリスク因子となる全身の病気について、その種類と特徴、そしてどのようなメカニズムで誘発されるのかをお話しします。

諫早ふじた歯科・矯正歯科 歯周病

▼歯周病と関連の深い全身の病気

 

歯周病は歯と歯茎の間にある歯周ポケットに細菌が繁殖し、炎症を引き起こす病気です。この炎症が全身に影響を与え、様々な病気のリスクを高めることが分かっています。

 

◎心血管疾患

 

歯周病と心血管疾患の関係は、研究で確認されています。歯周病の細菌が血管内に侵入し、動脈硬化を引き起こす可能性があるとされています。また、歯周病による炎症が、血管の内皮細胞に悪影響を与えることで、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まることが知られています。

 

◎糖尿病

 

歯周病と糖尿病の関係は密接で、歯周病は糖尿病の進行を促進し、糖尿病は歯周病の重症化を招くことがあります。歯周病が糖尿病を悪化させるメカニズムは、炎症によってインスリン抵抗性が高まり、血糖値のコントロールが困難になるためです。

 

◎低出生体重児の出産リスク

 

妊婦さんが歯周病にかかると、早産や低出生体重児の出産リスクが高まることが報告されています。歯周病の炎症が、母体内での胎児の成長を阻害したり、出産を早めたりすることが原因です。

 

◎認知症

 

歯周病と認知症の関連性も指摘されています。歯周病の細菌が血液を介して脳に到達し、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβの生成を促進することが主な原因です。認知症は脳の病気なので、お口の病気である歯周病とは何ら関係がないように思えますが、実際はそうではないのです。

 

◎関節リウマチ

 

歯周病と関節リウマチの関係も近年研究で明らかになってきました。歯周病の細菌が関節リウマチの発症や悪化に関与すると考えられています。歯周病の細菌が関節内に侵入し、免疫システムの過剰反応を引き起こすことが、関節リウマチの発症や進行につながるとされています。

 

◎肺炎

 

歯周病の細菌が肺に入ることで、肺炎のリスクが高まることが知られています。特に、高齢者や免疫力の低下した方が、歯周病による肺炎のリスクが高まるとされています。専門的には「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」と呼ばれる病気で、高齢者の死因の上位にも入るようになってきました。

 

▼歯周病は予防すべき病気

 

これらの病気と歯周病との関係を踏まえると、歯周病の予防や早期治療が全身の健康にも大きく寄与することがわかります。歯周病を予防するためには、日常的な歯磨きや歯間ブラシの使用、定期的な歯科検診が重要です。諫早ふじた歯科・矯正歯科では、歯周病の予防や治療に力を入れています。歯周病の症状に気づいたら、早めにご相談ください。一緒に歯周病を克服し、全身の健康を守りましょう。

 

▼まとめ

 

歯周病は、心血管疾患、糖尿病、低出生体重児の出産リスク、認知症、関節リウマチ、肺炎など、様々な全身の病気のリスク因子となります。歯周病の予防や早期治療が、これらの病気のリスクを軽減するために重要です。日常的な歯磨きや歯間ブラシの使用、定期的な歯科検診を心がけましょう。健康な口腔環境が、全身の健康にもつながります。

 

歯周病の予防や治療には、正しいブラッシング方法を身につけることも重要です。磨き残しがないように、短時間で効果的なブラッシングを心がけましょう。また、フロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の間の細菌を除去することも大切です。

長崎県諫早市多良見町中里129-14

医療法人 夢昂会 諫早ふじた歯科・矯正歯科