2024/07/10

インプラントがぐらつく原因と対処法!ぐらつきを防ぐ予防策まで

こんにちは。長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」です。

インプラント治療の説明をする歯科医師

インプラントは、虫歯や歯周病、外傷などで失った歯を補い、機能を回復させる治療法です。失った歯を補う治療法には入れ歯やブリッジもありますが、審美性や機能性に優れていることから、インプラントを選択する方が増えています。

インプラントは天然の歯と同じように長く使い続けることができますが、稀にインプラントがぐらつくことがあります。

この記事では、インプラントがぐらつく原因と対処法、そして予防法について詳しく解説します。インプラントのぐらつきが気になる方や、インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントの構造

インプラントの構造イメージ

インプラントとは、人工の材料や部品を体内に入れる治療の総称です。歯科領域においては、虫歯や歯周病、外傷などで失った歯を補うための治療法を指します。

インプラント治療では、歯を失った顎の骨に生体材料で作られた人工歯根(インプラント体)を埋入し、それを土台に人工歯(上部構造)を取り付けます。インプラントの構造はメーカーによって異なる場合もありますが、基本的には以下の3つで構成されています。

  • インプラント体
  • アバットメント
  • 上部構造

以下、それぞれの部品について詳しく解説します。

インプラント体

インプラント体は、顎の骨の中に埋入して歯根の役割を果たす部分で、インプラント全体を支える土台です。一般的にはネジのような形状のスクリュータイプが多いです。インプラント体と顎の骨の接触面積を増やすことで、顎の骨としっかり結合させて安定性を高めるためです。

インプラント体の素材には、チタンやチタン合金がよく使われています。チタンは生体親和性の高い素材であり、アレルギー反応を起こしにくいとされています。また、劣化しにくいため長持ちしやすいことも特徴でしょう。

インプラント体の大きさは直径3〜7mm、長さは6~18mmとさまざまで、症例に応じて適切なサイズが選ばれます。

アバットメント

アバットメントは、インプラント体の上に装着して、インプラント体と上部構造を連結する小さな部品です。インプラント体と同じメーカーの同じ規格のものでなければ適合しません。アバットメントとインプラント体が一体型になっているタイプもあります。

アバットメントの材質には、チタンやチタン合金、セラミックなどが使われます。

上部構造

上部構造は、アバットメントの上に取り付ける人工歯の部分です。噛み合わせや周囲の歯とのバランスを考慮しながら、素材や色味などを調整します。

上部構造の素材には、セラミックやジルコニア、メタルボンドなどさまざまな種類があります。審美性や機能性など、特徴もそれぞれ異なるので、ご自身にあうものを選択する必要があるでしょう。

インプラントがぐらつく原因

インプラントがぐらつく原因を考える女性

インプラント治療では、インプラント体を顎の骨に埋入して骨としっかり結合させるため、正常な状態であればぐらつくことはありません。

しかし、歯科医院側のミスや治療後のメンテナンス不足があると、インプラントのぐらつきを引き起こす可能性があります。インプラントがぐらつく原因としては、以下の3つが考えられます。それぞれの原因について詳しく解説します。

アバットメントが緩んでいる

アバットメントは、顎の骨に埋入した人工歯根と人工歯を接続する部品です。噛み合わせの悪さや歯ぎしりなどで負荷がかかり続けると、アバットメントが少しずつ緩むことがあります。

インプラントのぐらつきがアバットメントの緩みにある場合は、アバットメントをしっかりと締め直すことで改善できます。

インプラント周囲炎が進行している

インプラント周囲炎とは、埋入したインプラント体の周辺組織が細菌感染によって炎症を起こす状態を指します。インプラント周囲炎が進行すると、歯を支えている顎の骨が破壊されます。

初期の段階では自覚症状がほとんどなく、顎の骨が破壊されるまで進行するとインプラントがぐらつきます。さらに進行すると、最終的にはインプラントの脱落につながるでしょう。

骨との結合が不十分

インプラントは、顎の骨に埋入したインプラント体と骨が結合することで安定性が高まります。

しかし、さまざまな理由で骨との結合が不十分になる場合があります。主な原因としては、以下の3つが挙げられます。

  • 施術中に顎の骨が火傷する
  • インプラントの埋入位置や角度が不適切
  • 十分な骨量がなかった

インプラント体と顎の骨が十分に結合していないと、インプラントがぐらつく原因となり、最終的に脱落する可能性が高いです。

インプラントがぐらつくときの注意点

インプラントがぐらつくときの注意点イメージ

インプラントがぐらつく場合、誤った方法で対処すると状況がさらに悪化する可能性があります。以下では、インプラントがぐらつくときに注意すべき点について解説します。

早急に歯科医院を受診する

インプラントは、正常な状態であればぐらつくことはありません。インプラントがぐらつく場合は、何らかの不具合が生じている可能性があります。

少しぐらつく程度だからといって歯科医院を受診せずに放置すると、人工歯の破損やインプラントの脱落につながり、再治療が必要になるかもしれません。その結果、治療期間が長引いたり治療費が増えたりすることがあります。

インプラントに違和感がある場合は、すぐに歯科医院を受診しましょう。

インプラントを触らない

インプラントにぐらつきや違和感があると、気になって舌や指で触ったり、噛み合わせて確認したりしたくなるかもしれません。これらの行動はインプラントに負荷をかけ、ぐらつきを悪化させる原因になります。

また、インプラントだけでなく、周辺組織にも悪影響を及ぼす可能性があります。歯科医院を受診するまでは、インプラント部分に刺激を与えないようにしましょう。

外れた部品は保管しておく

人工歯やアバットメントが外れた場合、自分で取り付けようとすることはやめましょう。無理に取り付けようとすると、人工歯やアバットメントの破損、誤飲の原因になります。

インプラントの部品が外れた場合は、その部品を持って歯科医院を受診しましょう。破損していなければ、再装着することができます。

インプラントがぐらつくときの対処法

インプラントがぐらつくことを歯科医師へ相談

インプラントがぐらつくときは、前述の注意点を守り速やかに歯科医院を受診することが重要です。ここでは、歯科医院で行われる対処法について解説します。

アバットメントを締め直す

インプラントのぐらつきの原因がアバットメントの緩みの場合、アバットメントを締め直すことでぐらつきを改善できます。治療後の定期検診では、アバットメントの緩みも確認されます。定期検診を怠らずに受けることで、インプラントがぐらつくリスクを軽減できます。

インプラント周囲炎を治療する

インプラント周囲炎が原因でインプラントがぐらついている場合は、インプラント周囲炎の治療を行います。

軽度のインプラント周囲炎であれば、歯周ポケット内のプラークや歯石を除去して洗浄し、抗生物質を投与して炎症を抑えます。骨の吸収が進行している場合は、歯茎を切開して直接インプラント体を清掃・殺菌する必要があります。

これらの治療を行ってもインプラント周囲炎が改善しない場合は、インプラントの摘出が必要になる可能性があります。

再手術をする

インプラント体の周囲が細菌感染を起こしていたり、骨が吸収されたりしている場合は、インプラントを抜去して再手術を行います。骨の再生を待ったり、骨を増やす骨造成が必要になることもあるでしょう。

インプラントのぐらつきを予防する方法はある?

インプラントのぐらつきを予防するポイントを説明

インプラントのぐらつきは、歯科医院選びや治療後のメンテナンスである程度予防できます。以下では、予防法を3つご紹介します。

信頼できる歯科医院を選ぶ

残念ながら、インプラントがぐらつく原因が歯科医院側にある場合もあります。適切な診断と治療を行える経験豊富な歯科医院を選びましょう。

インプラント治療の歯科医院選ぶ際には、以下の点を確認してください。

  • 事前にCT撮影をするか
  • 設備が充実しているか
  • 衛生管理を徹底しているか
  • インプラント治療の実績が豊富か
  • 保証制度が充実しているか

歯科医院のホームページを見たり、治療前のカウンセリングで実際に話を聞いたりして、上記のポイントを確認しましょう。

治療後も定期検診を受ける

定期検診を受けていれば、インプラントのぐらつきの原因となるトラブルを早期に発見できます。インプラントの脱落を避けられる可能性が高いでしょう。

定期検診では、インプラントにトラブルがないかを確認し、プラークや歯石を除去してくれるため、3か月に一度は定期検診と予防メンテナンスを受けましょう。

丁寧なセルフケアを心がける

インプラント周囲炎によるインプラントのぐらつきは、丁寧なセルフケアで予防可能です。インプラント周囲炎の主な原因は、口内に蓄積したプラークに含まれる歯周病菌です。そのため、毎日のセルフケアでプラークを除去することが重要です。

しかし、歯ブラシで丁寧に磨いても、口内のプラークは6割程度しか除去できません。歯ブラシの毛先が届かない歯と歯の間には、歯間ブラシやデンタルフロスを使用しましょう。

歯ブラシと併用することで、口内のプラークを約9割取り除くことができます。

どれだけ丁寧にセルフケアを行っても、完全にプラークを取り除くことは難しいです。定期的に歯科医院でプラークや歯石を除去してもらいましょう。

まとめ

インプラントの構造イメージ

インプラントがぐらつく場合は、何らかのトラブルが発生している可能性が高いです。インプラントのぐらつきを放置すると、インプラントが破損したり脱落したりするかもしれません。

信頼できる歯科医院で治療を受け、治療後の丁寧なセルフケアや定期検診を怠らないことで、インプラントのぐらつきを予防できます。インプラントを長く使い続けるためにも、違和感がある場合は早めに歯科医院を受診しましょう。

インプラント治療を検討されている方は、長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。

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長崎県諫早市多良見町中里129-14

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