こんにちは。長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」です。
インプラントは、歯を失ってしまった場合に、人工歯根を埋め込んで人工歯を装着して補う画期的な治療法です。全部の歯を失い、インプラントを検討している方もいるのではないでしょうか。
「全ての歯をインプラントにできる?」「どのくらいの費用がかかるの?」など、疑問をお持ちの方もいるでしょう。
今回は、全部の歯をインプラントにした場合のメリット・デメリット、治療法や費用について詳しく解説していきます。
全部の歯をインプラントにするメリットは?
全部の歯を失った場合には、保険適用の治療を選択すると総入れ歯で補うことになります。
自費診療で高額ですが、インプラントにするとどのようなメリットがあるのでしょうか。
天然の歯と同じように噛める
総入れ歯の場合の噛む力は、天然歯の噛む力を100%とした場合10%〜20%と言われています。インプラントは80%〜90%の噛む力を発揮できるので、天然の歯に近い噛み心地を得ることができます。
実際に、総入れ歯では、食べられるものが少なくなります。例えば、粘り気のあるお餅や、ナッツ類やイカ・タコなどの硬いもの、葉物野菜やわかめなどの薄いものは、総入れ歯ではうまく食べられなくなります。
インプラントは、天然の歯とほぼ同じものを食べることができます。噛む力があるとしっかりと咀嚼することができるので、胃腸に負担もかけにくいです。
痛みや違和感が少ない
総入れ歯は、顎の粘膜に入れ歯を吸着させて固定します。口の中の粘膜の大部分を覆うため、靴擦れのように粘膜を痛めたり、大きな異物が入ることによる違和感を覚えたりする方が少なくありません。
インプラントは、人工歯根を直接顎骨に埋め込んで固定するので、痛みや違和感を感じにくいとされています。自分の歯のように使うことができるため、ストレスを軽減できるでしょう。
審美性が高い
総入れ歯はプラスチック製なので、作り物のような印象を受けることがあります。インプラント治療では、天然の歯に近い見た目の人工歯を作成できるので、見た目の違和感を抑えられるのです。
顎の骨が痩せるのを防げる
顎の骨は、刺激を受けないと痩せていってしまいます。顎の骨が痩せると、頬がこけたようになり顔貌が老けて見えるなど、見た目にも影響を及ぼします。
総入れ歯では顎の骨に刺激が加わらないので、使用していても次第に顎の骨が痩せていきます。インプラントは、人工歯根を通して適切な刺激が顎に伝わるため、顎の骨が痩せるのを抑えることができます。
1本ずつ治療するより治療費を抑えられる
全ての歯をインプラントにする場合には、数本インプラントを埋入してまとまった人工歯を装着することができます。失った歯の本数分、インプラントを埋入する必要はありません。
この場合は、インプラントを1本ずつ入れるより治療費を抑えられます。
全部の歯をインプラントにするデメリットは?
全部の歯をインプラントにする場合、デメリットも存在します。
外科手術が必要になる
インプラント治療では、顎の骨に直接人工歯根を埋め込むため外科手術を行います。永久歯28本分人工歯根を埋め込むわけではありませんが、全ての歯をインプラントにする場合、複数本のインプラントを埋入する必要があるため負担が少ないとはいえません。
高齢者や全身疾患がある人にとっては、リスクの高い治療と言えるでしょう。
治療費が高い
インプラントは保険適用されないため、自費治療になります。全ての歯をインプラントにする場合は、少なくとも4本(当院では安定性を考慮して6本)埋入するため、それだけ治療費が高額になります。
健康状態によっては適応できない
インプラント治療は外科手術が必要なので、健康状態によっては行うことができません。特に、糖尿病・高血圧・心疾患・脳血管疾患・骨粗鬆症などの全身疾患がある場合には、適応が難しくなることが多いです。
状態が安定していれば可能なこともありますので、内科主治医・歯科医師の両方に相談するようにしましょう。
治療に時間がかかる
インプラントで治療する場合には、インプラントを埋入してから顎の骨に定着するまで待つ必要があります。通常、待機期間は上顎4か月、下顎3か月程度です。当院では平均して約2〜3か月待つようにしています。
全部の歯をインプラントにする場合、埋入する人工歯根の本数が増えるので治療期間が長くなりやすいでしょう。顎の骨を増やす骨造成を行う場合など、症例によっては1年ほどかかることもあります。
総入れ歯は全ての工程を合わせても1ヶ月ほどで製作できます。最終的な人工歯で生活できるようになるまでには、インプラント治療では長い期間がかかります。
メンテナンスが必要
インプラント治療後は、インプラント周囲炎のリスクがあります。インプラント周囲炎が進行すると、インプラントを抜去しなくてはならないこともあります。
インプラント周囲炎を予防して長くインプラントを使い続けるためには、メンテナンスが重要です。3か月に一度は受診して、インプラントのチェックやクリーニングなどのメンテナンスを受けましょう。
全部の歯をインプラントにする方法
全部の歯をインプラントにする方法は、2つあります。
- インプラントオーバーデンチャー
- オールオン4、またはオールオン6
どちらも数本のインプラントを埋入し、上下顎いずれか全ての歯を補います。失った歯の本数インプラントを埋入するわけではないので、治療期間や費用の負担を抑えられるでしょう。
失った全ての歯の分インプラントを入れることもできますが、費用が高くなり外科治療の負担も大きくなります。そのため、選択する方は少ないです。
インプラントオーバーデンチャー、オールオン4またはオールオン6、それぞれの特徴を解説していきます。
インプラントオーバーデンチャー
インプラントオーバーデンチャーは、インプラントと総入れ歯を組み合わせた治療法です。
インプラントを数本埋入し、それを固定源として総入れ歯を装着する方法です。インプラントの本数は2本〜4本が一般的です。
入れ歯は取り外し式ですが、インプラントに入れ歯がしっかりと固定されるので安定性があります。保険の総入れ歯と比較して、噛む力は強くなり違和感や痛みも出にくいでしょう。
オールオン4、またはオールオン6
オールオン4は、最小4本のインプラントを埋入し、片顎すべての歯を補う方法です。当院では、最低6本のインプラントを入れて片顎12本の人工歯を装着します(オールオン6)。
人工歯は固定式です。従来の1本ずつのインプラントよりも少ない本数で全ての歯を補うことができ、天然の歯と同様に使用可能です。
インプラントオーバーデンチャーよりもさらに噛む力が強くなり、違和感や痛みはほとんどありません。
全部の歯をインプラントにする場合の費用
全部の歯をインプラントにする場合は、自費治療になります。費用は歯科医院ごとに異なりますので、ここでは相場を紹介します。
- インプラントオーバーデンチャー:50万円〜200万円程度
- オールオン4、またはオールオン6( 片顎):250万~350万円程度
インプラント治療は1本あたり35万〜50万円が相場です。そのため、上下顎全てをインプラントにする場合は500万円〜700万円必要になるでしょう。
インプラントオーバーデンチャーやオールオン4(オールオン6)は、全ての歯を1本ずつインプラントにするよりも費用を抑えられることがわかります。
ただし、インプラントの費用以外に治療費用が発生することもあります。骨の量が十分にない場合は、骨造成を行う必要があります。インプラント1本に対して、骨造成の費用がかかります。
骨造成の種類と費用
代表的な骨造成の方法と費用の相場は、次の通りです。
ソケットリフト
上顎の骨の量が足りない時に行う治療です。上顎の臼歯の上方には、上顎洞という空洞があります。
顎の骨に厚みがないと、上顎洞までの距離が近いためインプラントを埋入することができません。ソケットリフトは、上顎洞の空洞の底を持ち上げて骨補填材を入れて骨に厚みを作ります。
費用の相場は、5〜10万円程度です。
サイナスリフト
サイナスリフトも、ソケットリフトと同様に上顎の骨の量が足りない時に行う治療です。上顎洞までの骨が薄く、多くの骨を補う必要がある時に選択する治療法です。
歯茎を切開して上顎洞を露出させ、直接持ち上げて骨補填剤を入れて骨を作ります。
費用の相場は、10~35万円程度です。
GBR法
部位に関係なく、骨の量が足りない様々な場所に応用することができます。骨が不足している部分に自家骨や人工骨、骨補填材を入れて、メンブレンという皮膜で覆って内部の骨の成長を促します。
費用の相場は、5~10万円程度です。
まとめ
全ての歯を失ってインプラントにする場合、総入れ歯で問題になりやすい痛みや違和感を覚えることなく、自分の歯に近い噛み心地を手に入れることができます。
失った歯の数、インプラントを入れる必要はありません。少ない本数のインプラントで、全ての歯を補うことができます。
総入れ歯で食べにくさを感じている方、違和感がありなかなか慣れない方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。
インプラント治療を検討されている方は、長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。
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長崎県諫早市多良見町中里129-14
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