2024/07/12

口腔介護ケア、食品について

こんにちは、長崎県 諌早市 諌早ふじた歯科・矯正歯科です。

 

今回は口腔に関する介護用品のお話です。

 

2000年4月から始まった介護保険制度は今年2024年に至るまで、状況に応じて適切な内容になるよう何度か改正されています。

介護する側の負担を減らしながら、要介護者に自立した生活を送ってもらえるよう常に考えられています。

 

そして同じく、介護用品についても当初に比べて様々な進化を遂げています。

 

口腔ケア用品

 

介護の現場で一番歯科に関わりが多いのが口腔ケア用品です。

普段私達も使用している歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスに加えて、介護者の状態に応じてスポンジブラシ、舌ブラシ、口腔乾燥用スプレーなどを使うと効果的です。

①スポンジブラシ

スポンジブラシは粘膜に付着した汚れを落とすのに適しています。

特に麻痺がある方は麻痺側に食べ物が残ってしまう事があるため、そういう場合にスポンジブラシで粘膜を拭き取ると効果的です。

また、粘膜だけではなく、スポンジの凹凸を利用して歯の清掃にも使えます。歯ブラシは痛いと拒否される方でもスポンジブラシは受け入れてくれる方も多いです。

 

 

 

 

②舌ブラシ

舌ブラシは口腔機能の低下や口腔乾燥しやすい方のケアに使用します。

唾液の分泌が少なく乾燥すると細菌の繁殖が活発になります。

舌の上にもその細菌は溜まりやすく口臭の原因にもなります。

舌ブラシはスポンジ状のものが使用感も優しいので決して強く擦るのではなく、軽く手前に掃くような感じで使うと良いでしょう。

 

③口腔乾燥用スプレー

年齢を重ねたり、薬の服用による唾液の減少で口腔湿潤度が低くなった場合、口腔乾燥用スプレーを使用します。

以前は植物油で代用したり、こまめに水分補給をしてもらう事で対応していました。

今思えば植物油を口の中に塗る不快感、味の不味さ、水分を摂りすぎてトイレの回数が増える、水分で満腹になり食事を摂らない…等、試行錯誤しながらの精一杯の対応でした。

しかし現在は味や使用感も豊富に色々なメーカーから商品化されています。

使用頻度やお好みの味に応じて選ばれると良いでしょう。

 

 

介護食品

 

介護食は噛む力、飲み込む力などの機能低下を補ってくれる食事です。誤嚥や喉への詰まりを防ぐためにも形状がとても大切になります。

また、機能が弱まった方の低栄養を防ぐため、少量でも高栄養が補える食品もあります。

 

以前は噛めなくなった方に対しては刻み食やミキサー食などが提供される事も多かったのですが、スムーズな嚥下を促すにはとろみを加えないと上手く飲み込めません。

刻み食は唾液の分泌が少ない方では口の中で食塊になりにくく、結果気管に詰まらせてしまったりと誤嚥を誘発しやすいと言われています。

また、細かく刻んだ食材が口腔内に残ってしまう場合が多く、口腔内の環境が悪くなる恐れもあることから最近ではあまり使われなくなりました。

また、ミキサーに食材をかけるとドロドロとした見た目になることから、あまり美味しそうに見えない、食べる気がおきない…などの問題もありました。

やはり味と同様、美味しそうな見た目も食事には大切なことです。

 

最近は沢山の食品メーカーから多くのメニューが展開されています。

簡単に噛める、歯ぐきでもつぶせる、舌でつぶせる、噛まなくても食べられる等の色んなニーズにも対応されています。

それぞれに合わせて最適な食品を選ぶ事で、食事を楽しみながら安全に栄養を摂取する事が可能になります。

このように色々な介護食品が豊富になることで介護者の負担も減り、介護を受ける方も楽しく食事をしていただけるのは嬉しいことです。

 

「いくつになっても食事が一番の楽しみ。美味いものを食べている時が一番幸せ」

と、ご高齢の方がよく仰いますが、もしこの先要介護を受けることになったとしても美味しい食事を摂っていただけると良いなと思います。

 

 

長崎県諫早市多良見町中里129-14

医療法人 夢昂会 諫早ふじた歯科・矯正歯科

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