こんにちは 長崎県諫早市多良見町の歯医者 諫早ふじた歯科・矯正歯科です。
目次
今回は『歯周病がもたらす全身への影響について』お話していきます。
歯周病は心臓病や糖尿病、肺炎、骨粗しょう症などの全身にも影響を及ぼします。
歯周病と全身の病気との関連
歯周病は口の中の歯周病菌によって引き起こされる感染症で生活習慣病の一つでもあります。なので、歯周病を予防するには毎日のご自身でのケアや定期的な歯科医院でのメンテナンスだけでなく、生活習慣も改めて見直す必要があります。歯周病は悪化すると歯がグラグラして最後には歯が抜けてしまう病気ですが、歯が抜けるだけではなく進行すると毒素や炎症に関係する物質が生み出され血液中に入って色んな病気に悪影響を及ぼします。例えば、心臓病、糖尿病、肺炎、骨粗しょう症などとの関連があります。また、早産や低体重児の出産のリスクも高くなります。歯周病は自覚症状があまりないので治療が遅れて悪化し、気づいた時には深刻な状態になっていることが多いです。
歯周病と糖尿病
歯周病と糖尿病は相互関係にあります。健康な体では、血液中のブドウ糖が多くなると膵臓がインスリンを分泌します。インスリンは血糖値を一定に保つ働きがありますが、糖尿病になると炎症に関係する物質が増えインスリンの働きを弱めます。歯周病も進行すると炎症に関係する物質が増え、毒素が生み出されます。これらの物質が血液中に入ると、インスリンの働きをますます弱め糖尿病の症状はさらに悪化します。そして糖尿病によって血糖値が高くなると抵抗力が低下し歯周病菌が増殖しやすくなります。このように、歯周病と糖尿病は深い関係にあるので歯周病の治療をしっかりして口の中の状態を改善することで、インスリンの働きを弱める物質が減り、糖尿病の症状も改善されます。
歯周病と喫煙
喫煙を続けている人は非喫煙者に比べて歯周病にかかりやすく悪化しやすいことがわかっています。また、歯周病の治療をしても治りが悪い傾向にあります。その理由は、ニコチンが血管を収縮させ酸素や栄養の供給が不十分になり歯茎が弱る、ニコチンが免疫細胞の働きを抑え抵抗力が落ち傷を治す力が弱まり炎症が起きやすい、ヤニが歯の表面に残って歯垢や歯石がつきやすいなどの理由があります。禁煙することはお口の中だけではなく全身の健康にも関わりがあるので少しずつでも禁煙できるようにしましょう。
歯周病と妊娠
歯周病にかかっている妊婦さんは早産や低体重児出産の確率が高くなると言われています。妊娠中は悪阻などの影響もあり口の中の衛生状態が悪くなりがちです。歯周病菌の中には女性ホルモンを利用して増える菌がいるため歯肉炎を引き起こしやすく妊娠性歯肉炎になりやすいです。歯周病が悪化すると炎症を引き起こす物質が生み出され歯周組織が破壊されこの炎症を引き起こす物質の血中濃度が高くなると胎盤を刺激し陣痛や子宮の収縮が起こり早産を引き起こす可能性があります。妊娠中は特に口の中を清潔に保つことが大切です。
歯周病と肺炎
歯周病と深い関係があるのは誤嚥性肺炎です。誤嚥とは食べ物や異物などが気管に入ることをいいます。本来、食べ物は口から食道を経て胃へ送られますが誤って気道から肺へ食べ物が送り込まれることがあり、その食べ物に歯周病菌などがついているとその菌が原因となって肺炎を引き起こすことがあります。これが誤嚥性肺炎で特にお年寄りや寝たきりの方が多く発症します。口の中の細菌が少ない状態であればリスクを減らすことができるので口の中を清潔に保つために日頃の口腔ケアが大切になります。
歯周病はお口の中だけの病気だと思われている方も多いと思いますが全身とも深い関わりがあります。歯周病の予防には毎日のケアと歯科医院での定期的なメンテナンスが大切です。歯周病を予防し生活習慣を見直して全身の健康を守りましょう。