2024/12/27

唾液の働き知っていますか?

こんにちは 諌早ふじた歯科・矯正歯科です。

私たちが普段何気なく感じている口の中の潤い。この潤いを支えているのが唾液です。唾液は口腔内で常に分泌され、一日に約1~1.5リットルもの量が生成されます。

主成分は水ですが、酵素やミネラル、免疫成分が含まれており、私たちの健康を守るために欠かせない役割を担っています。今回はそんな唾液の働きのついてお話していきます。

 

消化の第一歩を担う

唾液は、食べ物を分解する消化酵素を含んでいます。その中で代表的なものが「アミラーゼ」という酵素です。この酵素は炭水化物(デンプン)を分解し、糖質に変える働きをします。

たとえば、ご飯やパンを良く噛むと、甘みを感じることがありますが、これはアミラーゼが働いて糖質を生成しているためです。

また、唾液は食べ物を湿らせ、口の中で飲み込みやすい状態にします。この浸潤作用のおかげで、スムーズに食道へ送り込むことができます。

 

口腔内の保護と洗浄

唾液には、口腔内を清潔に保つ洗浄作用があります。食事の後、唾液は口の中の食べかすや細菌を洗い流し、虫歯や歯周病の原因となるプラークの形成を抑えます。

唾液が不足すると、この洗浄機能が低下し、口腔内に細菌が増殖しやすくなるため、虫歯や口臭のリスクが高まります。

さらに、唾液に含まれる抗菌物質(リゾチーム、ラクトフェリンなど)は、細菌やウイルスの増殖を抑える働きを持っています。

この免疫作用により、口腔内だけでなく全身の健康もサポートされています。

 

酸を中和し歯を守る

私たちが食事をすると、口のなかは一時的に酸性に傾きます。この酸性環境は歯のエナメル質を溶かし、虫歯の原因となります。

唾液には、緩衝作用と呼ばれる酸を中和する働きがあり、口腔内のPHを中性に戻します。この機能があるおかげで、歯は酸性の攻撃から守られています。

また、唾液にはカルシウムやリンといったミネラル成分が含まれており、これらが歯の表面に取り込まれることで、再石灰化が起こります。

再石灰化は、酸によって一部溶けたエナメル質を修復する自然治癒のようなもので、歯の健康を維持するために非常に重要です。

 虫歯

 

味覚を支える

唾液は味覚にも深く関係しています。味覚を感じるには、食べものが唾液に溶けて味蕾(舌の味覚センサー)に届く必要があります。

唾液が不足すると味覚が鈍くなり、食事の楽しさが半減してしまうこともあります。

 

ドライマウスの影響

唾液の分泌が低下すると、ドライマウス(口腔乾燥症)という状態になります。ドライマウスは加齢やストレス、薬剤の副作用などが原因で発生することが多いです。

この状態では以下のような影響が現れます。

・口腔内の粘膜が乾燥し、痛みや炎症が起きやすくなる

・虫歯や歯周病のリスクが増加する

・話しづらさや食べ物を飲み込みにくくなる

・味覚が低下する

・口臭が悪化する

ドライマウスは放置すると口腔内の健康だけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、早めの対応が必要です。

 

唾液を健康に保つための習慣

唾液の分泌を正常に保つことは、口腔内の健康を維持する上で非常に重要です。

以下のような生活習慣を取り入れることで、唾液の働きを最大限に生かすことできます。

・よく噛む 食事中しっかり噛むことで唾液腺が刺激され、分泌量が増加します。

・水分をとる 唾液の主成分は水分です。十分な水分補給を行うことで、唾液分泌をサポートできます。

・キシリトールガムを噛む ガムを噛むことで、唾液腺を刺激するだけでなく、むし歯予防にも役立ちます。

・規則正しい生活を送る ストレスや疲労は唾液の分泌を低下させる要因となるため、規則正しい生活を心がけましょう。

・医師や歯科医師に相談する ドライマウスが続く場合は、専門家のアドバイスを受けることが重要です。唾液腺マッサージや処方箋の利用が役立つ場合もあります。

 

 

唾液は、私たちの健康を守るための多機能な体液であり、食べ物の消化、口腔内の保護、歯の再石灰化、味覚のサポートなど、さまざまな働きを担っています。

また、唾液の分泌が不足すると、むし歯や歯周病などのリスクを高め、日々の生活の中で唾液の健康を意識することが大切です。

唾液を意識的に増やす工夫を取り入れ、健康的な口腔環境を維持しましょう。