こんにちは。長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」です。
アバットメントとは、インプラント治療において人工歯根と上部構造をつなぐための部品のことです。「どのような役割を果たす部品なの?」と疑問に思う方は多いでしょう。また、アバットメントにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴も異なります。
今回は、アバットメントの役割や種類、使用するタイミング、選び方などについて詳しく解説していきます。インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次 [hide]
インプラントのアバットメントとは
インプラントは、人工歯根(インプラント体)・アバットメント・上部構造の3つの部位から成ります。人工歯根とは顎の骨に埋め込む部品のことで、上部構造とは被せ物を指します。アバットメントとは、この2つの部品を連結させるパーツのことです。
上部に人工歯を被せてネジで固定するスクリュー型と、被せ物と一体化したセメント型の2種類があります。
インプラントのアバットメントの役割
アバットメントは、インプラント治療において重要な役割を担っています。ここでは、アバットメントの5つの役割について解説します。
人工歯とインプラント体を連結する
アバットメントは、人工歯とインプラント体を連結する役割を担っています。アバットメントの存在により、双方の距離を調整することが可能です。
なお、上部に人工歯を被せてネジで固定するスクリュー型の場合、ドライバーを使って取り外しができます。そのため、人工歯が破損しても簡単に交換できるという利点があります。
噛み合わせを調整する
インプラント治療では、歯を補うだけでなく患者さま一人ひとりに合った噛み合わせに調整することも重要です。アバットメントがあることにより人工歯根の高さを調整できるため、噛み合わせの調整が可能です。
特に、スクリュー型は噛み合わせを細かく調整できます。
インプラント体を保護する
アバットメントには、インプラント体を保護する役割もあります。被せ物の下にアバットメントがあることによってクッションの役割を果たし、インプラント体の破損を防止できます。
ただし、あまりに硬いものを噛んだ場合や強い衝撃を受けた場合には、破損する可能性があるため注意しましょう。
人工歯の傾きを調整する
インプラント体は、歯ぐきを切開して顎の骨に穴を空けて埋入しますが、骨の状態によっては真っすぐに埋め込むことができません。その状態で人工歯を被せれば、当然傾いた状態になります。
しかし、アバットメントの傾きを調整すれば、人工歯の傾きを整えることが可能です。
インプラント体を目立ちにくくする
アバットメントは、インプラント体を目立ちにくくする役割も担っています。インプラント体自体は金属でできているため銀色をしています。そのため、何らかのトラブルによってインプラント体がむき出しになると審美性が損なわれるのです。
しかし、アバットメントはインプラント体を隠すように取り付けるため、インプラント体を目立ちにくくすることができます。
インプラントのアバットメントの種類
アバットメントの主な種類には、純チタン・チタン合金・金合金・ジルコニアの4種類があります。以下では、それぞれの特徴やメリット・デメリット、費用の目安などについて解説します。
純チタン
純チタンとは、99%程度がチタンでできている素材のことです。生体親和性が高いことや加工がしやすいことなどがメリットとして挙げられます。
一方、チタン合金よりも耐久性や強度、耐食性などが劣るというデメリットがあります。なお、インプラント体が純チタンの場合は、ひずみを生じさせないために純チタンのアバットメントを使用することが一般的です。
費用の目安は歯科医院によって異なりますが、1本あたり3万円程度となります。
チタン合金
チタン合金とは、チタンやアルミニウムなどによって構成された素材です。チタンの特徴である高い強度や耐食性を備えており、他の金属を合わせることで耐久性も向上できます。
また、骨と結合しやすいという特徴があり、歯ぐきにしっかりと密着させて固定することが可能です。
ただし、歯ぐきが下がった際に金属部分が目立ちやすいというデメリットが挙げられます。費用の目安は、1本あたり5万円程度です。
金合金
金合金とは、金や白金を含んだ素材のことで、生体親和性に優れているのが特徴です。また、素材を柔軟に伸ばせる展延性という性質があるため、アバットメントの適合性を高めることにも役立ちます。
ただし、金合金のアバットメントは色が目立ちやすく、費用が高いというデメリットもあります。金合金のアバットメントの費用は使用する金属の種類や使用する量によって異なり、目安は1本あたり5万~13万円程度です。
ジルコニア
ジルコニアは、セラミックの一種で酸化ジルコニウムという素材で作られています。天然の歯に近い白さが特徴で、金属に匹敵する硬さを備えています。
ジルコニアは詰め物や被せ物にも使用される素材ですので、審美性を保てることが大きなメリットといえるでしょう。また、インプラント体とアバットメントの両方をジルコニアにすれば、金属アレルギーの方もインプラント治療が受けられます。
ただし、他の素材に比べて費用が高いことはデメリットといえます。費用の目安は、1本あたり12万~16万円程度です。
インプラントのアバットメントを使用するタイミング
アバットメントを装着するタイミングは、手術の方法によって異なります。まず、インプラント治療には、歯ぐきを1回だけ切開する1回法と、歯ぐきを2回切開する2回法があります。
1回法の場合、インプラント体の埋入から1か月程度でアバットメントを装着することが一般的です。2回法では、インプラント体を埋入してから3~4か月程度の期間を置いてからアバットメントを装着します。
数か月待機期間を設けるのは、人工歯根と顎の骨がしっかりと結合するのを確認するためです。当院では、平均して2~3か月程度の待機期間となります。
インプラントのアバットメントの選び方
では、自分に合ったアバットメントはどのように選べばよいのでしょうか。ここでは、アバットメントを選ぶ際のポイントについて解説します。
素材の種類や特性を理解する
先にも述べた通り、アバットメントの素材には複数の種類があります。それぞれ特徴やメリット・デメリットがありますので、理解したうえで自分にあったものを選ぶことが大切です。
例えば、生体親和性や耐久性を重視する場合には、チタン合金のアバットメントが良いでしょう。目立ちにくさを重視したい方は、ジルコニアを選ぶ傾向があります。
なお、金属アレルギーの方が金属製のパーツを選択すると、顎の骨と人工歯根が結合せずにインプラントが抜け落ちるリスクがあります。金属アレルギーのある方は事前に歯科医師に伝え、適切な素材を選ぶことが大切です。
既製とカスタム
アバットメントには、既製品とカスタムタイプの2種類があります。既製品とはいっても、さまざまな形状や高さのものが用意されているため、基本的には既製アバットメントで対応が可能です。
しかし、高い審美性が求められる場合や既製品では対応できない場合には、カスタムアバットメントを使用します。例えば、インプラント体に対する角度の調整が難しい場合などです。
この場合、ジルコニアやチタンをCAD/CAMで削り出したり、金合金を鋳造したりして作成します。
歯科医師と十分に相談する
ここまでアバットメントの種類や特徴について解説しましたが、患者さまの口腔内の状態やニーズによって選択すべき種類は異なります。アバットメントの役割や種類について理解したうえで歯科医師と十分に相談し、納得できるものを選択する必要があるでしょう。
また、アバットメントの種類や歯科医院によっても費用が異なりますので、まずは予算を明確にすることも大切です。そのうえで、複数の歯科医院で見積りを取るのも方法のひとつです。
まとめ
アバットメントは、インプラント体と上部構造を連結するための部品です。噛み合わせの調整やインプラント体の保護、審美性などにも重要な役割を果たすものですので、素材の特徴やメリット・デメリットを理解したうえで選ぶことが大切です。
「どのようなアバットメントを選べばよいか知りたい」「アバットメントの種類や費用が知りたい」という方は、お気軽にお問い合わせください。
インプラント治療を検討されている方は、長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。
—————
長崎県諫早市多良見町中里129-14
医療法人 夢昂会 諫早ふじた歯科・矯正歯科
電話番号 0957-43-2212
—————-