2025/06/18

前歯のインプラントは10年後も使える?長持ちさせる方法も

こんにちは。長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」です。

前歯をインプラントにした模型

前歯へのインプラント治療は、自然な見た目としっかり噛める機能を取り戻せるため有効です。

ただし、10年後も使い続けるには、定期的なメンテナンスと適切な管理が求められます。埋入部の歯ぐきの健康、患者さまの日々のブラッシング習慣が欠かせないでしょう。また、術後の定期的な歯科クリニックでのチェックや生活習慣の見直しが寿命に大きく影響します。

本記事では、前歯に入れたインプラントが10年経った後も安定使用できるのかどうか、長持ちさせるためにはどうすればいいのかを解説します。すでに前歯にインプラントを入れている方はもちろん、これから入れる予定の方も、ぜひ最後までご覧ください。

前歯のインプラントは10年後も使える?

前歯のインプラントは10年後も使えるのか考える女性

前歯に埋入したインプラントは、患者さまご自身と歯科クリニックの双方で適切なお手入れと検診を続ければ、10年後も十分に機能を保つことが可能です。

ただし、お口全体の健康状態が悪化すると、インプラント周囲の骨量や歯ぐきの状態悪化を招きます。顎骨と歯ぐきが不健康になるとインプラントの寿命が縮まるのです。

前歯に埋入したインプラントを長期間使うためには、口内の健康維持が欠かせません。

前歯のインプラントの寿命が短くなる原因

インプラントの寿命が短くなる食いしばりが癖になっている女性

前歯に入れたインプラントの寿命を縮める主な要因は、以下のとおりです。

大きな負荷をかける歯ぎしりと食いしばり

睡眠中や集中時に無意識に行っている歯ぎしりや食いしばりは、インプラントに大きな負荷をかけて割れや亀裂を招きます。天然歯には衝撃を和らげる歯根膜がありますが、インプラントには歯根膜がありません。

このため、力がインプラントから直接骨に伝わってしまいます。就寝時には歯科クリニックで製作できるナイトガードを装着したり、ストレス解消や顔周りの筋肉ほぐし運動を習慣化したりするのが効果的です。

たばこに含まれている成分

たばこに含まれるニコチンは血管を収縮させ、歯ぐきへの血流を妨げます。その結果、唾液の分泌量も減少し、口内を清潔に保ちにくくなります。このため、細菌が繁殖しやすい環境になります。

骨と歯ぐきを蝕むインプラント周囲炎

インプラント周囲の歯ぐきに炎症が起こるインプラント周囲炎は、天然歯の歯周病と同様に進行すると骨を溶かします。インプラント周囲炎を放置していると、インプラントの脱落につながります。

インプラント周囲炎は痛みを感じにくく、自覚症状が現れた時には重症化していることも珍しくありません。そのため、日常的に正しいブラッシングを実践して予防しましょう。

歯科クリニックで専用の器具によるクリーニングと歯ぐき検査を定期的に受けることも欠かせません。

かみ合わせの変化が与える負担

インプラントそのものに問題がなくても、周囲の歯が虫歯や歯周病でダメージを受けることもあります。周囲の歯にトラブルが起こると、かみ合わせが乱れて一定の箇所だけに過度な力がかかるのです。

インプラントが入っている前歯部分だけではなく、他の歯も含めた全体的な口内環境のチェックが不可欠です。

前歯のインプラントを長持ちさせるためには

前歯のインプラントを長持ちさせるために歯科医院でケアを受ける女性

インプラントを大切に扱って、長期間使用しましょう。前歯のインプラントを長く使い続けるコツは、以下のとおりです。

定期的に歯科医院でプロのケアを受ける

前歯のインプラントを長期にわたって安定させるには、歯科クリニックでの定期検診が欠かせません。歯科衛生士が専用器具を用いて歯石やバイオフィルムを丁寧に除去し、レントゲンやプローブで顎骨や歯ぐきの状態を詳しく確認します。

初期の炎症や骨吸収の兆候を早期に発見して適切な処置を行うことで、トラブルを未然に防げます。3か月に一度を目安に受診して、インプラントとお口全体の健康を保ちましょう。

毎日のブラッシングで清潔を保つ

インプラントは人工物ですが、その周囲に細菌が蓄積するとインプラント周囲炎を招きかねません。毎日のブラッシングでは、インプラント周囲用のブラシも用意してケアしましょう。

歯ぐきと人工歯の境目までしっかり磨くことが重要です。さらに、フロスや歯間ブラシで歯とインプラントの隙間を清掃し、歯垢の蓄積を抑えましょう。

こうした習慣を続けることで、細菌の繁殖を防いでインプラントを長く安定させられます。

ナイトガードを用いて歯ぎしり対策を行う

就寝中に起こる歯ぎしりや無意識の食いしばりは、インプラントに大きな負荷をかけて人工歯や顎骨を痛めるリスクがあります。天然歯にはクッションとなる歯根膜がありますが、インプラントには歯根膜がありません。このため、ダイレクトに力が伝わります。

オーダーメイドのナイトガード(マウスピース)を装着して歯とインプラントを咬合圧からガードさせましょう。ナイトガードを眠るときに毎日欠かさず使用すると、夜間の負荷を大幅に軽減できます。

日中も軽く口を開ける意識を持つなどして、過度な負荷を回避しましょう。

禁煙で組織の回復力を高める

タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は血管を収縮させ、歯ぐきへの血流を阻害します。その結果、組織の修復力が低下してインプラント周囲炎が進みやすくなります。インプラント治療を検討中の患者さまは、手術前から禁煙を始めるようにしましょう。

また、禁煙は口内の健康だけではなく、体全体の健康状態を向上させられます。禁煙外来や専門家のサポートを利用しながら、無理なく禁煙を継続しましょう。

かみ合わせのバランスを整える

インプラントは顎骨としっかり結合するため、天然歯と同様の噛む力を実現できます。このため、かみ合わせが一部に偏ると、人工歯根や被せ物に過度な負荷が集中します。

負荷が集中した箇所は、インプラントの破損やゆるみが起きる可能性があります。歯列全体のかみ合わせを調整して、左右の力を均等に分散させることで、そのリスクを軽減できます。

また、定期検診時にかみ合わせの微調整を受けることも大切です。違和感があったらすぐに歯科クリニックへ相談しましょう。

失った前歯を補うインプラント以外の治療法

失った前歯を補う入れ歯

失った前歯を補うインプラント以外の治療法は、以下のとおりです。

ブリッジ治療

ブリッジは、失った前歯の両隣にある天然歯を削り、その上に連結した人工歯を被せる方法です。両隣の歯を支えにして固定され、取り外しの手間がなく違和感が少ないことが大きなメリットです。

しかし、支えにする歯は健康であっても削らなければならないため、将来的にその歯の寿命が短くなるリスクがあります。また、支えとなる歯が虫歯や歯周病のリスクを抱えていると、かみ合わせのバランスが崩れやすく、ブリッジ自体にも過度な力がかかります。

入れ歯

部分入れ歯は、失った前歯を補う取り外し可能な装置です。金属のバネで隣の歯に固定するクラスプタイプや、バネを使わず歯ぐきや口蓋に吸着させるタイプがあります。入れ歯の利点は、外科手術不要で治療期間が短く、保険適用で費用を抑えられる点です。

一方で、固定式ではないため食事中や会話中に動いたり外れたりすることがあり、慣れるまでに時間がかかる場合があります。また、前歯部分にバネがかかると審美性が損なわれやすいため、人前に出る機会が多い患者さまは自費の入れ歯を検討すると良いでしょう。

清掃の際は毎回取り外して行う必要があります。手入れを怠ると口腔内の細菌が増えて歯周病のリスクが高まる点にも注意が必要でしょう。

まとめ

適切なケアで前歯のインプラントを長持ちさせる女性

前歯に埋め込んだインプラントは、患者さまと歯科クリニックが毎日のブラッシングと定期検診で管理を続けることで、10年後も安定して機能します。インプラント周囲炎を防ぐブラッシングとプロによるクリーニングを欠かさないことが重要です。

また、かみ合わせの偏りを防ぐために、かみ合わせ調整を受けて力を均等に分散させてください。丁寧なメンテナンスで、前歯に入れたインプラントを長持ちさせましょう。

インプラント治療を検討されている方は、長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。

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