2026/05/25

サイナスリフトとは?上顎インプラントに必要な理由

諫早市で信頼される歯科医療を。こんにちは、諫早ふじた歯科・矯正歯科です。

「インプラントを希望しているのに、骨が足りないと言われてしまった……」「サイナスリフトという処置が必要と聞いたけれど、一体どんな手術なの?」と戸惑っている方は少なくありません。上顎の奥歯へのインプラント治療を検討する際に、このサイナスリフトという言葉を耳にすることがあります。今回は、サイナスリフトとは何か・なぜ必要なのかを、図解をイメージしながらわかりやすく解説します。


サイナスリフトとは?基本をわかりやすく解説

**サイナスリフト(Sinus Lift)**とは、上顎の奥歯にインプラントを埋入するために、**不足している骨の量を増やす手術(骨造成手術)**のひとつです。

まず、少し解剖のお話をします。私たちの顔の骨の中には、**上顎洞(じょうがくどう)**と呼ばれる空洞があります。これは鼻の左右に広がる空洞で、「副鼻腔(ふくびくう)」のひとつです。上顎の奥歯の根は、この上顎洞の底部に近い位置にあります。

歯を失った後、顎の骨は少しずつ吸収されて薄くなっていきます(骨吸収)。上顎の奥歯部分では、骨が薄くなると上顎洞との距離がさらに縮まり、インプラントを埋入するための骨の高さが足りない状態になることがあります。

サイナスリフトはこの問題を解決するための手術で、上顎洞の底部(洞底)を持ち上げ(リフトアップし)、そこに骨補填材(自家骨や人工骨)を填入して新しい骨を造成する処置です。骨が十分に再生された後にインプラントを埋入することで、安全で安定した治療が可能になります。

当院では、サイナスリフトが必要かどうかを歯科用CTによる精密検査で事前に確認し、患者さまに丁寧にご説明したうえで治療計画を立てています。


なぜ上顎の奥歯はインプラントが難しいのか

上顎の奥歯部分が、インプラント治療において特に難しい部位とされる理由を詳しく見ていきましょう。

上顎洞が近い構造的な問題

上顎の奥歯(大臼歯・小臼歯)の根は、健康な状態でも上顎洞の底部と非常に近い位置にあります。歯を失い骨が吸収されると、上顎洞との距離はさらに縮まり、インプラントを埋入するための骨の高さ(残存骨高)が不十分になるケースが多く見られます。

インプラントに必要な骨の高さの目安

一般的にインプラントを安全に埋入するには、最低でも8〜10mm程度の骨の高さが必要とされています。上顎の奥歯部分でこれを満たせない場合、そのままではインプラントが上顎洞に突き抜けてしまうリスクがあります。

骨の質の問題

上顎の骨は下顎に比べて骨密度が低く、やわらかい骨質であることが多いとされています。骨密度が低いと、インプラントと骨が結合(オッセオインテグレーション:インプラント体と骨が一体化するプロセス)しにくくなるリスクがあります。

歯を失ってからの経過時間

歯を失ってから時間が経つほど骨吸収は進みます。特に上顎の奥歯は骨が吸収されやすいため、「また時間ができたら治療しよう」と先延ばしにするほど、必要な骨造成の規模が大きくなる可能性があります。


サイナスリフトの2つの術式

サイナスリフトには大きく分けて2つの方法があります。骨の残存量や状態によって、最適な術式が選択されます。

① ラテラルウィンドウ法(側方アプローチ法)

骨の残存高が5mm未満の場合に主に選択される、より大規模な骨造成方法です。

歯茎を切開して上顎の側面(頬側)の骨に小さな窓(ウィンドウ)を開け、その窓から上顎洞の底部の粘膜(シュナイダー膜:上顎洞を覆う薄い膜)を丁寧に持ち上げます。持ち上げてできたスペースに骨補填材を充填し、骨が再生されるのを待ちます。

項目内容
適応残存骨高が5mm未満
切開部位歯茎〜頬側の骨
骨造成量多め(大きなスペースを確保可能)
治癒期間6〜9ヶ月程度(インプラント埋入前)
特徴高い骨造成効果・高度な技術が必要

② オステオトーム法(歯槽頂アプローチ法)

骨の残存高が5〜8mm程度ある場合に選択される、比較的侵襲(身体への負担)が少ない方法です。

インプラントを埋入する予定の位置から、専用の器具(オステオトーム)を使って上顎洞底を内側から少しずつ持ち上げます。切開の範囲が小さく、術後の腫れや痛みが少ない傾向があります。条件が整えば、インプラント埋入と同時に行うことも可能です。

項目内容
適応残存骨高が5〜8mm程度
切開部位インプラント埋入部位のみ
骨造成量少〜中程度
治癒期間同時埋入が可能なケースもあり
特徴低侵襲・回復が早い傾向

どちらの方法が適しているかは、CT検査による骨の量・質・形の評価をもとに判断します。当院では患者さまの状態に合わせた最適な術式をご提案しています。


サイナスリフトの治療の流れ

サイナスリフトを含むインプラント治療は、複数のステップを経て進みます。全体の流れを把握しておくことで、治療への理解と安心感が深まります。

STEP 1|精密検査・診断

歯科用CTで上顎洞の形態・位置・骨の残存量を三次元的に確認します。同時に、シュナイダー膜の状態や上顎洞内の炎症(副鼻腔炎)の有無もチェックします。副鼻腔炎がある場合は、先に耳鼻科での治療が必要になることがあります。

STEP 2|治療計画の説明・同意

検査結果をもとに、必要な術式・治療期間・費用の見通しをご説明します。疑問点はこの段階でしっかりご確認ください。

STEP 3|サイナスリフト手術

局所麻酔のもとで手術を行います。ラテラルウィンドウ法の場合は歯茎を切開し、骨に小窓を作成後、シュナイダー膜を慎重に剥離・挙上します。続いて骨補填材(自家骨・人工骨・または混合)を充填し、必要に応じて骨再生を促す膜(メンブレン)を設置してから縫合します。

STEP 4|骨造成の治癒待機期間

骨補填材が新しい骨に置き換わるまで、6〜9ヶ月程度の待機期間が必要です(術式や個人差によって異なります)。この間も定期的に来院して経過を確認します。

STEP 5|インプラント埋入

十分な骨の再生が確認できたら、インプラント体を埋入します。オステオトーム法の場合は、サイナスリフトとインプラント埋入を同日に行えるケースもあります。

STEP 6|骨結合の待機・最終被せ物の装着

インプラントと骨の結合を確認後、最終的な人工歯(上部構造)を装着して治療完了です。

STEP 7|定期メンテナンス

治療完了後も、3〜6ヶ月ごとの定期メンテナンスでインプラントの状態を継続的に管理します。


サイナスリフトにかかる費用の目安

サイナスリフトはインプラント治療の基本費用とは別に費用が発生します。当院の費用体系と一般的な相場を確認しておきましょう。

項目費用の目安
インプラント基本治療(1本)484,000円(税込・CTシミュレーション含む)
サイナスリフト(ラテラルウィンドウ法)約10万〜25万円程度
サイナスリフト(オステオトーム法)約5万〜10万円程度
骨補填材・メンブレン料術式・使用量により変動

費用は骨造成の規模・使用する骨補填材の種類・手術の複雑さによって異なります。当院では事前に詳細な費用の見通しをご説明し、ご同意いただいてから治療を進めますのでご安心ください。

また、インプラント治療(サイナスリフトを含む)は医療費控除の対象となります。年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告によって税金の一部が還付されます。領収書は大切に保管しておきましょう。費用のご不安がある方には**デンタルローン(分割払い)**もご案内できます。


サイナスリフトを受ける前に知っておきたいこと

手術を検討する前に、いくつか確認しておきたいポイントをまとめます。

副鼻腔炎(蓄膿症)がある場合は先に治療が必要

上顎洞内に炎症がある状態でサイナスリフトを行うと、感染リスクが高まります。慢性的な鼻づまりや蓄膿症がある方は、事前に耳鼻科での治療が必要になる場合があります。CT検査で上顎洞の状態を確認することで、問題の有無を把握できます。

喫煙は骨造成の大敵

喫煙は血流を妨げ、骨の再生を遅らせます。サイナスリフトを含むインプラント治療を受ける場合は、治療前後の禁煙が成功率を高めるうえで非常に重要です。

治療期間が長くなることへの理解

ラテラルウィンドウ法では、骨造成後にインプラント埋入まで6〜9ヶ月程度の待機期間が生じます。トータルの治療期間が1年以上になることもありますが、十分な骨を確保してからインプラントを埋入することで、長期的な安定と成功につながります

経験豊富な歯科医師のもとで受けることが重要

サイナスリフトはシュナイダー膜の穿孔(破れ)リスクを伴う精密な手術です。豊富な経験と高度な技術を持つ歯科医師のもとで受けることが、安全性を確保するうえで欠かせません。当院では、CTシミュレーションによる精密な術前計画のもと、安全を最優先にした手術を行っています。


まとめ

サイナスリフトは、上顎奥歯のインプラント治療において骨量が不足している方に必要な骨造成手術です。上顎洞底を持ち上げて骨補填材を填入し、新しい骨を育てることで、安定したインプラント治療の土台を作ります。骨の残存量によって術式(ラテラルウィンドウ法・オステオトーム法)が選択され、それぞれに治療期間や費用が異なります。

「骨が足りないと言われたからインプラントは無理」ということはありません。サイナスリフトという選択肢があることで、これまで諦めていた方にも治療の扉が開けます。諫早でインプラントをお考えの方は、まずは精密検査とカウンセリングにお越しください。あなたの状態に合った最善のプランを、丁寧にご提案いたします。


諫早ふじた歯科・矯正歯科で、まずは相談を

「サイナスリフトが自分に必要かどうか、具体的に知りたい」 「費用や期間について相談したい」

そんな不安をお持ちの方は、ぜひ当院のカウンセリングをご利用ください。無理な勧誘は一切ありません。納得のいくまで丁寧にご説明させていただきます。

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