根管治療は根の治療、歯の神経の治療です

「虫歯でかなり痛みがある。歯医者に行ったら神経の治療が必要ですと言われました。
かなり深いものらしく治療の回数がたくさんかかりそうで本当に治療が必要なのか迷っている」
「重度の虫歯になってしまい抜歯が必要と言われた。何とかして歯は残さないものか諦めきれない。」

こういった悩みを抱えている患者様はかなりいらっしゃいます。
インプラントや入れ歯などの治療も非常に進歩していますが、とはいえ天然の歯を残すことに勝つ方法ではありません。

根管治療は専門的な知識と経験と技術を兼ね備えた医師が診療にあたっています。
どうにかして天然の歯を残したい方、治療にあたって負担を和らげたい方は是非当院までご相談下さい。

根管治療の方法

根管とは歯の根の中の神経の治療をいいます。
虫歯が重度になってしまい、虫歯の細菌が歯の神経にまで達してしまうと

とても痛い、ひどくしみる

何もしなくても痛い

歯が痺れてくる

腫れる

といった症状は出てきます。
そのようなことになってしまった場合そのまま放置して治ることは ありません。
そのような場合には根管治療を行い、痛みを取ると同時に長期的にしっかりと噛めるような治療を行います。

根管治療の流れ

STEP1

レントゲンやCTでどの歯が痛みやしびれの原因か、根管治療が本当に必要か、治療で治るかを診断

STEP2

詰め物・被せ物や虫歯を除去

STEP3

歯の神経の入り口の形を整える

STEP4

歯の神経の道筋を掃除

STEP5

掃除が終わり、痛みが取れたら根の中をゴム系の材料で封鎖

STEP6

虫歯で無くなった部分の土台を作り、被せ物をする

治療回数

根管治療は一度では終わらず、前歯の場合で2回から3回、奥歯の場合だと3回から4回程度の治療回数が必要です。
これは最小限の回数で痛みが長引いてる場合や他に治療が必要な場合もっと回数がかかります。

それに加えて根管治療した歯は誰が履けないように被せものをする必要性があります。
これが平均で3回程度。

ここまでを一区切りとすれば平均で5回から8回程度の使用回数がかかることになります。
一週間に1度治療すれば、2ヶ月かかる計算になります。

また根管治療が必要な歯が2本3本と複数ある場合は、その本数分の回数がかかるので根管治療は他の歯科治療に比べて非常に回数が必要なのです。

長崎 諫早市 諫早ふじた歯科・矯正歯科 根管治療 治療回数

時間と技術が必要な治療

治療の流れでもご説明しましたが根管治療は細い歯の中の神経を探し出してそれを掃除ししっかりと封鎖するという治療です。
細かい作業になるのでミリ単位の精度が求められます。

また歯根の中に唾液や細菌が入り込まないようにすることも非常に大事です。
治療に2時間かかることもあります。

患者様も大変ですが、歯科医としても経験と技術が必要な腕の見せ所でもあります。
しかし残念ながら、 諸外国に比べて根管治療の治療費はあまりに安く、 治療の難易度は高いといった現状があります。

そのためしっかりした根管治療ができている歯医者は非常に少ないというのが現実です。

長崎 諫早市 諫早ふじた歯科・矯正歯科 根管治療 時間と技術が必要な治療


すべての場合に治療が成功するわけではない

どんな歯でも残したほうがいいわけではない

あるテレビ番組で「どんな歯でも残すことができるのがいい歯医者」という特集を見たことがあります。
これは絶対的に間違いです。

非常に重度の歯周病や虫歯になってしまった場合、歯を残すよりも綺麗に抜歯をして、残せない理由を患者様に理解していただくのが正しい方法です。
根管治療は非常に魅力的な方法ではありますが、万能ではありません。

どうしても天然の歯を残すことができない場合には、根管治療ではなく他の方法を選んで頂くことがあります。
下記のような場合には基本的に根管治療をお断りさせていただいております。
根の治療を何度も繰り返している歯の場合
虫歯が深くて歯茎の下に及んでいる歯の場合
どうしても唾液が入り込んでしまう奥歯の場合
残っている根の厚みが虫歯で薄くなってしまった歯の場合
何度も腫れや痛みが続いた歯の場合
根にヒビが入っている歯、割れている歯の場合
歯周病が非常に進んでいる歯の場合


根管治療をして歯の保存が可能かどうか、成功率はどのくらいなのかは詳しい診断をした上でのご説明ご相談となります。

外科手術という奥の手

根管治療が難しい場合でも、いくつかの条件が整えば外科手術で天然の歯を残すことができる場合もあります。
いずれかの方法で歯を残すことが可能な場合があります。

歯根端切除

歯根の外側の歯茎に切開をして、炎症のある根の先の部分を切除する処置です。
切開した部分は縫い合わせればふさがります。

意図的再植

一度歯を抜いてから、炎症のある根の先の部分を切除して、歯を再度口の中に戻して接着で固定する処置です。
一ヶ月で歯は骨にくっつくので、その後はかぶせ直しができます。

患者さんへのお願い

昨今は根管治療のご希望で来院される患者様も多くなってきました。
当院では基本的に保険の範囲内で根管処置を行っています。

ただし保険医療制度の下では、切り詰めた時間の中で処置を行わざるをえません。
患者さんのお話をじっくりと聞いて、なおかつ説明に十分な時間を割くことは現場では難しいのです。

治療の持ち時間がなくなって、治療は何もできないということになります。
最小限のお話のやりとりで治療に移ることをご了解ください。

もしじっくりとお話をしてから治療を進めたいという方の場合には、自費の根管治療をご検討ください。



根管治療(根の治療・神経の治療)Q&A

根管治療とはどんな治療ですか?

根管治療は、虫歯が進行して歯の神経(歯髄)に達したときに行う治療です。神経を取り除き、歯の根の中(根管)を洗浄・消毒して、再感染を防ぐために薬剤で封鎖します。歯を抜かずに残すための最終手段ともいえる重要な治療で、適切に行えば歯の寿命を延ばすことができます。

根管治療はなぜ何回も通う必要があるのですか?

根の中は複雑で細菌が残りやすいため、完全に清潔にするには複数回の洗浄・消毒が必要です。1回で終わることもありますが、感染の程度や根管の形によっては数回の通院が必要です。また、根管の内部は目に見えないため、繰り返し丁寧に処置することで再発のリスクを抑えます。

根管治療は痛いですか?

治療は麻酔を使って行うため、処置中の痛みはほとんどありません。ただし、治療後に一時的な鈍い痛みや違和感が出ることがあります。これは治療による刺激や、炎症の回復過程によるものです。通常は数日で治まりますが、痛みが強い場合は歯科医に相談しましょう。

根管治療後の歯は元通りに使えますか?

根管治療を適切に受ければ、歯は通常通りに機能させることが可能です。ただし、神経を取った歯は脆くなりやすく、強い噛み合わせに耐えられないことがあります。そのため、多くの場合は被せ物(クラウン)で補強し、長持ちさせる処置が必要です。見た目も自然に仕上げられます。

根管治療を途中でやめるとどうなりますか?

治療を中断すると、根の中に残った細菌が再び増殖し、歯の内部に膿がたまって激しい痛みや腫れ、最悪の場合は歯を失う原因になります。また、菌が顎の骨や他の歯にも悪影響を与える可能性があります。通院は面倒でも、最後まで治療を受けることがとても大切です。

根管治療の後、歯が変色することはありますか?

神経を取った歯は血流がなくなるため、時間の経過とともに少しずつ色が暗くなっていくことがあります。前歯など目立つ場所の歯には、ホワイトニングや内部漂白、セラミッククラウンによる補綴で、見た目を自然に改善することができます。変色が気になる場合は相談しましょう。

Q7: 根管治療の成功率は高いのですか?

適切な処置が行われた場合、根管治療の成功率は約80〜90%とされています。ただし、根の形が複雑な場合や、感染が深い場合は再発のリスクが上がります。マイクロスコープなどの精密機器を使った治療を受けると、成功率がさらに高まるとされています。技術力の高い医院を選ぶのもポイントです。

マイクロスコープを使った根管治療とは?

マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使うことで、肉眼では見えない根管の細部まで確認しながら精密な処置が可能になります。これにより感染源の取り残しを防ぎ、治療の成功率が向上します。保険適用外となる場合が多いですが、難しい症例や再治療には特に有効な手段です。

根管治療が終わったらすぐに食事できますか?

麻酔が完全に切れてからであれば食事は可能ですが、治療した歯は仮の詰め物で保護されていることが多いため、なるべく反対側で噛むようにしましょう。硬いものや粘着性のある食品は避け、仮封が外れないよう注意が必要です。正式な被せ物が入るまでは慎重に扱うのが基本です。

再治療が必要になることはありますか?

はい、一度根管治療を行った歯でも、数年後に再感染することがあります。これは根の中に残った細菌や、新たな虫歯から感染が広がる場合です。再治療には、古い詰め物を取り除いて再度洗浄・消毒する必要があり、通常よりも難易度が高くなります。早期発見が再治療成功のカギです。