在宅での口腔ケアについて
諫早の歯医者 諫早ふじた歯科・矯正歯科です。
私たちは、訪問診療が必要な患者さんのもとへ出向いて口腔ケアや治療を行っていますが、健康な身体を保つためには毎日のご自宅での口腔清掃がとても重要です。
今回は、在宅での患者さんご自身やご家族による口腔清掃についてお話します。
口の中には多くの細菌が存在しています。しっかり歯磨きをしている人でも1000億個、ほとんど磨かない人では1兆個もの細菌が存在することがわかっています。口の中の細菌は、唾液によって洗い流されますが、加齢によって唾液が減ることでさらに細菌が定着しやすくなります。免疫が下がると口の中の細菌が増殖し、血管障害、心臓病、糖尿病などの全身の病気に繋がることがあります。また、飲み込みの低下により誤って肺に入り込んだ場合は、誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。日々の口腔清掃を行いお口の中を清潔に保つことで、これらの病気のリスクを減らすことができます
①水もしくはうがい薬に浸したスポンジで歯や舌などの粘膜に残った食べかすを擦り取ります。
口に水を含ませるときは座った状態か、寝た状態であれば顔を横に向けて誤嚥を防ぎましょう。
誤嚥が心配であれば、水ではなく口腔ケア用のジェルを使って汚れをからめとることも効果的です。
②舌ブラシで舌の奥から手前へ10回程度軽く擦り、舌のよごれをすり取ります。
③歯ブラシで磨きます。このとき、磨き残しがないように順番を決めて磨きましょう。
④うがい
~口腔乾燥が強い方は~
お口の中が乾燥している方は、舌や粘膜の汚れを無理に取ろうとすると痛みや出血を起こしてしまうことがあります。
お口の中をジェルで濡らしてから清掃するか、無理に触らず歯科医師に相談してください。
【入れ歯の清掃について】
入れ歯を装着したまま外さずに清掃しなかったり、入れ歯をはずしても水洗いだけで済ませてしまっていることが多々あります。
こういった場合、入れ歯や粘膜に汚れや細菌がこびりつき全身疾患の原因にも繋がります。
また、入れ歯が原因の口内炎も起こりやすくなります。これを防ぐためにも入れ歯専用ブラシと入れ歯洗浄剤を用いて入れ歯をきれいに保つ必要があります。
食後は入れ歯をはずして義歯ブラシで洗いましょう。また、お口の中の粘膜を休ませるためにも就寝時など入れ歯をはずす時間を確保しましょう。入れ歯をはずす際は、乾燥すると変形してしまうので必ず義歯洗浄剤につけましょう。
お口の中を清潔に保つことで、食事がおいしく食べられるようになり、乾燥が軽減することで話すこともスムーズになります。口腔清掃は健康面だけでなく、心理面への影響も大きく、高齢者のQOLを向上させ、生きる喜びにつながります。ぜひ習慣化していきましょう。