こんにちは、長崎県諫早市多良見町 諫早ふじた歯科・矯正歯科です
先日患者様からこんな質問を受けました。
「タバコを吸うと歯周病になりますか?」
結論から言うと、関係します!
今回は「タバコと歯周病の関係」についてお話したいと思います。
タバコにはニコチン・タール・一酸化炭素をはじめ400種類以上の有害物質が含まれています。
目次
タバコは体にどのような影響を与えるのでしょうか?
ニコチン
ニコチンは、タバコの葉っぱに含まれる毒性の強い物質のことです。タバコを吸うとニコチンの影響により血管は収縮し、歯肉の隅々まできちんと栄養が行き渡らなくなってしまいます。煙を吸い込むだけでなく皮膚からも体内に吸収されるため、タバコを吸わない人にも影響が及びます。
タール
タールは、タバコの葉っぱが燃える際に発生する黒褐色の液体のことで、歯の表面に付着する「ヤニ」を示します。粘質性が高く、水にほとんど溶けないため、歯面や、気管支、肺などに沈着すると、体外に排出されにくくなります。
一酸化炭素
タバコの葉っぱが燃える際、酸素不足により不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生します。一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結合しやすい性質のため、急激に摂取した場合、血液が十分な酸素を運搬することができなくなって酸欠状態に陥ります。
歯周病とはどんな関係があるでしょうか?
歯周病はお口の中の細菌感染が原因で発症します。
ニコチンやその他の有害物質が体内に取り込まれると、免疫力が低下し、細菌感染による炎症が起こりやすくなります。
また、ニコチンの血管収縮作用やタバコの煙に含まれる一酸化炭素により、歯肉組織は酸素が欠乏した状態になり、酸素を嫌う歯周病菌にとって居心地の良い環境になります。=菌が繁殖しやすくなります。
歯周病菌は酸素が嫌いなので、どんどん歯周ポケットの中に入り込むことで骨を溶かして進行してしまいます。
つまり、タバコが歯周病を進行させる手助けをしてしまうことになるのです。
さらに、それだけではなく喫煙していると血管が収縮するため、歯周病になっても歯肉からの出血が少ないので、多くの方が発見が遅れてしまい、重症化しやすい傾向にあるのです。
禁煙を行うとどのような効果があるのでしょうか?
禁煙することで身体の中で一番最初に効果が現れるのが「口腔内」と言われています。
タバコをやめた直後から血流量が増えて歯周病の炎症と戦おうとします。
また、禁煙することで、徐々に健康な歯肉の状態に戻ることが研究の結果で明らかになっています。
このことからも、たばこは歯周病とは大きく関連していることが分かります。
歯周病を予防するためにも、また全身の健康を守るためにも、タバコは控えた方がいいようですね。
いきなり禁煙は難しいかもしれませんが、減煙するところから始めてみてはいかがでしょうか?