むし歯治療
今より数十年前。1970年代、日本はむし歯洪水時代と言われていました。
まずはこのグラフを見てください。
平成28年度学校保健統計調査(文部科学省)
戦後、食料事情の改善や西洋化によりむし歯がどんどん増えていきました。
1970年代をピークに治療環境の整備が進み、予防に対する意識の高まりもあり、むし歯はみるみるうちに減少していきました。
12歳児におけるむし歯の平均本数は0.9本(平成27年の学校保健統計調査より)となり、むし歯に対する考え方は早期発見・早期治療の時代から、そもそもむし歯をつくらない予防の時代へシフトしています。
むし歯ができても小さなうちに治療すればいいのでは?と思われる方もいらっしゃると思います。それでは、なぜむし歯をつくらない方が良いか「歯の一生」を見ながら説明していきたいと思います。
まず、ここに健康な歯があります。 むし歯というのも、なりにくい部位となりやすい部位があります。年齢や歯の種類などによっても変わってきますが、一般に歯の溝(噛みあわせの部分)や歯と歯の間に出来やすいです。
さて、それでは歯の溝と歯と歯の間にむし歯ができたとします。一般的にはむし歯をしっかり取りきり、型取りをしてこうのような銀の詰め物(銀歯)が入ります。
普段何気なく口に食べ物や飲み物を運んでいると思いますが、お口の中というのは熱いものが入る時もあれば、冷たいものが入る時もある非常に過酷な環境なのです。
そのような温度差やpHの変動の激しい環境にある銀歯は膨張したり、収縮したり、、、そして接着剤は次第に溶け出してくるのです。
するとどうなるかもうわかりますね?そこからむし歯菌が入り込んで、二次的にむし歯になるのです。
二次的にむし歯になってしまった銀歯はやりかえないといけません。すると、また大きく削りますので銀歯の面積は大きくなるのです。
その銀歯の詰め物の面積がどんどん大きくなるとどうでしょう。今度はむし歯が神経まで蝕んでしまいます。
むし歯菌が神経まで達し、神経を腐らせてしまうと多くの場合神経を取る処置になります。そうなると、構造的に歯の強度が一気に弱くなるので、歯全体をかぶせていくことになります・・・
かぶせたからといって油断はできません。歯の神経をとる際、血管も一緒に除去してしまうため栄養が供給されなくなり、歯の寿命が短くなってしまうのです。そうして、歯は根っこにヒビが入ったり、割れてしまったりと抜歯を余儀なくされるのです・・・
これを繰り返していくと、残りの歯は少なくなってきます。しかし、噛む力は変わらないためその力を残った歯で支えようとします。 入れ歯を入れることで多少軽減はできますが、負担の増えた歯(特に神経のない歯)が悪くなり、抜歯・・・どんどん歯を失ってしまうのです。
と、ここまで一気に説明されると末恐ろしい気持ちになったり、あるいは「そんな簡単にはならないよ」と思う方もいるかもしれません。ただ、実際のところほとんどがこのサイクルをたどるようにして歯を失っているのです。
そのため、我々歯科医療従事者は、このサイクルをいかにして早期に断ち切るか、という風に考えます。口酸っぱく、「メンテナンスに通いましょう」、「歯の神経はなるべく残しましょう」と言ってるいるのはこのためでもあるのです。
当院では月間600名を越える患者様にメンテナンスに通っていただいています。それはこのような歯の一生のサイクルをなるべくたどることなく、口の健康を守り、ひいては全身の健康を享受していただきたい、そのような想いで取り組んでいます。
痛くない歯科治療の追求
歯医者さんといえばむし歯治療、虫歯の治療といえば昔から痛いイメージがありますよね。
痛いから歯医者さんには行きたくない、そうすると虫歯もひどくなる、虫歯が進行すればもちろん治療も大変になります。その上余計に痛みを伴う処置にもなりやすかったり、時間や回数がかかったりしてしまいます。
早く治療をうけていたら簡単な治療で時間も、痛みも伴わずに済むかもしれません。
でも誰だって痛いのは嫌ですね。痛い歯医者さんには行きたくないですよね。
痛いことはストレスになります。ストレスを感じずに治療できたら歯医者さんにもきっと行きやすくなりますね。 “痛くない歯医者さん”というのはとても魅力的ですよね。
長崎県諫早市の諫早ふじた歯科・矯正歯科では、できるだけ”痛くない治療”,”痛くない歯医者さん” をめざしています。その取り組みについてご紹介します。
痛くない麻酔
治療をするにあたって、必要不可欠になるのが麻酔です。麻酔さえしっかり効いていてくれれば、痛みは感じにくくなります。麻酔をする時点で痛みがあったら、その後全ての治療がまるで痛いように感じてしまいますので、リラックスして治療ができません。
諫早ふじた歯科・矯正歯科では治療をうける方皆さんに、麻酔のやり方にも一工夫しています。
表面麻酔を塗ります。
表面麻酔とはその名の通り粘膜の表面に塗る麻酔薬です。この表面麻酔をすることにより麻酔の針をさすときの痛みを軽減することができます。
ただこれもコツがありまして、まず刺入したい部分を乾かします。そして表面麻酔薬をつけた綿球を置きます。そしてじっと1分以上待つのです。これで粘膜がしびれてきますので、麻酔注射するときのあのチクッとする痛みが軽減できるのです。
麻酔をします。
ここから初めて麻酔注射をします。ここで使用する針の大きさもこだわりがあります。
つまり、なるべく細い針を使用するのです。針のサイズは普段の治療では33Gわずか0.26㎜とかなり細いものを使用しています。これは最近糖尿病でインシュリンを自ら打つ方のためになるべく痛くないようにと開発されたテレビCMされている『テルモ』の極細針と同様の大きさなのです。
しかもこの時、できるだけ痛くないようにそっと針を刺入しますので痛みの軽減ができます。
左の針が諫早ふじた歯科・矯正歯科で一般的な治療に使う針です。
更に注射する位置も歯肉粘膜境といって、痛みを感じにくい部位にしています。
また更に、注射する麻酔薬は専用の機械で人肌に温めておきます。冷たい麻酔薬を注射すると体がびっくりして痛みがでてしまいますからね。
このようにいくつものこだわりを持って、痛みの少ない治療のための麻酔をしています。
注射後約5分程度時間をおいて、しっかり麻酔が効いたことを確認した上で、やっと治療に入ります。麻酔が痛みなく終われば、あとは楽ですね!
麻酔が効きにくい時
炎症がひどい場合や下の歯の奥歯など、通常の麻酔が効きにくい場合があります。そのような時には歯根膜麻酔という方法をとる場合があります。
痛いときはすぐに手をあげて教えて下さい
もし万が一痛いときには治療の最中でも全くかまいませんので、手を上げて教えてください。 皆様が手を上げて合図しやすいよう、ポスターを掲示しています。
リラックスすることで痛み軽減につながります
諫早ふじた歯科・矯正歯科では毎日いろんな香りのアロマをたいています。 リラックス効果の高いラベンダーや、ティートリー、レモングラスなど種類も沢山準備しており、歯医者さんどくとくの嫌な臭いも消してくれます。毎日各ユニットやコンサルルームには生花や植物を飾っています。 きれいなお花などは少しあるだけでも全然気分が違いますよね。
唾液検査の情報から作るオーダーメイド治療
虫歯になりやすい人、なりにくい人の違いは歯磨きの方法や回数だけではなく、飲食の回数、唾液の量、性質、虫歯菌の数などが大きく関わります。
諫早ふじた歯科・矯正歯科では、唾液を採取して唾液の量、性質、虫歯菌の数を調べます。検査の結果に応じて、患者様に合ったオーダーメードの治療や予防方法を提案させていただいています。
諫早ふじた歯科・矯正歯科に初めて来院された方、久しぶりに来院された方を対象に行っております。
唾液検査
当院ではライオン(株)製のSMT(Salivary Multi Test)他項目・短時間唾液検査システムを使用しています。
お口の中の唾液の成分を元に、6つの項目について評価を行っています。
検査結果をもとに患者様に合ったオーダーメードの治療や予防方法を提案させていただいており、効率よく虫歯や歯周病を予防することができます。
また、唾液の成分を知ることで現在だけではなく今後のお口の中の状態も予想ができるため、それに応じた指導を行っています。
お口の唾液を取った後10分ほどで検査結果の用紙が完成します。
検査項目は以下の通りです。
- 1. 虫歯菌
- 虫歯菌の数が多いと、歯の表面にプラーク(歯垢)が付着しやすく、歯の健康を損なうことが知られています。
- 2. 酸性度
- 唾液の酸性度が高いと、口腔環境は酸性になり、エナメル質などの歯質が溶解しやすいことが知られています。
- 3. 緩衝能
- 唾液には虫歯菌や食物由来の酸を中和する機能(緩衝能)がありますが、その働きが弱いとエナメル質などの歯質が溶解しやすいことが知られています。
- 4. 白血球
- 歯と歯茎の間で細菌や異物が増加すると、生体の防御反応により唾液中の白血球が増加することが知られています。
- 5. タンパク質
- 口腔内細菌や歯と歯茎の間にあるバイオフィルム(プラーク)の影響により、唾液中のタンパク質が多くなることが知られています。
- 6. アンモニア
- 口腔内の細菌総数が多いと、唾液中のアンモニアが多くなることが知られており、口臭等の原因になると言われています。
唾液検査は2,200円(税込)となっており、希望者に検査を行っています。