電解中性機能水システム ポセイドン
ポセイドンシステム
諫早ふじた歯科・矯正歯科は院内感染の防止により一層努力しております。(2014/6/8時点での記事です。) 先日、読売新聞に 以下のような記事がでました。
当院は10年以上前から、患者様ごとに歯科用治療器具(タービン、コントラ、バー、ファイルなど)を交換し、滅菌消毒に努めております。 そのために多くの設備投資、人財投資を行っております。(チェアーの台数の 数倍ものタービンやコントラの確保、それに見合うバーやファイルの確保。そして滅菌消毒に労力を要するためスタッフの増員。そして何よりそのための教育。当院は第二種感染管理者がなんと5名もいます)
そのほか、手袋や紙コップエプロンなどはすべてディスポーザブル(使い捨て)としています。
私にとって当たり前のことですが、10年前はここまで徹底しているのは全歯科医療機関の10パーセント未満でした。10年経過した現在は報道によると30パーセントとのことです。
10年間で20パーセントしか増えていないということになります。これをどう思えばよいのか?早く、全歯科医療機関が滅菌消毒を徹底することを望みます。
ところで、今現在 歯科医院でのもう一つの問題があると危惧されています。歯科用治療診療台(チェアー)の給水管内に形成されるバイオフィルムの汚染です。
実は2008年の日本歯科医師会雑誌Vol.61 No.9に発表があるのですが、歯科ユニットの給水管内の汚染は随分前から指摘されていたのです。 (恥ずかしいことに私はその論文の存在を知らずに、つい最近知りました。そして驚愕し、早く対策をとらないといけないと思い、早速対策を取った次第です。)
水道水を使用している歯科ユニットがなぜ汚染されているのか?それは次のような理由からです。
夜間、歯科ユニット内の給水系内チューブ内の残留塩素が減少するため、水道水が本来有している殺菌能力がなくなり、細菌が急激に増殖してバイオフィルムを形成すると考えられています。バイオフィルムとは、細菌その他微生物の群体が管腔表面などに付着し、軟泥層を形成しているものです。
バイオフィルムはあらゆる無菌的でない環境に生じますが、歯科ユニットチューブは、
1.管腔の径が細く管壁での流速が大変遅い 2.水圧が低い・水流が遅い 3.管内の水分移動が停止する期間(夜間の休診時間)が長い 4.適度な温度環境にある(特に温水器と接続されている場合) などから、バイオフィルムの形成に大変都合がよい環境にあります。歯科ユニット内ではバイオフィルムは急速に成長しやすいのです。バイオフィルムから剥がれた細菌・その他微生物は水中に溶け出し、歯科治療水を汚染することになります。
アメリカではCDC(米国疾患管理センター)が『歯科医療における感染管理のためのガイドライン(2003年度)』にて歯科ユニット内の水質に言及しています。
それによるとADA(アメリカ歯科医師会)は給水系から摂取した水の汚染レベルが200CFU/mLとなるように処理できる装置を歯科市場に提供するように歯科メーカーに要求している。また米国公衆衛生協会、米国水道協会も安全飲料水水質基準を定め飲料水の従属栄養細菌の限界値を500CFU/mL以下になるように設定しています。
日本では2007年に水道水質基準にて、水質管理目標設定項目に従属栄養細菌が追加され、その目標値は「1mlの検水で2000以下」となっています。ところが現状は多くの歯科ユニットで目標値を大幅に上回る数値の細菌が検出されているようです。
ここで、歯科ユニット内に残る水道水の残留塩素濃度を補正することにより除菌能力を維持しようとするのが今回導入した装置『ポセイドン』です。
歯科ユニットに入る前の水道水を『ポセイドン』という装置を通過させるとセンサーが水の流れを感知し、その中の電解漕に通電を行います。すると水中に含まれる塩素イオンが電解により塩素に変化し、塩素はすぐに水と反応し、次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンに変化します。この残留塩素の上昇により水道水の細菌の増殖が抑えられ、歯科ユニット内部を清潔に保つのです。
この水は当然飲用に適していますのでご安心ください。
先ほど、患者様ごとにタービンなどの器具を滅菌消毒しているのは、全歯科医療機関の3割という記事がありましたが、歯科ユニット内の細菌が水道水基準内と思われる医療機関は1パーセント以下だといわれています。
当院は患者様ごとにタービンや、バーなどの個々の滅菌消毒をすることとともに、歯科ユニット内の殺菌水をしっかり完備しておりますので、安心して治療をお受けください。