女性のための新・常識歯周病予防と赤ちゃんの健康

お口の病気である「歯周病」。実はこの歯周病が全身の健康になんらかの影響を及ぼしていることが段々分かってきました。
女性は初潮、月経、妊娠、閉経とホルモンバランスの変化などにより、男性より歯周病になりやすいとも言われています。

昔、「女性は子供が1人産まれると、歯が1本無くなる」
といわれていたのはこのことからです。

ここでは妊娠期における歯周病の危険性と予防対策をご紹介します。

長崎 諫早市 諫早ふじた歯科・矯正歯科 歯周病と妊娠、出産


歯周病は全身にも関係している

自覚症状がないままに突然歯が抜け落ちる病気と恐れられているお口の病気、歯周病。その原因はプラーク(歯垢)の中の細菌(歯周病菌)です。この細菌がお口の中のトラブルだけでなく、全身にも何らかの影響を与える可能性が指摘されています。

具体的には糖尿病、骨粗鬆症、妊娠などが挙げられています。また、日本で罹患率の高い動脈瘤や動脈硬化を患っている70~80%もの人の病変部から歯周病菌が見つかっており、いまや、歯周病と全身の関係は無視できないものとなっています。

長崎 諫早市 諫早ふじた歯科・矯正歯科 歯周病は全身にも関係している


妊婦の歯周病には危険がいっぱい

歯周病というと「中高年男性がかかっている」というイメージされがちですが、実は歯周病にかかりやすいのは妊婦といわれているのをご存知ですか?と言うのも、妊婦はつわりのせいで、歯ブラシをお口に入れるだけで気分が悪くなり、オーラルケアーがおろそかになり、歯周病の原因となるプラークを溜めやすくするからです。

また、歯周病を起こす菌の中には、妊娠中に出される女性ホルモンを栄養とする細菌がいて歯ぐきに炎症を引き起こし、歯周病を発症・悪化しやすくしています。

長崎 諫早市 諫早ふじた歯科・矯正歯科 妊婦の歯周病には危険がいっぱい

さらに近年では、歯周病は早産や低体重児出産などの妊娠トラブルと関係していることも明らかになっています。以前アメリカ行われた妊婦や出産後の母親を対象とした調査では、母体が重い歯周病を患っていると、早産で低体重の赤ちゃんが生まれる危険率は5.9倍、初産では6.7%にも達しました。これは喫煙や飲酒の有無、年齢などに比べて圧倒的に高い数字です。

また、鹿児島大学で行われた調査では、切迫早産で入院中の妊婦のうち、正規産だったグループで歯周組織の破壊が10%だったのに対して、早産だったグループは歯周組織の破壊は30%近くに上り、歯周病が早期出生低体重児の出産に深く関与していることが改めて示唆されました。さらに、歯周病による歯ぐき炎症時に出されるサイトカインという炎症物質が、歯周病の悪化だけでなく、子宮収縮などを誘発していることも明らかになりつつあります。



歯周病を効果的に予防したい

妊婦はもちろん、健やかな赤ちゃんを産むためにも、特に気をつけたい妊娠期の歯周病。
その一方で妊娠期の歯周病は悪化しやすく、抗生剤の使用や抜歯が難しいのが現状です。
では、具体的には、妊婦はどのようなケアーを心がければいいのでしょうか?

長崎 諫早市 諫早ふじた歯科・矯正歯科 歯周病を効果的に予防したい

正しい歯磨きを勉強しましょう

まず基本は歯ブラシです。毛先の開いたブラシは交換しましょう。目安は一ヶ月弱です。もし見た目には大丈夫でも毛先はいたんでいるので交換しましょう。
歯ブラシで歯ぐき沿いを磨きましょう。細かく優しく磨くのがコツです。歯周病で歯ぐきに炎症があれば出血します。出血のない引き締まった歯茎を作りましょう。

大切になってくるのは、実は毎日のブラッシングです。妊娠中は不規則な生活や偏食、つわりなどが原因になって特にお口に中が汚れやすい状態になっているので、とにかく正しいブラッシングでプラーク(歯垢)を落とすようにこころがけましょう。
つわりなどで気分が悪いという場合は、ヘッドの小さな歯ブラシやデンタルリンスなどを試してみるのもいいと思います。

また、プラークのたまりやすい歯と歯の間などは、デンタルフロスや歯間ブラシなどの歯間清掃用具を使用するのもお勧めです。もちろん、定期的に歯科健診をうけることも大事です。

歯医者さんと一緒に歯周病と戦いましょう

妊娠トラブルを招く原因ともなる歯周病。今後は歯科治療においても、お口の中だけでなく、妊娠と全身の関係を見据えた歯周病予防が重要です。
例えば妊娠の場合は、妊娠期の歯肉炎治療や緊急時の対応など、妊婦とお腹のなかの赤ちゃんの健康をサポートする、産婦人科と連携した歯科治療が特に大切になってきます。

さらに、予防の一環として、バランスの良い食習慣を提案したり、正しい口腔ケアーを指導したり、生活習慣をお母さんとともに改善していくことも、歯科医院の大切な役割のひとつに挙げられます。
また、出産後は子供が低年齢のうちから歯科を受診、予防することで歯科治療への恐怖心を緩和するなど、親子のより継続的な口腔ケアーを目指した取り組みが求められます。

特に、これからは「予防の時代」といわれている歯科治療。妊娠と歯周病の関連に関わらず、日ごろから何でも相談できるかかりつけの歯科医院を持つことは非常に大切です。
諫早ふじた歯科・矯正歯科では、よりよい妊婦さんとの関係つくりをしようと努力しています。

妊娠中のお口の変化

妊娠中のお口の中は、生活習慣や体質の変化から、通常よりも虫歯や、歯周病になりやすくなります
次のような理由からです。

1、つわりによって奥歯の歯みがきが難しくなるため、磨き残しが多くなる
2、少しずつ何度も食事をするために、口の中で酸性の状態が続き、虫歯ができやすくなる
3、女性ホルモンが増加して、通常よりも歯肉に炎症が起こりやすく、「妊娠性歯肉炎」を引き起こす
4、唾液の性質が変化して、口の中がねばねばになり、細菌が活動しやすくなる

歯周病のひどい妊婦さんは、歯周病菌の影響で早産や低体重児出産などの妊娠トラブルの危険性が高くなることが報告されています。
また母子感染によって乳幼児へ虫歯菌が移ってしまうことがあり、虫歯の多いお母さんの子供は、早くから虫歯になる危険性が高いといわれています。
お母さんのお口の健康は赤ちゃんのお口の健康です