歯周病治療と高濃度ビタミンC点滴療法

諫早ふじた歯科・矯正歯科ではインプラント治療や歯周病治療において、高濃度ビタミンC点滴療法を取り入れ、患者様に良好な評価を得ています。 下の写真は私が高濃度ビタミンC点滴を受けているところです。 マイラン社製注射用ビタミンC製剤(冷蔵コンテナでアイルランドから輸入したものです)

長崎 諫早市 諫早ふじた歯科・矯正歯科 歯周病治療と高濃度ビタミンC点滴療法
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歯科治療と点滴療法というと不思議に思われるかも知れません。これからその関係と効果について書いて行きたいと思います。
最初に高濃度ビタミンC点滴療法ですが、歯科における効果・効能は以下のようなものがあります。

・インプラント治療などの外科治療後の治癒を促進する
・歯周病予防・歯周病治療の一環として使用
・歯肉粘膜組織の強化
・歯肉やお口の周りの抗酸化、コラーゲン生成
・美肌・美白効果
・疲労回復・免疫力の向上
・風邪予防
・ガン予防
・全身のエイジングケア(アンチエイジング)

そもそも高濃度ビタミンC点滴療法は、2度ノーベル賞を受賞したライナス・ポーリング博士が「副作用が無く、ガン治療に有効である」と発表したことに始まります。ガン治療だけでなく、濃度によって、健康増進、疲労回復、ガン予防などに効果があるといわれています。

ところでビタミンCってご存知ですよね。すぐにレモンを思い浮かべることと思います。清涼飲料水のCMで「レモン○○個分のビタミンCが入ってます」というフレーズが良く使われます。レモン1個にどのくらいのビタミンCが入っているのでしょうか?

実は レモン果実1個当たり「20mg」入っているのです
高濃度ビタミンC点滴療法は高容量のビタミンC(12.5~100g)先ほどレモン1個当たり20mgですから625個~5000個分を静脈から点滴していきます。

なぜ点滴?服用ではだめなの?と疑問に思われると思います。健康食品やサプリメントでいっぱい存在しますからね。でも経口摂取ではほとんどが吸収されず体外に排出されてしまうのです。それなら効くものも効きません。点滴なら直接血管内にいきわたり各細胞に行きわたり、効果がすぐに現れるのです。

現代人は黙っていても多くのストレスに直面します。老化の原因である活性酸素は様々な要因で増えてきます。ビタミンCは活性酸素を除去するために効果的です。喫煙、飲酒、睡眠不足、精神的ストレス、不規則な食生活で活性酸素は増えていきます。先ほど書きましたが活性酸素は老化の原因になるだけでなく、ガンの原因にもなるといわれます。

ですから世界的にガン治療に高濃度ビタミンCが使用されていますし、定期的な点滴でガン予防にもなるといわれています。



最新歯周病治療 光殺菌治療

諫早ふじた歯科・矯正歯科では、歯周病治療を主に、根管治療でも使用できる最新治療である光殺菌治療を導入しました。
光殺菌治療は医科領域では、ずいぶん前から肺・食道・胃・子宮頚部などの早期がんに対して使用されていたようです。不覚にも私はつい最近まで知りませんでした。

その治療法とは、感染した部位、また罹患した部位に光感受性物質を注入し、光やレーザーを照射することにより活性酸素を出し、ガン細胞などを消滅させるという治療法です。
この治療法が優れているのは、薬と違って耐性菌などを作らないので、非常に体にやさしい、安全な治療法ということです。医科では、がんの部位によってもステージによっても違いはありますが、保険でも導入されているし、その導入範囲が広がる気配があるそうです。

私たちの歯科領域では、光感受性ジェルを歯周病や、根管内に使用し、その原因である細菌に浸透させて光で殺菌するという画期的な治療法として最近広まりを見せております。

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但し、歯科領域では保険に導入されておらず、保険外の自費治療ということになります。
ただ、この治療法は様々な事例に対して有効で、今後の可能性は非常に大きいと思っております。

ちなみに、この光殺菌治療の特徴を以下に記します
1、光感受性のジェル(トルイジンブルー、メチレンブルー)が細菌の細胞膜や細胞壁に浸透し、特定の波長の光が照射されると、ジェルがエネルギーを受け取り、活性酸素を大量に発生し、この活性酸素が細菌の細胞壁、細胞膜を破壊し殺菌します
2、抗生物質などを使用していないので、耐性菌を作らない
3、この治療法は患部に光感受性ジェルを注入し、光照射を行うだけで治療中に痛みを伴いません
4、副作用がないので繰り返し、繰り返し治療できる

詳しくは、このホームページが優れておりますので、ぜひご覧ください。
http://www.light-laser.net/treatment/lad/



FGF-2法

CGF治療
諫早ふじた歯科・矯正歯科では、インプラント、歯周外科、口腔外科治療などの手術の際、骨や歯周組織の再生療法を実施しております。骨や歯茎などが足りない場所に最先端の技術を使用しております。その中でも今現在、最も期待されているのがCGFです。

CGFは従来のPRPにかわる次世代の血小板濃縮フィブリン製剤として、歯科分野や再生医療分野など多くの分野での応用が期待されております。CGFは患者さんご自身の血液を専用の遠心分離機にかけることで抽出されます。添加物を一切用いない完全自己血液由来の血小板や成長因子を多く含んだフィブリンゲルです。

手術前に患者さんの血液を採取し、CGF(concentrated growth factors)を作ります。このフィブリンゲルは、他の骨補填剤と違って、何より完全自己血液なので感染症についても安心度が高い治療法なのです。

手術の創傷治癒効果を促進させたり、人工の骨補填材のかわりに使用したり、人工のメンブレン(骨を増やすための膜)のかわりに使用したりし、骨を同時に増やすインプラント治療を行っております。



CGFを利用した再生療法

これはまだ認可を受けてない方法ですが、もうじき臨床応用ができると期待されている方法です。実際はまだ当院で患者様に施術することはできませんから、それをふまえて読んでください。
前述したGTR法、エムドゲインは一定の成果をあげています。それ以外に、サイトカインを局所投与することにより歯根膜細胞を活性化し、歯周組織再生を積極的に促進させる方法がもうじき臨床で使えるかもしれません。

実際、アメリカでは、血小板由来増殖因子のサイトカインとB-TCP(吸収性ハイドロキシアパタイト)を併用する方法が臨床応用されています。

日本でも、大阪大学でサイトカイン療法として、FGF-2という塩基性繊維芽細胞増殖因子を歯周外科の時に骨の欠損部分に局所投与して、歯周組織の再生を人為的に誘導、促進する方法が臨床研究されています。
FGF-2は耳慣れない言葉ですが、強力な血管新生作用と間葉系組織の増殖能を持った塩基性繊維芽細胞増殖因子です。

本当に、このような再生療法が身近に、気軽に使えるようになると、歯周病治療も一気に変わり、本来なら治救えない歯も救えるようになると思います。 研究の進歩を期待しています。



ドラッグ・デリバリー・システム

歯周病は歯周病菌の感染で起こるものですから、薬によってそれを撃退しようという考え方もあります。

薬の作用の仕方は、たとえば飲み薬では、口から飲んだ薬が消化管で吸収され血液に溶けて患部へ到達し、そこで効果を発揮します。これでは悪いところへ届くまでに薬の濃度が低くなって効果が薄れたりするので、直接病気の場所へ薬を到達させかつ高い濃度で長時間、薬を作用させる工夫が開発されました。

この方法は、ローカル・ドラッグ・デリバリーシステム(LDDS=局所薬物送達療法)と呼ばれます。たとえば、痔の坐薬、ある種の癌の治療薬などもこのシステムの一つといえるでしょう。
歯周病に対しては、歯周ポケットの中に抗生物質の一種である塩酸ミノサイクリンのペーストを注入します。

これは水に触れるとゼリー状になってすぐには溶けず、しかもポケットの中から流れ出しにくく、ゆっくりと抗生物質を放出していきます(徐放能)。歯周ポケットの中にだいたい1週間ぐらい残っていて、その間、高い薬の濃度を維持できるのが特徴です。これを使えば病原菌を撃退し炎症を弱めることはできますが、歯の表面に硬く付着している歯石をなくすことはできません。

ですから、歯石対策としてはまた別に、スケーラーなどできれいにする必要があります。つまり薬物による治療法は、完全に病気を治すというより、炎症を軽減させるための補助的なものなのです。

長崎 諫早市 諫早ふじた歯科・矯正歯科 ドラッグ・デリバリー・システム

位相差顕微鏡での細菌検査

歯周内科療法でまず特徴的なことは、最初に患者さんの口腔内の細菌検査を位相差顕微鏡ですることです。位相差顕微鏡では、歯垢(バイオフィルム)の状況を知ることができます。
含まれる菌の過多であったり、細菌のすみかであるカンジダ菌の過多、原虫の有無、菌の大まかな種類を調べます。しかし歯周病を悪化させる=悪玉3種類のP.g菌、T.f菌、T.d菌などの存在は残念ながら判別できません。

また近年、除菌薬で使うジスロマックの耐性菌が増えてきています。そのためジスロマックだけでの除菌が難しくなってきているので、追加する薬の選択が難しくなります。そのためにリアルタイムPC検査を行い、追加薬剤の必要性などを考えていきます。」
リアルタイムPCR(リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応)法では、以下の菌の検査をします。

1. Porphyromonas gingivalis
2. Tannerella forsythia
3. Treponema denticola
4. Aggregatibacter actinomycetemcomitans
5. Fusobacterium nucleaterm

リアルタイムPCR検査を行うタイミングとしては、
1、治療前(診査診断)
2、初期治療終了後(SRP終了後 約1ヶ月経過後)
3、メンテナンス時

メンテナンス時は1年後とか、2年後とか年単位で行うことが良いとされますが、実際メンテナンス時の検査には、検査の費用が発生するので、そこは相談が必要です。(1、2は除菌療法の費用の中に含まれています)

歯周病除菌療法を選択する目安として、以下の方を対象とします
重度歯周病、侵襲性歯周病、若年性歯周病の方
歯周病と関連する全身疾患を有する方(糖尿病、リウマチ、窓)
細菌のリスクファクターを早急に減らす必要のある方

長崎 諫早市 諫早ふじた歯科・矯正歯科 位相差顕微鏡での細菌検査

歯周病菌 除菌治療は保険外治療です

歯周病菌 除菌治療は保険治療ではありません。全額自費治療になります。
これは 厚生労働省からはっきり見解が出ています。歯周病の除菌のためジスロマック、ハリゾン、ファンギゾンを使用したら歯周病治療に関する算定はできないこととなっています。

ですから、保険の歯周治療と同時に進行するとルール違反となり、ペナルティが発生することとなります。
ただし、歯周病治療以外の治療、例えば虫歯治療や抜歯の治療などは保険でできますので、ご安心ください。

保険治療での歯周病治療は次のような治療の流れとなります
1、歯周検査
2、歯肉縁上歯石除去(1回から2回かかります)
3、歯周検査 (2の効果を見るため)
4、歯肉縁下歯石除去(4回から6回かかります)見えない部位を治療します
5、歯周再検査 (4の効果を見るため)
6、歯周外科処置(4でも取り除けない深い部位にある歯石を除去するため)
7、歯周再検査
8、歯周病メンテナンス(安定期治療)

この流れは、厚生労働省が指定しているいわゆる歯周病ガイドラインに沿った治療の流れです。日本国内で歯周病治療は、ほとんど、99%このガイドラインに沿って治療しています。
この流れから外れると、保険がきかない治療になります。

歯原性菌血症を治すために、歯周病の除菌治療する場合、上記の流れに乗っていませんので保険治療外になります。除菌治療は、菌血症を起こさないように、まず除菌をして菌のいない状態で歯周病の治療を行うことになります。
歯周病の検査時は、ポケット探針という器具を使用するのですが、全部の歯の歯周ポケットを同じ器具で測定します。ですから検査をすることで、悪玉歯周菌がいるポケットから他のいないポケットに菌が移るかもしれないのです。

また、歯茎の出血をともなう治療をしたときは献血を断られると書きましたが、出血すると菌血症を起こすのです。検査で出血があるかないかを検査する項目もあります。

また歯肉炎上歯石をとっても、歯肉縁下歯石をとっても、出血を伴いますので、やはり菌血症を起こします。ですから悪い菌がいる場合、何をしても菌血症が起こる可能性があります。そういう恐れをなくすために、まず除菌をします。除菌してからだと悪い菌がいませんので、菌血症が起こらず安心して歯周治療ができることとなります。

除菌が成功すると再感染を起こさない限り、歯周病悪玉菌(レッドコンプレックス)がいなくなることがデータとしてわかっています。
悪玉菌の中には高齢者が起こしやすい、誤嚥性肺炎の原因になっているという報告もありますので、除菌療法が誤嚥性肺炎を減らすことにつながる可能性もあるのです。

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日本赤十字と歯周病、除菌療法

歯周病菌が血管に入り、菌血症をおこすことは簡単に起こる現象です。これは日本赤十字が一番よくわかっています。皆さんは献血をしたことがありますか?
献血時の問診で、出血を伴う歯科治療を受けた方の献血を断っています。菌血症になっている可能性が高いからです。
http://www.jrc.or.jp/donation/about/refrain/detail_09/ このように、菌は簡単に血液の中に入って全身に回ります。ただあまり心配なさらないで頂きたいのですが、一般的にはそれほど菌が多くなければ血液中の白血球など、防衛担当細胞が菌を退治してくれます。ただ菌の数が多い場合や菌が強い場合に他の臓器に影響を及ぼすのです。
以前の記事で歯周病に最も悪い影響を及ぼす菌があると書きました。
http://www.sisyuubyou.jp/article/16208161.html
Prophyromonas gingivalis   プロフィロモナス・ジンジバーリス(P.g菌)
Tannerella fosythia      タンネレラ・フォーサイセンシス(T.f菌)
Treponema denticola     トレポネーマ・デンティコーラ(T.d菌)
そう悪玉3兄弟、レッドコンプレックスと言われる菌です。この他にもまだ数種類の悪い歯周病菌がいますが、それはまた後ほど記載します。
重度の歯周病に罹患されている方の治療法として、まずそれらの菌がいるかどうかを検査しないことには、始まりません。一般的に数本でも歯周病で歯をなくされている方は調べた方が良いと思われます。

その検査方法がリアルタイムPCRという検査です。これは菌の固有の遺伝子DNAを増幅させて調べる方法です。簡単にいうと歯周ポケットの中の特定の部位に歯周病菌が何匹いるのかを調べる科学的な検査です。
この検査をして、悪い歯周病菌がいれば、除菌を開始します。
注意事項 この除菌治療は保険がききませんので自由診療となります。

歯周内科治療とは

「歯周内科学」
歯科界の新しい分野が「歯周内科学」です。これまでとまったく異なったあたらしい考え方だといえます。
お薬で歯周病を治したいという治療の総称です。
「虫歯」と「歯周病」。これは歯科での最も多い病気ですが、ともに細菌感染が引き起こす、感染症が原因の疾患です。

では、感染症であれば薬で改善するのではないでしょうか?。
医科においては感染症の場合、医師の指示に従ってきちんと薬を飲めば、ほとんどの場合、治ってしまいます。
歯周病も感染症なので、同様に薬で治そうという治療法です。つまり、簡単に言うと、『歯周病の除菌療法』なのです

除菌方法は、手順として、まず、口の中の歯垢を採取し、モニターを用いた顕微鏡検査により、お口の細菌の種類や数などを検査し、歯周病菌がいれば、その細菌に合うお薬や歯磨き粉を用いてお口の中をきれいに除菌します。
歯周病が進行していない場合でも、除菌方法を行うことにより、これからの歯周病が進行しにくくなるため、最適な予防法ともいえます。

  除菌後は、歯周病菌が人からうつらないように再感染に気をつけて頂き、カビに関しては、カビとり歯磨き剤を継続して頂ければOKです。

もちろん、定期的な歯石取りやPMTCなど予防は必要ですが、除菌するのとしないのとは大違いです。

まとめますと、歯周内科治療の治療方法のポイントを次に挙げます。
1、位相差顕微鏡による菌の確認
2、細菌の除去薬剤の内服
3、カビの除去薬剤あるいはカビとり歯磨き剤での歯磨き
4、除菌後の歯石とり

特に、位相差顕微鏡による菌の確認は非常に大切なポイントです。位相差顕微鏡でお口の菌を確認しなくてはなりません。
歯周病菌がいるのか、カビが多いのか、あるいは非常にきれいなのか。位相差顕微鏡で確認しないと、お薬の選択ができません。