歯周病と全身疾患

歯周病が進行すると歯の周りの歯肉が腫れ、歯肉の下にある根を支えると骨が溶けて歯がグラグラとなりよく噛めなくなり、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
実はそれだけでなく、全身との関係があると言われています。

誤嚥性肺炎、糖尿病、脳血管障害、心疾患、リウマチ、骨粗鬆症、妊婦さんの低体重児出産などです。最近は癌との関係や、痴呆症との関係も言われています。
何故関係があるかというと、歯周病菌が歯肉の血管に入り込み、全身に回るからです。

歯周病の原因菌が多く存在する歯垢(バイオフィルム)、歯石は歯周ポケットと接しているのですが、歯周ポケットが5ミリと仮定すると、口の中に歯周病菌と接する面積は大人の手の平に相当する広さと言われています。

長崎 諫早市 諫早ふじた歯科・矯正歯科 歯周病と全身の関係

それだけ接する面積が広ければ、どんどん菌が血管の中に入っていきますよね。

長崎 諫早市 諫早ふじた歯科・矯正歯科 歯周病と全身の関係

そのため、歯周病菌が全身の器官に行くのを、できれば口腔内で止めないといけません。
そのために歯周病治療それも除菌治療が重要になってきます。

長崎 諫早市 諫早ふじた歯科・矯正歯科 歯周病と全身の関係

これからの歯周病治療

新しい概念の歯周病治療
諫早ふじた歯科・矯正歯科 藤田です。ほんとんどの方が認識されてないと思いますが、歯周病は感染症です。

つまり、歯周病菌に感染しなければ歯周病も発生しません。
ところでこれは事実ですので、ご理解して欲しいのですが、誰でも、どなたのお口の中にも細菌がいます。どのくらいいるかというと、

歯垢1g中に生菌が1000億個。
唾液1ml中 生菌が1億個 いると言われています。

ちなみに大便(うんこ)1gの中には生菌10億個いると言われています。
つまり、歯垢に中には、うんこより多くの生菌がいるのです。驚きでしょう。

ただし、歯垢の中の歯周病に関する 悪い菌=悪玉菌がいなければ、歯周病はひどくなりません。
つまり悪玉菌がいない人は特別丁寧に歯磨きしなくても歯周病になりませんが、悪玉菌が多くいる人がどんなに歯磨きしても歯周病が悪化することになります。

この中で、歯周病の悪玉菌の代表がレッドコンプレックスと言われる次の3種類です。重度の歯周病に大きく影響していると言われています。

Prophyromonas gingivalis   プロフィロモナス・ジンジバーリス(P.g菌)
Tannerella fosythia      タンネレラ・フォーサイセンシス(T.f菌)
Treponema denticola     トレポネーマ・デンティコーラ(T.d菌)

ですから、歯周病治療を行う上で大切なのは、まずそういう悪玉菌がいるかどうかを調べるかことが重要となります。
もしいたらどうするか、ここで対策があります。菌を退治すること=除菌することができるのです。

胃がんの原因と言われるピロリ菌をご存知でしょうか?胃の中にいる菌です。この菌がいると胃がんになりやすいと言われており、そのためこの菌を根絶する治療法があります。薬による除菌療法です。

実は私、藤田もピロリ菌の除菌を行なって成功しました。

同様に歯周病の悪玉菌も薬によって除菌することができるのです。そうすると歯周病を治すことができます。これが歯周病菌除菌療法です。このことに関してこれから情報を書いていきます。

何故、歯周病治療を優先するのか?

諫早ふじた歯科・矯正歯科では虫歯や、歯を作る治療の前に、歯周病治療をするようにしています。
(当然、痛いところがある場合は先に痛みを止める治療をして急性症状を取り除きます)

患者さんとしては、先に虫歯の治療をしてほしい、先に歯を作って欲しいと思われるのも当然かもしれません。
でも、まず、歯茎の治療をして、歯茎がきれいになってから虫歯の治療や、歯を作った方が、よりきれいになるし、より歯が長く持てるのです。

歯茎に炎症がある状態では、詰め物やさし歯と自分の歯の境目の適合がうまくいきません。
そうすると、歯垢がつきやすくなって歯周病に悪影響を及ぼします。歯周病は歯の寿命に影響しますし、

歯の寿命は患者さんの健康寿命にも影響するのです。
お口の中に残っている健康な歯の数と健康寿命に密接な関係があるのを御存じでしょうか?後期高齢者になった時、歯が残っている数が多ければ多いほど健康でいられる。

歯が無い方ほど痴呆になりやすかったり、脳血管障害になりやすかったり、そのため寝たきりの状態が長く続くというデータが出ています。
日本人の平均寿命は、男性が79歳で女性が86歳、男女平均が83歳です。ところが実はこの中に平均6年の介護寿命(人の手を借りて過ごす期間)がありますので、健康寿命という点では77歳が平均なのです。

この「健康寿命を長くする」お手伝いをすることが、歯の分野からできるということを確信しています。当院、諫早ふじた歯科・矯正歯科はただの歯科としてではなく、口腔医として患者さんの健康づくりをしようと思っているのです。
ここで歯周病治療をすることが大きな意味を持ってくるのです。

というのは、40代以上になると国民の8割以上は歯周病に罹患しています。歯周病が怖いのは、まず無症状のうちに進行し、症状が出たとき(たとえば、歯茎から血が出る、歯茎が腫れる、歯が動揺する、歯茎から膿が出るなど)にはかなり重症になっているのです。

ここで歯周病とはどういう病気かと言いますと、歯茎の下は歯槽骨と言って歯根を支える骨があります。
その骨が溶ける病気です。原因としては、歯垢(プラーク)、バイオフィルムです。

歯垢はただの食べかすではなく、細菌の塊なんですね。その細菌の出す毒で歯茎が腫れ、その下の骨を溶かしていきます。
歯垢が長期間、放置され固まったのが歯石です。ですから毎日のクリーニングで歯垢を除去し、定期的に歯石を取らないと歯周病が進行していきます。

歯周病が進行すると歯石が歯茎の中に入っていき、歯周ポケットの深い部分にも付着していきます。
そうするとただの歯石取りだけでは除去が困難で、歯茎の中の歯根についた歯石や汚染物質を取らなければきれいになりません。これをルートプレーニングと言います。

ここまでして、歯茎はやっと落ち着いてきます。
(重度の歯周病の方はさらに歯周外科の必要な場合もあります。)

こうして落ち着いてから虫歯の治療や、歯を作れば、きれいな歯茎にきれいな歯が入りますので安定するのです。そうすると歯が長持ちし、メンテナンスなどの管理もしやすくなり、ますますいい方向になります。

これが歯周病治療を優先させる理由です。
歯周病治療を優先することで、歯の寿命を長くさせることができ、なおかつ健康寿命も長くすることにもつながるのです。

歯周病予防と咀嚼(そしゃく)

長崎県諫早市の諫早ふじた歯科・矯正歯科では歯周病予防に力を入れています。なるべく自分の歯を残し
しっかりと食べ物を咬むことには、消化促進や肥満防止につながることが知られているからです。成人病予防が歯の予防によってできることがわかってきています。でも、しっかり咬むためには自分の歯が多く残っていないといけません。

頭の脳の働きと咀嚼(そしゃく)の関係についての研究は最近大いに進歩しています。その結果、体と心の両面にプラスの効果を与えるという、咀嚼の重要性が注目されているそうです。
先日も毎日新聞に、高齢者が記憶テストでガムを咬んだ後の場合と、咬まない場合では正解率に有意差があったという記事がありました。何とガムを2分間咬んでから記憶したほうがガムを咬まない場合より15%以上正解率がアップしたそうです。

脳と咀嚼との関係について詳しい小野塚實・神奈川歯科大教授がよく言われるように「よくかんで食べるということは、人間の健康にとっては、いいことずくめの行為」。と思います。我々の業界(歯科界)では、良く噛むことの効用を「ひみこのはがいーぜ」というキャッチフレーズで紹介するのですが、次の効用があります。

 ひ―肥満の予防
 み―味覚の発達
 こ―言葉を正しく発音
 の―脳の発達
 は―歯の病気の予防
 が―がんの予防
 い―胃腸快調
 ぜ―全力投球

どうですか?いかにしっかり咬むということいが、全身に良い影響を及ぼすかがわかると思います。
しっかり咬むためには、健康な歯を多く残すことが大事です。そのためには歯周病予防が重要なポイントです。歯周病を予防して、心身ともに健康を目指しましょう。

成人の8割が歯周病です。

成人の8割が歯周病です。
歯周病は、歯肉や歯槽骨などの歯を支える組織に起こる進行性の病気です。歯肉が腫れる歯肉炎に始まり、炎症が進むと、歯と歯肉の間の溝がしだいに深くなり(歯周ポケットの形成)、やがて歯を抜かなければならない段階まで進行します。

初期の歯肉炎を含めると、30歳前後で国民の80%。40歳前後で84%。50歳前後では実に88%が歯周病にかかっています。
現在、歯周病が歯を失う最も大きな原因となっています。特に中高年以降は歯周病の治療、予防が大切です。歯を支える歯ぐきが健康でないと、食生活の楽しみを損なうだけでなく、体の老化を早め、生活習慣病のリスクを高めます。歯周病は口に中のトラブルではないのです。

このHPで、歯周病の現状、原因、正しい対策などを知っていただいて、歯周病の治療、予防をぜひ行ってください。
そしてこれからの人生を楽しく送っていただきたいと思います。