歯科金属と中国製技工物について考える

「報道特集NEXT」で放映されたベリリウム入り合金と健康への影響を知りたい人へ 

2月6日と2月13日に放映されたTBSテレビ「報道特集NEXT」では、有害金属ベリリウムが混入していた『中国製歯科技物』について報道した。

報道によると中国から輸入した入れ歯や指し歯などの歯科技工物に有害金属ベリリウムが混入していたとのこと。

 その背景には経営難による経費削減を強いられた歯科医院が安いとこで評判の中国に歯科技工を発注したが指示とは違った金属が使用され、金属アレルギーの原因になったり、発がん性もあるといわれるベリリウムが混入していた事例があったとのこと。またその輸入を放任していることへも警鐘を鳴らしている。

  

ここで一般的には中国へ歯科技工を依頼することはあまりありません。ただ近年の歯科医業の構造不況の影響で経営の厳しい歯科医院が、少しでも経費を浮かすために技工料が格段に安い(日本の5分の1の値段)中国へ依頼することがあったようです。ただし稀なケースと思われます。

私の知り合いで中国に技工を出している人は誰もいません。どうしても気になる時は主治医の先生に尋ねてみたほうが良いと思います。 

ここでベリリウムが有害とありますが、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で調べてみましょう。

 ベリリウム(Beryllium)は金属元素の1つで、元素記号はBe 。原子番号は4であり、原子量は約 9.012 である。常温、常圧で安定した結晶は六方最密充填構造(HCP)を持つ。比重は 1.85、融点は 1300 ℃ほどで、沸点は 2970 ℃である。銀白色の金属で、空気中では表面に酸化被膜が生成され安定に存在できる。モース硬度は 6 から 7 を示し、硬く、常温では脆いが、高温になると展性、延性が増す。酸にもアルカリにも溶ける。

口の中は酸性にもアルカリ性にも変化します。そうすると口腔内でかすかに溶けだしていることも考えられます。ここでやはり『ウィキペディア(Wikipedia)』で体への影響を調べてみましょう。

  

ベリリウムの人体への影響

 極めて毒性の高い物質で、人体に入るとベリリウム肺症として知られる深刻な慢性肺疾患を引き起こす。ベリリウムおよびベリリウム化合物は、WHO の下部機関 IARC より発癌性がある(Type1)と勧告されている。

本当に怖いですね。気にしだすとキリが無いです。経営的な問題で安い海外技工に頼れば信頼性がなく安心安全がえられないという事例です。

 

ただ、一般的な歯科医院、歯科技工所は厳しいながら精一杯自助努力して歯科医療に携わっています。日本の技工所で日本の認めた歯科用金属を使用しているところがほとんだということをご理解ください。実際に、口に入れるものですのですから、信頼のおける医院でしっかりと診てもらえば、大丈夫と思います。

ふじた歯科 院長  藤田浩一