インプラント治療できる人、できない人
全ての人がインプラント治療ができるわけではない
諫早の歯医者 藤田です。今回は 歯をなくした後の話です。不幸にして歯を抜いたあとは、基本的には1、インプラント 2、ブリッジ 3、義歯 という3つの選択肢があります。その中で2、ブリッジは周囲の歯を削る必要がありますし、3、義歯は違和感が強いというデメリットがあります。
この選択肢の中から歯科インプラントを希望された場合、全ての人がインプラント治療ができるとはいえません。いずれにしても適応かどうか、精査して調べてみないといけません。インプラント治療で最も大事なことは、インプラントを入れる骨があるかどうかです。
インプラントは骨の中に入れていきますので、骨がない場合は入れることができません。
インプラントの長さは10ミリ、直径は約4ミリですから、最低限 インプラントを入れたい部位にそれ以上の骨がないと不可能なのです。
歯をなくす原因の最も多いのが、歯周病です。その名の通り歯の周りの病気です。歯の周りとは歯茎、そして根の周囲の骨です。簡単に言うと歯周病は骨の周囲の組織、歯肉が腫れ、その下の骨が溶けていく病気です。だから歯周病の患者さんは骨が少ないことが多いです。ですから歯をなくした後で、軽く、じゃあインプラントにしたいと思っても、できないことがあるのです。ですから、自分の歯を守るためにも、その周囲の骨などの組織を守るためにも歯周病治療、管理はものすごく重要なこととなります。
またインプラント治療を難しくする要因に、上顎下顎の解剖学的な構造があります。上顎は副鼻腔の存在、下顎は大きな神経が通る下顎管の存在です。
副鼻腔は鼻腔の隣にあり。奥歯の根っこの先に存在します。歯をなくして長く経過した方のレントゲン像を見ると骨が1ミリの高さしかない方もおられます。
下顎管は神経だけではなく、大きな血管も入っていて、下顎の骨の中心より下の方にあります。ですからすべての骨がインプラント治療に利用できるかというとそうではないのです。
ただ、骨が足りないと絶対にインプラント治療ができないかと、聞かれるとそうではありません。上顎、下顎ともに骨を増やす、造骨処置を行えば解決できる場合もあります。ただ、通常と違う治療を加えないといけませんので、その分 治療費や治療期間が増えることになります。一人一人状態は違うので精査して対策を考える必要があります。詳しくはご相談ください。
諫早ふじた歯科・矯正歯科 理事長 藤田浩一