2023/12/15

歯周病と全身疾患

諌早ふじた歯科・矯正歯科の岡田です。

歯周病と全身疾患は密接に結びついています。

歯周病は歯茎や周辺組織の炎症を引き起こす慢性的な疾患であり、これが進行すると歯を支える骨や歯茎などの組織が損傷され、歯を失うことにつながります。

諫早ふじた歯科・矯正歯科 歯周病

 

 

口の中にはさまざまな種類の細菌が共存しており、これを口の常在菌と呼びます。これらの細菌は口腔生態系を構築し、健康な口の状態を維持するのに重要な役割を果たしています。主な口の常在菌には、歯垢や食物の分解に関与する細菌が含まれます。

 

一般的な口の常在菌には、スレプトコッカス、ロタンクリア菌、フスコバクテリウム、プレボテラ、ヴェイオラ、アクチノマイセスなどがあります。これらの細菌は口腔内の微生物バランスを維持し、外部からの有害な菌の侵入を防いでいます。しかし歯磨き不足や砂糖の過剰摂取により口の中の細菌のバランスが崩れると、細菌は酸を産生し歯を支えている骨を溶かしていってしまいます。

 

このような流れで歯周病は発症し、さらに歯周病が進行すると、細菌が血流を介して他の部位に広がる可能性があります。歯周病による全身への影響は多岐にわたり、その中でも注目されているのは心臓疾患や糖尿病などとの関連性です。

 

歯周病の炎症が血管内皮に影響を及ぼすと、動脈硬化の進行や高血圧のリスクが増加します。さらに、口腔内の細菌が血行を通じて心臓に到達することで、冠動脈疾患や心筋梗塞のリスクが上昇する可能性が指摘されています。

 

同時に、歯周病は糖尿病の発症や進行にも影響を及ぼすことが示唆されています。歯周病が糖尿病の血糖コントロールを悪化させ、逆に糖尿病が歯周病の進行を促進する相互作用が考えられています。

 

妊娠中の女性においても歯周病は重要な要因となります。妊娠中の歯周病は早産や低体重児の発生リスクを増加させる可能性があり、胎児の健康にも影響を与える可能性があります。

 

逆に、全身の健康状態も口腔内の健康に影響を与えます。全身の免疫機能が低下すれば口腔ケアが難しくなり、歯周病の進行が促進されることがあります。

 

歯周病と全身疾患の予防には、適切な口腔ケアと定期的な歯科検診が不可欠です。歯周病の早期発見や治療は、全身の健康を維持するために非常に重要です。総じて、口腔と全身は相互に影響し合う重要なシステムであり、総合的なアプローチが必要です。口腔ケアの向上が全身の健康にプラスの影響をもたらし、予防的な措置が健康な未来を築く手助けとなります。

何か歯周病で分からないことがあればご連絡ください。