2025/03/26

歯ぎしり癖があってもインプラント治療は受けられる?影響も解説

こんにちは。長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」です。

インプラントのイメージ

インプラント治療を検討していても「歯ぎしりの癖があるけれど大丈夫?」と不安に思っている方もいるでしょう。歯ぎしりの癖があると、インプラントに影響が出ると聞いたことのある方もいるかもしれません。

今回は、歯ぎしりとはどのようなものなのかをご紹介したうえで、歯ぎしり癖がある方でも治療を受けられるのか、またどのような影響があるのかをくわしく解説します。ぜひ参考にしてみてください。

歯ぎしりとは

就寝中に歯ぎしりをする女性

歯ぎしりとは、無意識のうちに上下の歯を強くこすり合わせる癖のことです。上下の歯を強く噛みしめる食いしばりを含めて、専門的にはブラキシズムと呼ばれます。

歯ぎしりは主に睡眠中に発生することが多く、原因としては歯列不正や嚙み合わせの異常、ストレスや生活習慣などが挙げられます。

歯ぎしりの種類

歯ぎしりは、主に以下の3つのタイプに分けられます。

グラインディング

通常、上下の歯の間には隙間があり、接触しない状態が適切です。グラインディングとは、上下の歯を強くこすり合わせるタイプの歯ぎしりで、ギリギリとした音が鳴ることが特徴です。

歯の表面がすり減りやすく、エナメル質の摩耗に繋がるでしょう。

クレンチング

歯を噛み締めるタイプです。食いしばりや噛みしめと呼ばれることもあります。音が出ないため周囲の人間にも気づかれにくく、就寝中に行う方が多いので無自覚な場合が多いです。

日中のストレスや緊張状態によって起こるとされており、過度な力がかかり続けることで歯が割れてしまう可能性があります。

タッピング

上下の歯を小刻みに何度も接触させるタイプの歯ぎしりです。カチカチという歯が噛み合う音がすることが特徴で、筋肉の緊張が生まれるため周辺の組織への負担に繋がります。

歯ぎしり癖があってもインプラント治療は受けられる?

歯ぎしり癖があってもインプラント治療は受けられるか考える女性

結論からお伝えすると、歯ぎしりの癖があってもインプラント治療を受けることは可能です。

しかし、歯ぎしりはインプラントに悪影響を及ぼす可能性があるため、慎重な治療計画が必要になります。インプラントは人工の歯根を顎の骨に埋め込んで固定する治療法です。

天然の歯には歯根膜と呼ばれる組織があり、衝撃を和らげるクッションの役割を果たしていますが、インプラントにはありません。そのため、歯ぎしりの癖があると、歯ぎしりの強い力による負荷が直接骨やインプラントに伝わるのです。

適切な対策を講じることで、歯ぎしり癖があってもインプラントを維持できるケースもあるので、しっかりと歯科医師と相談すると良いでしょう。

歯ぎしりがインプラントに与える影響

インプラントで歯ぎしりをして歯茎が炎症になったイメージ

歯ぎしりは、インプラントにどのような影響を及ぼすのでしょうか。以下でくわしく解説します。

インプラントの破損や緩み

歯ぎしりによる強い力が長期間にわたって加わることで、インプラントに負担がかかります。その結果、人工歯の部分が割れたり欠けたりすることがあります。

埋め込んだインプラント体にひびが入り、気づかず破損につながることもあるでしょう。さらに、インプラント体と人工歯の部分をつなぐアバットメントの部分にも負荷がかかり、緩む可能性もあります。

インプラント周囲炎のリスク増加

歯ぎしりによって過度な負荷がかかることで、インプラント周囲の歯茎や骨にダメージが溜まり炎症が起こりやすくなります。インプラント周囲炎を治療せずに放置すると、インプラントを支える骨が減少し、最悪の場合インプラントが脱落することもあります。

骨との結合への影響

インプラント治療では、埋め込んだインプラント体が顎の骨と結合する過程が非常に重要です。インプラント体が顎の骨と完全に結合する前に、歯ぎしりによる強い力がかかると結合が安定せず不完全な状態になり、治療が失敗するリスクが高まります。

また、結合後も歯ぎしりによる強い力が繰り返しかかると、結合部分にダメージが溜まり顎の骨が溶けるリスクも高まります。骨が吸収されると、インプラントを支える骨が減少するためインプラントのぐらつきや脱落に繋がるでしょう。

歯ぎしりがインプラント以外にも及ぼす影響

顎関節症のイメージ

歯ぎしりは、インプラントだけでなく天然歯や顎、全身の健康にも影響を与える可能性があります。以下で、代表的な症状を解説します。

歯の摩耗や破折

強い力で歯をこすり合わせることで、歯の表面のエナメル質がすり減ります。エナメル質がすり減りその下にある象牙質が露出すると、冷たいものや熱いものがしみたり痛く感じたりする知覚過敏の症状が現れることがあります。

また、長期間にわたって歯ぎしりを続けると、歯の表面に亀裂が入ったり、最悪の場合歯が割れたり折れたりすることもあります。

顎関節症のリスク

歯ぎしりによって顎の関節や筋肉に過度な負荷がかかると、顎関節症を引き起こす可能性があります。顎関節症になると、口を開けるときに痛みが生じたり、顎からカクカクと音が鳴ったりすることがあります。悪化すると、口を大きく開けることが難しくなるでしょう。

歯茎の炎症

歯ぎしりによって歯茎に大きな負担がかかり、歯茎が下がることもあります。歯茎が下がることによって歯と歯の間に隙間が生まれ、通常よりも歯周病のリスクが高まるでしょう。

また、インプラントのアバットメントが露出し、見た目に違和感が生じることもあります。

頭痛や肩こり

歯ぎしりは顎の筋肉に大きな負担をかけるため、顎の周囲の筋肉が緊張しやすくなります。その影響で、頭痛や肩こり、首のこりといった症状が現れることがあります。

特に、朝起きた時に顎の周りが疲れていると感じる場合は、就寝中の歯ぎしりが原因である可能性があるでしょう。

歯並びや嚙み合わせの変化

歯ぎしりによる過度な力が加わることで、徐々に歯が動き歯並びが変化することもあります。歯が移動すると噛み合わせが悪くなることも多く、放置すると食事がしづらくなるだけでなく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

骨隆起のリスク

歯や顎に強い力が長期間かかる状態が続くと、骨隆起が起きることがあります。骨隆起とは、顎の骨が強い力に耐えるために発達することで、下顎の内側が出っ張ることが多いです。

大きさや場所によっては、発音に影響が出たり食事や歯磨きの際に痛みが出やすいでしょう。自然に小さくなることはないので、日常生活に支障が出る場合には手術で取り除く必要があります。

歯ぎしり癖がある方がインプラント治療を受けるときの対策

歯ぎしり防止のマウスピースのイメージ

歯ぎしり癖がある方がインプラント治療を受ける場合には、インプラントへのダメージを最小限に防ぐために対策する必要があります。ここでは、歯ぎしりによるリスクを軽減し、インプラントを長持ちさせるための対策について紹介します。

マウスピースの使用

歯ぎしりの負担を軽減するためには、マウスピースの装着が効果的です。特に、就寝時にナイトガードと呼ばれるマウスピースを使用することで、無意識の状態でも歯と歯が触れ合うのを防げます。インプラントや被せ物にかかる負担を大幅に減らすことができます。

歯科医師と相談して、自分に合ったマウスピースを作成すると良いでしょう。

噛み合わせの調整

噛み合わせのバランスを考慮してインプラント治療を行うことも重要です。噛み合わせの力が特定の歯に集中しないように調整することで、インプラントへの負担を分散させられます。

当院では、型取りの際にデジタルスキャンを使用し、より精密な噛み合わせの調整を行っています。

歯並びの矯正治療を行う

歯ぎしりの原因が歯並びの乱れや嚙み合わせによるものだと予想できる場合は、矯正治療などで改善を目指すことも選択肢の一つです。治療に時間や費用が掛かりますが、顎の負担を減らしたり見た目の美しさを向上させられたり、メリットも大きいため検討しても良いでしょう。

強度の高い素材を選ぶ

インプラントに使用する素材にはいくつか種類があり、強度の高いインプラント体や耐久性に優れた被せ物もあります。例えば、ジルコニア製の被せ物はオールセラミックに比べて割れにくく、歯ぎしりのある方が選ぶことも多い素材です。

生活習慣の見直し

歯ぎしりの要因として、ストレスや喫煙・飲酒の習慣なども考えられます。特に、ストレスは歯ぎしりに大きく関係があるとされています。

リラックスする時間を増やし、適度な運動などストレスを軽減できる習慣を取り入れることで、歯ぎしりの頻度や程度を抑えられるでしょう。また、就寝前には電子機器から離れることを意識し、寝具の見直しを行い、睡眠の質を高めることも効果的です。

定期的にメンテナンスを受ける

インプラントを長持ちさせるためには、トラブルを未然に防ぐことが大切です。そのためには定期的なメンテナンスが不可欠と言えるでしょう。

3カ月に一度、歯科医院でのメンテナンスを受けることで噛み合わせのチェックやマウスピースの調整、インプラント周囲の清掃を行います。また、もしトラブルが起きていても早期に発見することができます。

まとめ

インプラント治療で快適な歯になって笑顔の男女

歯ぎしりはインプラントに大きな負担をかけるため、ナイトガードの使用や生活習慣の見直しなどのさまざまな工夫が必要になります。歯ぎしりがあるからといってインプラントを諦める必要はありませんが、歯科医師と相談しながら自分に合った治療計画を立てることが大切です。

インプラントを長持ちさせるためにも適切なケアとメンテナンスを心がけましょう。

インプラント治療を検討されている方は、長崎県諫早市にある歯医者「諫早ふじた歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。

 

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長崎県諫早市多良見町中里129-14

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