2025/09/29

歯周病と全身疾患の関係はありますか?

歯周病と全身疾患の関係はありますか?|諫早ふじた歯科・矯正歯科

はじめに

「歯周病はお口の中の病気」と思っていませんか?
実は歯周病は、単に歯を失うだけでなく、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞、認知症、妊娠への影響など、全身の健康に関わる病気であることが分かっています。

日本人成人の約8割がかかっているとされる歯周病は、今や「国民病」といわれています。そして近年の研究によって、歯周病は「お口だけの問題」ではなく「全身の健康に直結する病気」であることが次々と報告されています。

本記事では、歯周病と全身疾患の関係、具体的にどんな病気とつながるのか、その予防と治療の重要性について、分かりやすく解説いたします。


歯周病とは?

歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨(歯槽骨)が細菌によって破壊される病気です。
主な原因は 歯垢(プラーク)に潜む細菌で、この細菌が歯ぐきに炎症を引き起こします。

  • 初期(歯肉炎):歯ぐきが赤く腫れ、出血しやすい

  • 中期(歯周炎):歯周ポケットが深くなり、骨が溶け始める

  • 重度(重度歯周炎):歯がぐらつき、最終的には抜け落ちる

しかし問題は、歯周病が「沈黙の病気」と呼ばれるほど自覚症状が少ないまま進行する点にあります。そして進行した歯周病は、血流を介して全身に影響を及ぼすのです。


歯周病と全身疾患の関係

① 糖尿病との関係

糖尿病と歯周病は双方向の関係があります。

  • 糖尿病により免疫力が低下 → 歯周病が進行しやすくなる

  • 歯周病により炎症物質が血糖コントロールを妨げる → 糖尿病が悪化

実際に、歯周病治療を行うと血糖値(HbA1c)が改善することが多くの研究で示されています。
糖尿病の治療には、歯周病ケアが欠かせないのです。

歯周病


② 心筋梗塞・動脈硬化・脳梗塞

歯周病菌が血管内に入り込むと、動脈硬化を進行させ、血栓を作りやすくすると考えられています。

  • 血管の内側に炎症を起こす

  • プラーク(血管のコレステロールの塊)を不安定化させる

  • 血流を阻害し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高める

つまり歯周病は、「血管の病気」とも深く結びついているのです。


③ 認知症(アルツハイマー病)

近年注目されているのが、歯周病と認知症の関係です。

歯周病菌が作る毒素(LPS)が血流を介して脳に到達し、アルツハイマー型認知症に関与する可能性が報告されています。
また、歯周病で歯を失い「噛む力」が低下すると、脳への刺激が減少し、認知機能の低下を促進するといわれています。


④ 妊娠・出産への影響

妊婦さんが重度の歯周病を持っていると、早産や低体重児出産のリスクが高まることが研究で示されています。

妊娠中はホルモンの変化によって歯ぐきが炎症を起こしやすくなるため、妊娠性歯肉炎もよく見られます。
そのため、妊娠前や妊娠中に歯周病ケアを行うことは、母体だけでなく赤ちゃんの健康を守ることにもつながります。


⑤ 呼吸器疾患(誤嚥性肺炎)

高齢者に多い誤嚥性肺炎の原因の一つが、口腔内の細菌です。
歯周病菌を含む唾液や食べ物が誤って気管に入ることで肺炎を引き起こすことがあります。

特に高齢者や介護が必要な方にとって、口腔ケアは命を守るケアといえるでしょう。


⑥ その他の疾患との関わり

歯周病は他にも、

  • メタボリックシンドローム

  • 関節リウマチ

  • がんの発症リスク

との関連も研究が進められています。

歯周病と全身疾患 


歯周病を予防・改善することで得られるメリット

歯周病を治療することは、単に歯を守るだけでなく、全身の病気を予防・改善する可能性があることが分かっています。

  • 血糖コントロールの改善(糖尿病)

  • 心筋梗塞・脳梗塞リスクの低下

  • 認知機能低下の予防

  • 妊娠中の合併症リスクの軽減

  • 高齢者の肺炎予防

まさに「歯周病治療=全身の健康管理」といえるのです。


歯周病予防のためにできること

① 毎日のセルフケア

  • 正しい歯磨き(歯と歯ぐきの境目を意識)

  • デンタルフロスや歯間ブラシで歯の間も清掃

  • 就寝前の丁寧なブラッシングが特に重要


② 定期的な歯科検診

  • 3〜6ヶ月に1回の定期検診・クリーニング

  • 歯石やプラークを専門的に除去

  • 歯周ポケットや出血のチェック


③ 生活習慣の改善

  • 禁煙(喫煙者は非喫煙者の2〜7倍歯周病リスクが高い)

  • バランスの良い食事(ビタミンC、カルシウム)

  • 規則正しい生活で免疫力を維持


まとめ|歯周病は全身の健康に影響する病気

  • 歯周病は「お口の病気」だけでなく、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、認知症、妊娠・出産、肺炎など全身疾患と深く関係している

  • 歯周病を予防・治療することは、歯を守るだけでなく全身の健康維持にも直結する

  • 毎日のセルフケアと定期的な歯科検診が最大の予防策


当院での歯周病予防・治療

諫早ふじた歯科・矯正歯科では、歯周病治療を通して「お口の健康」だけでなく「全身の健康」を守ることを大切にしています。

  • 歯周病リスク検査

  • 専門的クリーニング(スケーリング・ルートプレーニング)

  • ブラッシング指導

  • 定期的なメンテナンス

「最近歯ぐきから血が出る」「口臭が気になる」「家族に歯周病の人がいる」など気になる症状があれば、ぜひご相談ください。

諫早ふじた歯科・矯正歯科

📍 長崎県諫早市多良見町中里129-14
📞 0957-43-2212
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👉 歯周病を放置すると、歯を失うだけでなく全身の健康リスクも高めます。
定期的な検診と正しいケアで、歯と体の健康を守りましょう。