2025/12/22

インプラントの寿命は?

🦷 インプラントって、どれくらい長く使えるの?

何年もつのか・長持ちさせるコツを、歯科医がやさしくお話しします


はじめに

諫早ふじた歯科・矯正歯科の藤田です。今日はインプラントの寿命についてお話しします。

「インプラントって、一生使えるって聞いたけど…本当かな?」

「高い治療だし、何年くらいもつのか心配…」

インプラント治療を考えたとき、多くの方がまず気になるのが**「寿命」**のことですよね。入れ歯やブリッジよりも費用がかかる分、「できるだけ長く使いたい」「失敗したくない」と思うのは、とても自然なことです。

結論からお伝えすると、インプラントはとても長持ちする治療法です。

ただし、「何もしなくても一生もつ」というわけではありません。実は、治療した後の過ごし方で、寿命は大きく変わってくるんです。

この記事では、

  • インプラントって実際どれくらいもつの?

  • 寿命が短くなってしまう理由って?

  • 長く快適に使い続けるには、どうすればいい?

こんな疑問に、歯科医の立場からわかりやすくお答えしていきますね。

噛み合わせが悪いとインプラントのアパットメントが緩む様子


1. インプラントの寿命は、実際どれくらい?

✅ 一般的な目安

インプラントの寿命は、10〜15年以上が一つの目安とされています。でもこれは、あくまで平均的な数字。実際には、20年以上も問題なく使えている方もたくさんいらっしゃいます。

国内外の研究を見ても、10年後にインプラントが残っている割合(生存率)は90%以上。きちんとケアされているインプラントは、想像以上に丈夫で長持ちすることがわかっています。

「インプラント本体」と「かぶせもの」は別もの

ここで大切なポイントがあります。インプラントは、

  1. 骨の中に埋まっているインプラント本体(チタンの部分)

  2. その上にかぶせる人工の歯(白い歯の部分)

この2つで成り立っているんです。

インプラント本体は、とても丈夫で長期間安定しやすい素材。一方、かぶせものは、噛み合わせや使い方によって、10〜15年ほどで交換が必要になることもあります。これは、天然の歯にかぶせた銀歯やセラミックと同じように考えていただくとわかりやすいですね。


2. インプラントの寿命が短くなってしまう理由

インプラントの寿命を縮めてしまう、主な原因はこちらです。

🔴 インプラント周囲炎

インプラントがダメになってしまう原因で、一番多いのが**「インプラント周囲炎」**という病気です。

これは、インプラントの周りに細菌がたまって、歯ぐきや骨が炎症を起こしてしまうもの。天然の歯でいう**「歯周病」**にとてもよく似ています。

怖いのは、初めのうちはほとんど症状がないこと。痛みもないままじわじわ進行して、気づいたときにはインプラントを支える骨が溶けてしまっている…なんてこともあるんです。

🔴 メンテナンス不足

「インプラントを入れたから、もう歯医者に行かなくていいよね」

これは、大きな誤解です。

インプラントは虫歯にはなりませんが、汚れがたまれば炎症は起こります。定期的なメンテナンスを受けていないと、周囲炎のリスクがぐっと高まってしまいます。

🔴 噛み合わせ・歯ぎしり

強い食いしばりや歯ぎしりがあると、インプラントに大きな負担がかかります。その結果、

  • かぶせものが欠けてしまう

  • ネジが緩んでしまう

  • 周りの骨にダメージが出る

といったトラブルにつながることがあります。

🔴 生活習慣・持病

喫煙されている方、糖尿病をお持ちの方、以前に歯周病になったことがある方は、インプラント周囲炎のリスクが高くなることがわかっています。そのため、治療前の準備と治療後のケアが、特に大切になってきます。


3. ✨ インプラントを長持ちさせるために、できること(長寿のコツ)

インプラントの寿命は、あなたの**「お手入れ次第」**で大きく変わります。ぜひ、以下の3つのポイントを実践しましょう。

適切な噛み合わせを維持するために定期的なメンテナンスを受ける女性

1. 毎日のセルフケアを徹底する

インプラントを長く使うための基本は、毎日の丁寧な歯みがきです。

歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスも使って、インプラントの周りの汚れをしっかり落としましょう。特にインプラントと歯ぐきの境目は、汚れがたまりやすい部分です。

2. 3〜6か月に一度の定期メンテナンス

「入れて終わり」ではなく、「入れてからがスタート」です。

定期検診では、

  • 歯ぐきの状態チェック

  • 噛み合わせの確認

  • かぶせものの緩みチェック

  • プロによる専門的なクリーニング

を行って、小さなトラブルの芽を早めに見つけます。この積み重ねが、インプラントの寿命を大きく左右します。

3. 歯ぎしり・食いしばり対策

歯ぎしりがある方には、**ナイトガード(寝るときに使うマウスピース)**をおすすめすることがあります。無意識にかかる強い力からインプラントを守って、破損や脱落のリスクを減らすことができます。


4. 「インプラントは一生もつ」って本当?

よく「インプラントは一生もつ」と言われますが、正確には**「きちんとケアすれば、とても長く使える」**治療です。

天然の歯と同じで、

  • ケアを怠れば、寿命は短くなる

  • 丁寧に管理すれば、長く使い続けられる

こう考えていただくのがいいですね。

📌 かぶせもの(人工歯)の寿命について

かぶせものは、ある意味「消耗品」の側面があります。噛み合わせや素材によっては、10〜15年で作り替えが必要になることも。

ただし、インプラント本体が問題なければ、かぶせものを新しくするだけで済むので、再治療の負担は比較的軽く済むことが多いんですよ。


5. よくあるご質問

QA
Q. 高齢でも、インプラントは長持ちしますか?A. 年齢よりも、骨の状態やメンテナンスの方が重要です。きちんとケアできれば、年齢に関係なく長く使えます。
Q. メンテナンスに通えないと、どうなりますか?A. 周囲炎のリスクが高まって、インプラントの寿命が短くなる可能性があります。定期的に通っていただくことが、とても大切です。

📝 まとめ | インプラントは「治療後」が本当のスタート

インプラントの寿命は、10〜15年以上が目安。でも、正しいケアと定期メンテナンスで、20年以上も快適に使える可能性は十分にあります。

大切なのは、

「入れて終わり」ではなく、

入れてからどう大切に守っていくか。

そこが、長く付き合っていくための鍵なんです。


🍎 当院のインプラント治療について

諫早ふじた歯科・矯正歯科では、治療後までしっかり見据えたインプラント治療と、丁寧なメンテナンスを大切にしています。実績は2025年11月末までで2200本です。

「自分の場合は、どれくらいもつのかな?」

「もっと詳しく知りたい」

そんな疑問や不安があれば、どうぞお気軽にご相談くださいね。

あなたのインプラントが、ずっと快適に使えますように。