2020/08/10

歯周病と糖尿病

長崎県諫早市の歯医者  「諫早ふじた歯科・矯正歯科」理事長の藤田です

 

昨日土曜日の昼から、スタディグループの講演会に行ってきました。
広島大学の西村教授に、『歯周病と糖尿病』という題目で講演していただきました。

新しい見解や、情報、データなども見せていただき、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。いい講演でした。以下、内容を記します。

現在わが国の糖尿病は増加の一途をたどっています、以前から糖尿病と歯周病の関係が指摘されていましたが、最近の研究により、そのメカニズムも解析されてきています。

糖尿病は1型もⅡ型も、歯周病が進行しやすいことが知られていました。そのため糖尿病の6番目の合併症が歯周病といわれています。

ところで歯周病は、細菌感染症なのですが、歯周病が中等度に進行した患者の場合、歯周ポケット内のバイオフィルムとの接触野が手のひら大の面積(75c㎡)で接触しているそうです。そのため始終、生体(その患者さん)にとっては軽い慢性炎症を起こしているのです。

この軽微な慢性炎症が、インシュリン抵抗性(インシュリンが出ていても効きにくい、そのためより多量にインシュリンを出すことになる)を引き起こし、血糖コントロールが悪化するのです。つまり、糖尿病が悪化します。
この軽微な慢性炎症(歯周病)を治すと、糖尿病もよくなるというメカニズムです。

この軽微な慢性刺激というのが曲者でして、実は肥満がそれに当たります。
肥満になると脂肪細胞が増えますね。その成熟脂肪細胞からアディポサイトカインというのが出まして、それが多くは炎症性の慢性刺激になるのです。
そのため、肥満がひどくなると、糖尿病も悪化します。

西村先生によると、太ることは、『生体における最大の慢性疾患である』と断言されたのです。つまり、太ることにより、全ての炎症は増悪するのです。

肥満や高血糖が、炎症を悪化、増悪させ、酸化ストレスが過剰になると、動脈硬化や心筋梗塞を起こしやすくなるのです。

まとめると、歯周病の治療を行うことにより、糖尿病の改善に寄与することになり、
ひいては、動脈硬化や心筋梗塞の発症を減らせるということになります。
そして、肥満が諸悪の根源で、病状を悪化させる因子なのです。
メタボ対策をしっかりしないといけませんね。

結構、内容にショックだった先生方が多かったらしく、懇親会の中華では、皆さん、いつもより、箸が進んでいなかったみたいです。
え?はいそうです。私もいつもより控えめに食べましたよ。(笑)

メタボ対策、しっかりしましょうね。

長崎県諫早市多良見町中里129-14

医療法人 夢昂会 諫早ふじた歯科・矯正歯科